あなたのレベル買い取ります! 無能と罵られ最強ギルドを追放されたので、世界で唯一の店を出した ~俺だけの【レベル売買】スキルで稼ぎまくり~

桜井正宗

文字の大きさ
219 / 319

【219】 お土産的なもの

しおりを挟む
 錬金術師・ワンダのお店は『N地区』の『U地区』寄りの場所にあった。U地区というと、貴族街の場所だ。更にその先が『L地区』となり、巨大塔・オルビスやらあるわけだ。

 U地区の境界線ギリギリに大きなお店はあった。あの三階建ての立派な建造物こそ、ワンダのお店『パナシーア』だ。……とはいえ、あれは二号店らしい。一号店の場所は『L地区』だとか。


「到着しましたね。やっぱり繁盛していますよ、海人様。ねぇ、ほらほら」


 ルナが珍しくテンション高め。
 もしかして、こういうイベントが好きなのだろうか。確かにお店の前には長蛇の列。新発売の洗剤を求めて殺到しているようだ。


 五十人はいるのか……?


「あら、そこのお二人さん。カイト様にルナ様」


 いきなり声を掛けられ、俺は振り向く。
 そこには綺麗な猫耳と尻尾を持つメイドさんがいた。あぁ、実に分かりやすい。この女性ひとは『オーロラ』さんだ。


「オ、オーロラ!」


 俺よりも先にルナが驚く。だろうね。
 オーロラは、ルナにとっての師匠みたいな女性ひと。あの皇女であるルナにメイドのなんたるかを徹底的に叩き込んだという、恐ろしくも優しいメイドさんだ。


「お久しぶりです。カイト様も」
「久しぶり、オーロラ。今日はもしかして、洗剤を求めて?」

「その通りです。丁度、購入した所でして……あぁ、お二方もですね」

「お察しの通りです。俺たちはこれから並ぶんです。でも、この分だと売り切れちゃうかなあ」


 在庫の限りがありますとか張り紙もあるくらいだ……あり得る。ちょっと心配になっていると、オーロラが微笑む。


「そうでしたか、では少々お待ちを」

「え?」


 俺とルナは顔を合わせ、困惑した。オーロラはお店の中へ入っていき、数分も経たずに出てきた。ワンダも一緒だった。


「では、わたくしはこれで」


 そうオーロラは会釈しながらスタスタと去った。えぇ……何を言ったんだか。


「久しぶりだな、カイト。おぉ、ルナも」

「よう、ワンダ。元気そうだな」
「お久しぶりです。ワンダ」


 相変わらず錬金術師の格好だ。ミニスカで、あのちょっと学校の制服っぽい服は、俺が昔いた世界を彷彿ほうふつとさせる。なんだか懐かしいな。


「話は伺った。最新の洗剤が必要なのだな」

「あ、ああ……いいのか。並んでもないのに、先に売って貰って」


 俺は周囲の目も気にしながらそう言った。さすがにちょっと申し訳ないし。と、思ったのだがワンダは笑った。


「いや、大丈夫だ。そのうちルナが来るだろうと思ってね、取り置きしてあるんだよ。予想通り、このパナシーア二号店へ来てくれた。ほら、これが洗剤だ」


 不思議な形をした容器を受け取った。
 なるほど、これは『食器用洗剤』か。

 汚れ瞬殺、手肌を荒れさせません……除菌などと書かれていた。この謳い文句が本当なら、人気が出るのは当然か。


「おいくらですか?」


 ルナがワンダに値段を聞く。
 すると首を横に振るワンダは、なんだかニヤケ顔で俺の方にこう交渉してきた。


「タダでいい。その代わり、この洗剤をイルミネイトでも置いて欲しい」
「……つまり、ウチでも宣伝しろと」

「そういう事。これくらいいいだろう、カイト。足りないというのなら、今晩は、私が相手になってやろうか? ほら、胸には自信がある」


 確かにデカイ。
 思わず注目するとワンダはニシシと笑い、白い歯を見せてくる。ああ、これは揶揄からかわれているな。そして、そう色目を使われると――


「……ワンダ。海人様はわたしのなんです!」


 俺を盗られまい? と、ルナは必死になって抱きついてくる。そう俺を抱えられると、その色々な部分が当たってですね……。

 このままでは、ルナが暴走しそうだ。
 なんとかしよう。


「ルナ、落ち着いて」


 頬に手で触れた。
 もちもちっとした、けれどスベスベの感触が指に伝わる。すげぇキメ細かさ……どうしたら、そんな人間離れした肌になるんだか。


「……はぅ。か、海人しゃま……」


 とろんととろける。顔を真っ赤にし、激しくドキドキとしているようだ。


「ワンダ、そういうワケだ」
「むぅ……そうか惜しいな。けど、分かった。イルミネイトには置いて貰えるのだろう?」

「ああ、それは問題ない」


 俺は、イルミネイトで置く事を了承し、洗剤を無料で戴いた。当初の目的であったお土産的なものが出来たな。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身、動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物や魔法、獣人等が当たり前に存在する異世界に転移させられる。 彼が送るのは、時に命がけの戦いもあり、時に仲間との穏やかな日常もある、そんな『冒険者』ならではのスローライフ。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練とは如何なるものか。 ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

デバフ専門の支援術師は勇者パーティを追放されたので、呪いのアイテム専門店を開きます

夏見ナイ
ファンタジー
支援術師ノアは、敵を弱体化させる【呪物錬成】スキルで勇者パーティを支えていた。しかし、その力は地味で不吉だと疎まれ、ダンジョン攻略失敗の濡れ衣を着せられ追放されてしまう。 全てを失い、辺境の街に流れ着いたノア。生きるために作った「呪いの鍋」が、なぜか異常な性能を発揮し、街で評判となっていく。彼のスキルは、呪いという枷と引き換えに、物の潜在能力を限界突破させる超レアなものだったのだ。本人はその価値に全く気づいていないが……。 才能に悩む女剣士や没落貴族の令嬢など、彼の人柄と規格外のアイテムに惹かれた仲間が次第に集まり、小さな専門店はいつしか街の希望となる。一方、ノアを追放した勇者パーティは彼の不在で没落していく。これは、優しすぎる無自覚最強な主人公が、辺境から世界を救う物語。

無能と追放された鑑定士の俺、実は未来まで見通す超チートスキル持ちでした。のんびりスローライフのはずが、気づけば伝説の英雄に!?

黒崎隼人
ファンタジー
Sランクパーティの鑑定士アルノは、地味なスキルを理由にリーダーの勇者から追放宣告を受ける。 古代迷宮の深層に置き去りにされ、絶望的な状況――しかし、それは彼にとって新たな人生の始まりだった。 これまでパーティのために抑制していたスキル【万物鑑定】。 その真の力は、あらゆるものの真価、未来、最適解までも見抜く神の眼だった。 隠された脱出路、道端の石に眠る価値、呪われたエルフの少女を救う方法。 彼は、追放をきっかけに手に入れた自由と力で、心優しい仲間たちと共に、誰もが笑って暮らせる理想郷『アルカディア』を創り上げていく。 一方、アルノを失った勇者パーティは、坂道を転がるように凋落していき……。 痛快な逆転成り上がりファンタジーが、ここに開幕する。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

処理中です...