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【221】 レベル売買と聖剣
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料金を支払うと、ミーティアはパライバトルマリンに強く念じた。……おぉ、水晶が青く輝いて、なんかそれっぽい雰囲気。
「お兄ちゃんとルナさんの未来が視えてきました……! うんうん……なるほど、なるほど~」
「それで、何か分かりそうか?」
静かに、と掌を向けられたので俺は黙る。まだ時間が掛かるらしい。もしかして、不吉なのか……それとも明るい未来が。
固唾を呑んで状況を見守っていると――不安気なルナが俺の左手を握り、指を絡めてきた。こう思っては何だが、占いでこれ程までに緊張するとはな。一応、初体験らしいし、まあこれはこれでルナの意外な一面が見れて俺は満足していた。
「結果出たよ!」
「そうか、じゃあ教えてくれ。俺とルナの未来は明るいか?」
そう訊くと、ミーティアは舌を出し、小悪魔のようにテヘッと笑う。
「うーん、お兄ちゃんはよく分かんない」
「……え? よく分かんないって……どういう事? 占いなんだろう? 何かこう運勢の良い悪いが分かるものじゃないのかよ」
つまりなんだ、俺に未来は無いって話か? そうなのか!? そうは信じたくないな。イルミネイトを存続させないとだからな。そんな結果に複雑になっていると、補足が入った。
「強いて言えば、普通かな」
「普通って……適当だなぁ、もう。分かったよ、俺はいいから、ルナはどうなの?」
「わ、わたしも気になります。お願いです、ミーティアちゃん……」
せめてルナの運勢だけでも真面な返答があるといいのだが。というか、こんな占いが貴族の中で流行っているのか……?
段々と疑心暗鬼に陥っていると、ミーティアはルナを真っ直ぐ見て、結果を口にした。
「好きな人に猛烈アタックするチャンスだね。恋愛運100%!! 成就100%!! でも、いつものルナさんらしく輝いていれば、待ち人来るし、最高の幸せを掴めるよ。おまけに、ラッキーカラーは桃色だねッ」
こいつは驚いた。しっかりした占い結果じゃないか。てっきり、適当占いかと思ったが、俺だけ読めなかったようだな。なんでだ!
それはいいとして、ルナは……。
「恋愛運100%……それは大変素晴らしいです! 分かりました、ミーティアちゃん。占ってくれて、どうもありがとうございました。わたし、頑張ります」
その占い、とっくに叶っているような……いやだけど、ルナがこんな嬉しい顔してくれるんだから、占って貰った意味はあった。
「でも気を付けてね。この先で何かちょっと……」
ミーティアが言いかけて、止まった。
「どうした?」
「……この裏路地、たまに悪い人が通るんだよね。ほら、来た」
通路の奥から人影が歩いて来ていた。……あの顔は、さっきの野良冒険者。人相が悪いし、とても仲良くなれるタイプではなかった。
「やっと見つけたぜ。しかも、この裏路地なら、あの帝国の騎士もいねぇ。邪魔は入らないってワケだ。……おお、これは驚いた。美人メイドだけでなく、美少女エルフもいるじゃねえか」
ヤツは、ルナとミーティアを嘗め回すように見る。なるほど、コイツは美女狙いってわけか。因みに、アンハルトはルナが護衛不要と帰らせているので、もちろん居るわけがない。
「お兄ちゃん、アイツ……名前は、バルバール。この帝国・レッドムーンで若い女性ばかりを付け狙って襲っているみたい。実はね、ネタバレするとこの占い……コレリックも使っていた『ラディウス』を応用しているんだ。つまり呪術なの」
高等呪文じゃないか。
そうか、今のミーティアには大賢者の杖『インフィニティ』がある。それくらい造作もないという事だ。まさか、そんな大魔法に匹敵するスキルで占っていたとは。それに、あの男の情報も一瞬で分かるとか凄いな。
「そうか。教えてくれてありがとう、ミーティア」
俺は一歩前へ出て、バルバールに聞く。
「おい、アンタ……今まで何人襲った?」
「ヒヒヒ……何人? そりゃあ、数えきれない程に若い女を襲ってやったさ! いいよなぁ、この帝国には美女が沢山いてよォ! 襲い放題ってワケ!! 全員、良い表情をしてくれた……そこのメイドはどんな表情をしてくれるか、楽しみだなぁ……」
ナイフを一気に三本も取り出すバルバール。……あのポイズンナイフ、まさか……バオお手製のヤツか。ヤツは捕まって大監獄の中。つまり……脱獄した!? いや、海底監獄だぞ。あり得ない……誰だ? 誰があの毒ナイフを。
「海人様、ここはわたしが」
前へ出ようとするルナを俺は止めた。
「だめだ。アイツのナイフには恐らく、強力な麻痺毒が塗られている。猛毒だと死んじゃうからな……」
「で、でも……」
「なぁに、俺には『レベル売買』スキルがあるんだ。あと聖剣もな! 借りるぜ、ソレイユ!」
手を空に伸ばせば、聖剣『マレット』が即座に反応し、飛翔してくる。おぉ、今日も早い早い。形状は完全にゲートボールで使うスティック。だが、この聖剣は槌形状ではあるものの、あくまで剣扱い。帝国・レッドムーンの皇帝陛下より賜りし、立派な聖剣なのだ。これが最高のグリップ感で、手によく馴染む。おまけに超軽量。なのに破壊力抜群のリーサルウェポンだ。
「そ、それは……ソレイユのマレット!」
「うん、これでルナもミーティアも守るよ」
ソレイユが別に使っても構わない、寧ろ使ってくれなきゃ怒るっていうからな。だから、使わせて貰っていた。武器なし商人には有難い。
――さぁて、どう料理してやろうか。
「お兄ちゃんとルナさんの未来が視えてきました……! うんうん……なるほど、なるほど~」
「それで、何か分かりそうか?」
静かに、と掌を向けられたので俺は黙る。まだ時間が掛かるらしい。もしかして、不吉なのか……それとも明るい未来が。
固唾を呑んで状況を見守っていると――不安気なルナが俺の左手を握り、指を絡めてきた。こう思っては何だが、占いでこれ程までに緊張するとはな。一応、初体験らしいし、まあこれはこれでルナの意外な一面が見れて俺は満足していた。
「結果出たよ!」
「そうか、じゃあ教えてくれ。俺とルナの未来は明るいか?」
そう訊くと、ミーティアは舌を出し、小悪魔のようにテヘッと笑う。
「うーん、お兄ちゃんはよく分かんない」
「……え? よく分かんないって……どういう事? 占いなんだろう? 何かこう運勢の良い悪いが分かるものじゃないのかよ」
つまりなんだ、俺に未来は無いって話か? そうなのか!? そうは信じたくないな。イルミネイトを存続させないとだからな。そんな結果に複雑になっていると、補足が入った。
「強いて言えば、普通かな」
「普通って……適当だなぁ、もう。分かったよ、俺はいいから、ルナはどうなの?」
「わ、わたしも気になります。お願いです、ミーティアちゃん……」
せめてルナの運勢だけでも真面な返答があるといいのだが。というか、こんな占いが貴族の中で流行っているのか……?
段々と疑心暗鬼に陥っていると、ミーティアはルナを真っ直ぐ見て、結果を口にした。
「好きな人に猛烈アタックするチャンスだね。恋愛運100%!! 成就100%!! でも、いつものルナさんらしく輝いていれば、待ち人来るし、最高の幸せを掴めるよ。おまけに、ラッキーカラーは桃色だねッ」
こいつは驚いた。しっかりした占い結果じゃないか。てっきり、適当占いかと思ったが、俺だけ読めなかったようだな。なんでだ!
それはいいとして、ルナは……。
「恋愛運100%……それは大変素晴らしいです! 分かりました、ミーティアちゃん。占ってくれて、どうもありがとうございました。わたし、頑張ります」
その占い、とっくに叶っているような……いやだけど、ルナがこんな嬉しい顔してくれるんだから、占って貰った意味はあった。
「でも気を付けてね。この先で何かちょっと……」
ミーティアが言いかけて、止まった。
「どうした?」
「……この裏路地、たまに悪い人が通るんだよね。ほら、来た」
通路の奥から人影が歩いて来ていた。……あの顔は、さっきの野良冒険者。人相が悪いし、とても仲良くなれるタイプではなかった。
「やっと見つけたぜ。しかも、この裏路地なら、あの帝国の騎士もいねぇ。邪魔は入らないってワケだ。……おお、これは驚いた。美人メイドだけでなく、美少女エルフもいるじゃねえか」
ヤツは、ルナとミーティアを嘗め回すように見る。なるほど、コイツは美女狙いってわけか。因みに、アンハルトはルナが護衛不要と帰らせているので、もちろん居るわけがない。
「お兄ちゃん、アイツ……名前は、バルバール。この帝国・レッドムーンで若い女性ばかりを付け狙って襲っているみたい。実はね、ネタバレするとこの占い……コレリックも使っていた『ラディウス』を応用しているんだ。つまり呪術なの」
高等呪文じゃないか。
そうか、今のミーティアには大賢者の杖『インフィニティ』がある。それくらい造作もないという事だ。まさか、そんな大魔法に匹敵するスキルで占っていたとは。それに、あの男の情報も一瞬で分かるとか凄いな。
「そうか。教えてくれてありがとう、ミーティア」
俺は一歩前へ出て、バルバールに聞く。
「おい、アンタ……今まで何人襲った?」
「ヒヒヒ……何人? そりゃあ、数えきれない程に若い女を襲ってやったさ! いいよなぁ、この帝国には美女が沢山いてよォ! 襲い放題ってワケ!! 全員、良い表情をしてくれた……そこのメイドはどんな表情をしてくれるか、楽しみだなぁ……」
ナイフを一気に三本も取り出すバルバール。……あのポイズンナイフ、まさか……バオお手製のヤツか。ヤツは捕まって大監獄の中。つまり……脱獄した!? いや、海底監獄だぞ。あり得ない……誰だ? 誰があの毒ナイフを。
「海人様、ここはわたしが」
前へ出ようとするルナを俺は止めた。
「だめだ。アイツのナイフには恐らく、強力な麻痺毒が塗られている。猛毒だと死んじゃうからな……」
「で、でも……」
「なぁに、俺には『レベル売買』スキルがあるんだ。あと聖剣もな! 借りるぜ、ソレイユ!」
手を空に伸ばせば、聖剣『マレット』が即座に反応し、飛翔してくる。おぉ、今日も早い早い。形状は完全にゲートボールで使うスティック。だが、この聖剣は槌形状ではあるものの、あくまで剣扱い。帝国・レッドムーンの皇帝陛下より賜りし、立派な聖剣なのだ。これが最高のグリップ感で、手によく馴染む。おまけに超軽量。なのに破壊力抜群のリーサルウェポンだ。
「そ、それは……ソレイユのマレット!」
「うん、これでルナもミーティアも守るよ」
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