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魔法学校へ行こう?
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ダンジョンから出て、そのままお風呂へ。
アイルとカリストさんとすれ違いざま、良い匂いがした……。
脱衣所に入り、そのまま大浴場へ。なんか神殿みたいな場所に出た。これ、まだダンジョンの続き……?
「すご……ドラゴンの口からお湯が出てる」
「気に入ったか、キエル。これがウチの風呂だ」
「貴族って凄いなあ」
「驚くのはまだ早い。あっちにはシャワーもあるし、露天風呂もあるんだ」
もう凄すぎて驚くのも忘れていた。
シャワーを浴びて、その後に泳げるほど広い浴槽へドボン。ラルも飛び込んできた。
「快適だねぇ! 北国じゃ考えられない規模だ。さすが帝国」
「キエルなら飽きるまでウチに居ていいぞ」
「本当かい? そうだなぁ、ラルが良ければしばらくはお邪魔しようかな」
「ずっと居てもいいさ。俺とキエルは友達だろ?」
「うん」
始めて出来た男友達。
それが嬉しくて、僕は照れた。
「それで、キエル。明日からはどうするんだ? 地下ダンジョンへ行ってもいいと思うし、魔法使いの更に上を目指すのなら……『魔法学校』かな」
「魔法学校?」
「なんだ、知らないか。魔法使いより上の存在になるには、魔法学校で『魔法スキル』を専攻しないとな。キエルだって『魔法使い』になるのは、魔法学校で学んだんじゃないのか」
「僕は独学。というか、母さんが教えてくれたんだ」
「キエルの母様か。つまり、君の母親は『先生』だったりするの?」
「そうなんだ。僕の母さんは『プロフェッサー』だよ。フィルン唯一のね」
プロフェッサーは、魔法使い系統から派生した職業であり『魔法使いの先生』という立場となる。
「それは凄いな。先生になるのは、かなりの魔法知識がないとなれないと聞いた。キエル、君の母様は凄い人だ」
なんだか自分の事のように照れる。
「それでも、僕は魔法を覚えられなくてね。ずっと『Lv.1』だった。だから、嫌気が刺して国を出て行った。自分で何とかしようって努力していたはずなんだけど『砂漠の鷲』というギルドに関わったのが運の尽きだった」
「砂漠の鷲か。父さんの言っていたギルドか。恐らく、そこが父さんとアイル様を襲ったんだろうね」
「うん、だからもっと強くなって皆を守れる魔法使いになりたいな」
「じゃあ、魔法学校に通うしかないな」
「でも、その前にお金を貯めないとね」
「そうだな、学校に入学するにはかなりの金が必要だ。俺が支援してもいいが……」
「いや……いいよ、ラル。自分の事は自分でやる」
ギフトの力で何とかお金を貯めるさ。
このお屋敷の地下ダンジョンを借りまくるか。
「分かった。だけど、俺も手伝うよ。地下ダンジョンに限らず、帝国周辺のダンジョンへ行こうぜ」
「ありがとう。アイルも連れていくよ」
「おう」
そんな話を続け、ゆっくりとお風呂を楽しんだ後は自室へ戻った。
◆
「ただいま、アイル……って、もう寝てるし」
さっきも寝ていたのにな。
きっと寝るのが好きなのかもしれない。
僕も疲れたし……って、ベッドがひとつしかない! でも、ベッドは広いから入っても……いや、アイルと一緒に寝るだなんて……。
さすがに色々まずい気がしたので、僕は床で寝る事にした。……あぁ、床は背中が痛いなぁ。
――朝、目覚めると何故かベッドの上にいた。
「……あれぇ、僕は床で寝ていたはず」
「……お、おはようございます。キエルさん」
「ん、ああ……アイルって、アイルぅ!?」
隣にはアイルがいた。
ま、まさかアイルが僕の体をベッドへ?
「キエルさん、寝相悪すぎです! 床で寝ちゃうだなんて風邪引いちゃいますよ。だから、わたしが引き上げておきました」
「ち、力持ちなんだね」
「頑張って引っ張りました。結構大変だったんですよ~、こう後ろから抱きついて腕を回して――」
そう聞くと、僕はアイルに凄く密着されていたようだ。寝ていてまったく気づかなかったぁ……どうして起きていなかったんだ。
「ごめんな」
「いいんですよ。寝相の悪さには驚きましたけど」
実は、遠慮して床で寝ていたとか今更言えないなぁ。
「まあ、これからも床で寝るよ」
「だめです! わたし、キエルさんの事を信頼しているから、一緒の部屋にいるんですよ~。だから、問題ないんですっ」
めっ! と、可愛く怒られ、僕は逆に照れた。そこまで信用してくれていたんだ。けれど、そうだ。僕は皇帝陛下からアイルを任されているんだ。アイルが僕を信頼してくれているように、僕もアイルを信頼していかなきゃ。
「うん、それじゃあ遠慮なくベッドで寝ようかな」
「はいっ」
決まったところで朝ごはんにして……これからどうしようか。
アイルとカリストさんとすれ違いざま、良い匂いがした……。
脱衣所に入り、そのまま大浴場へ。なんか神殿みたいな場所に出た。これ、まだダンジョンの続き……?
「すご……ドラゴンの口からお湯が出てる」
「気に入ったか、キエル。これがウチの風呂だ」
「貴族って凄いなあ」
「驚くのはまだ早い。あっちにはシャワーもあるし、露天風呂もあるんだ」
もう凄すぎて驚くのも忘れていた。
シャワーを浴びて、その後に泳げるほど広い浴槽へドボン。ラルも飛び込んできた。
「快適だねぇ! 北国じゃ考えられない規模だ。さすが帝国」
「キエルなら飽きるまでウチに居ていいぞ」
「本当かい? そうだなぁ、ラルが良ければしばらくはお邪魔しようかな」
「ずっと居てもいいさ。俺とキエルは友達だろ?」
「うん」
始めて出来た男友達。
それが嬉しくて、僕は照れた。
「それで、キエル。明日からはどうするんだ? 地下ダンジョンへ行ってもいいと思うし、魔法使いの更に上を目指すのなら……『魔法学校』かな」
「魔法学校?」
「なんだ、知らないか。魔法使いより上の存在になるには、魔法学校で『魔法スキル』を専攻しないとな。キエルだって『魔法使い』になるのは、魔法学校で学んだんじゃないのか」
「僕は独学。というか、母さんが教えてくれたんだ」
「キエルの母様か。つまり、君の母親は『先生』だったりするの?」
「そうなんだ。僕の母さんは『プロフェッサー』だよ。フィルン唯一のね」
プロフェッサーは、魔法使い系統から派生した職業であり『魔法使いの先生』という立場となる。
「それは凄いな。先生になるのは、かなりの魔法知識がないとなれないと聞いた。キエル、君の母様は凄い人だ」
なんだか自分の事のように照れる。
「それでも、僕は魔法を覚えられなくてね。ずっと『Lv.1』だった。だから、嫌気が刺して国を出て行った。自分で何とかしようって努力していたはずなんだけど『砂漠の鷲』というギルドに関わったのが運の尽きだった」
「砂漠の鷲か。父さんの言っていたギルドか。恐らく、そこが父さんとアイル様を襲ったんだろうね」
「うん、だからもっと強くなって皆を守れる魔法使いになりたいな」
「じゃあ、魔法学校に通うしかないな」
「でも、その前にお金を貯めないとね」
「そうだな、学校に入学するにはかなりの金が必要だ。俺が支援してもいいが……」
「いや……いいよ、ラル。自分の事は自分でやる」
ギフトの力で何とかお金を貯めるさ。
このお屋敷の地下ダンジョンを借りまくるか。
「分かった。だけど、俺も手伝うよ。地下ダンジョンに限らず、帝国周辺のダンジョンへ行こうぜ」
「ありがとう。アイルも連れていくよ」
「おう」
そんな話を続け、ゆっくりとお風呂を楽しんだ後は自室へ戻った。
◆
「ただいま、アイル……って、もう寝てるし」
さっきも寝ていたのにな。
きっと寝るのが好きなのかもしれない。
僕も疲れたし……って、ベッドがひとつしかない! でも、ベッドは広いから入っても……いや、アイルと一緒に寝るだなんて……。
さすがに色々まずい気がしたので、僕は床で寝る事にした。……あぁ、床は背中が痛いなぁ。
――朝、目覚めると何故かベッドの上にいた。
「……あれぇ、僕は床で寝ていたはず」
「……お、おはようございます。キエルさん」
「ん、ああ……アイルって、アイルぅ!?」
隣にはアイルがいた。
ま、まさかアイルが僕の体をベッドへ?
「キエルさん、寝相悪すぎです! 床で寝ちゃうだなんて風邪引いちゃいますよ。だから、わたしが引き上げておきました」
「ち、力持ちなんだね」
「頑張って引っ張りました。結構大変だったんですよ~、こう後ろから抱きついて腕を回して――」
そう聞くと、僕はアイルに凄く密着されていたようだ。寝ていてまったく気づかなかったぁ……どうして起きていなかったんだ。
「ごめんな」
「いいんですよ。寝相の悪さには驚きましたけど」
実は、遠慮して床で寝ていたとか今更言えないなぁ。
「まあ、これからも床で寝るよ」
「だめです! わたし、キエルさんの事を信頼しているから、一緒の部屋にいるんですよ~。だから、問題ないんですっ」
めっ! と、可愛く怒られ、僕は逆に照れた。そこまで信用してくれていたんだ。けれど、そうだ。僕は皇帝陛下からアイルを任されているんだ。アイルが僕を信頼してくれているように、僕もアイルを信頼していかなきゃ。
「うん、それじゃあ遠慮なくベッドで寝ようかな」
「はいっ」
決まったところで朝ごはんにして……これからどうしようか。
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