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管理人能力でダンジョン開発
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タワーダンジョンの扉を解放した。
重圧感のある轟音が響く。
ガタンと扉が完全に開ききると、冒険者たちがダンジョンに進入しようと走り出す。
「カ、カムイ様、いいのですか?」
「大丈夫だよ、コーラル。入れないから」
「え?」
複数人が入ろうと試みたけど、見えない壁によって阻まれていた。
「うわ! なんだこれ!」「は、入れない……」「扉が開いてるのに、なぜ?」「クエストとか必要なんじゃね?」「だめかぁ」「どうしたら入れるんだ?」「う~ん」
頭を悩ませる冒険者たち。
僕達はそのまま向かう。
「さあ、行こうか」
コーラルとレイア達を連れていく。人の波を掻き分けて出入り口に立つ。
「入れないんじゃね?」「無理だろ」「やめとけって」「諦めろよ」「特殊クエストでもクリアしないと入れないんだろ」「中央ギルドで手続きするんだろ」「まあ、無理だな」
無理だろ、という声が多数だったけど――無論、僕達だけはタワーダンジョンへ入れた。
「すまないな、君達」
「「「「「えええええッ!?」」」」」
騒然となる現場。
なぜ? という疑問が飛び交う。俺たちも入らせろ~とか声を荒げるパーティもいた。でも、今日はもうレイア達とダンジョンを巡ると決めたしな。
「さあ、レイア、行こうか」
「は、はい……なんだか悪い気がしますけど」
「いいって。僕が管理人だもん」
「そ、そうですよね! 分かりました、今日は貸し切りで参りましょう」
背後が騒がしいけど、気にしない。今はタワーダンジョンのブラッシュアップが最優先。もっと良いダンジョンにしてから公開しても遅くはない。
最下層は、スライムだけで面白みに欠ける気がする。
「ん~、手応えがないな」
今のところ出番のないケイがそう言った。確かに、一階から五階まではスライムゾーン。初心者向けとなっている。だからと言ってモンスターの配置を変えるのものなぁ。初心冒険者も来て欲しいし。
でも、もうちょいモンスターを追加してもいいかな。【バベル】の能力には、モンスターの配置能力もあった。
ただ、タワーダンジョンが高くならないと追加できるモンスターの種類も増えない。だから、毎日毎日、高くしていかないと何時まで経っても面白くないダンジョンのままだ。
今のところ配置できるモンスターは――
【配置可能モンスター】
・ピンクスライム Lv.1
・ブルースライム Lv.5
・イエロースライム Lv.10
・ピルツ Lv.4
・オーク Lv.5
・ゴブリン Lv.8
・コボルト Lv.7
・ゾンビ Lv.10
・スネイク Lv.13
・ゴーレム Lv.20
・アイスゴーレム Lv.30
こんなところだった。
やはり、階層を増やさないとまだまだ種類が増えないな。ちなみに、階層が50階を超えると、宝箱の設置とかも可能になるようだ。
100階を超えると【トラップ】を仕掛けられるようになったり、難易度もアップする。更にカスタマイズも可能になっていくようだけど、今のところは内容不明。
「そうかぁ、試しに『オーク』でも出してみるか」
バベルの能力を使い、モンスターを召喚した。オークが現れ、襲ってきた。
「わぁ! カムイお兄さん、召喚士なの?」
「これは僕の能力だよ、モフモフちゃん。モンスターの配置さえも自由自在なんだ」
「へえ、凄いね、お兄ちゃん。この塔を好きに出来るんだね」
「そうさ、僕は理想的なタワーダンジョンを帝国に築き上げたい。そして、将来的には多くの冒険者を招きたいと思っているよ」
それが僕の目標だった。
耳を傾けていたフェンリルが頷く。
『サスガダ。カムイ、オレモ、テツダウ』
「おぉ、フェンリルも手伝ってくれるかあ! それは助かるよ」
頭を撫でると、フェンリルは嬉しそうに笑った。
『ヌホホホホ!』
変な笑い方だな。
――そのままスライムゾーンを抜け、六階まで上がる。しかし、ここも昨日来たしスルーしていく。どんどん奥まで進んで階段を目指す。しかし、風景が変わらないなぁ。神殿みたいなシーンばかりでつまらん。
「あのぅ、カムイ様。大変、差し出がましいようで申し訳ありませんが、ご意見よろしいでしょうか」
「構わないよ、コーラル。僕と君の仲じゃないか。なんでも言ってくれ」
「は、はいっ。そうですね、風景も変わるといいかなぁと」
「ちょうど僕も思っていたところさ。実はね、階層が30階以上になると【風景】も可能になるようだ。火山とか川、荒野とか草原みたいなフィールドも指定できるようだな」
「そ、そうなのですね! さすがカムイ様ですっ」
なんか照れるな。
よし、このまま十階を目指そう。
重圧感のある轟音が響く。
ガタンと扉が完全に開ききると、冒険者たちがダンジョンに進入しようと走り出す。
「カ、カムイ様、いいのですか?」
「大丈夫だよ、コーラル。入れないから」
「え?」
複数人が入ろうと試みたけど、見えない壁によって阻まれていた。
「うわ! なんだこれ!」「は、入れない……」「扉が開いてるのに、なぜ?」「クエストとか必要なんじゃね?」「だめかぁ」「どうしたら入れるんだ?」「う~ん」
頭を悩ませる冒険者たち。
僕達はそのまま向かう。
「さあ、行こうか」
コーラルとレイア達を連れていく。人の波を掻き分けて出入り口に立つ。
「入れないんじゃね?」「無理だろ」「やめとけって」「諦めろよ」「特殊クエストでもクリアしないと入れないんだろ」「中央ギルドで手続きするんだろ」「まあ、無理だな」
無理だろ、という声が多数だったけど――無論、僕達だけはタワーダンジョンへ入れた。
「すまないな、君達」
「「「「「えええええッ!?」」」」」
騒然となる現場。
なぜ? という疑問が飛び交う。俺たちも入らせろ~とか声を荒げるパーティもいた。でも、今日はもうレイア達とダンジョンを巡ると決めたしな。
「さあ、レイア、行こうか」
「は、はい……なんだか悪い気がしますけど」
「いいって。僕が管理人だもん」
「そ、そうですよね! 分かりました、今日は貸し切りで参りましょう」
背後が騒がしいけど、気にしない。今はタワーダンジョンのブラッシュアップが最優先。もっと良いダンジョンにしてから公開しても遅くはない。
最下層は、スライムだけで面白みに欠ける気がする。
「ん~、手応えがないな」
今のところ出番のないケイがそう言った。確かに、一階から五階まではスライムゾーン。初心者向けとなっている。だからと言ってモンスターの配置を変えるのものなぁ。初心冒険者も来て欲しいし。
でも、もうちょいモンスターを追加してもいいかな。【バベル】の能力には、モンスターの配置能力もあった。
ただ、タワーダンジョンが高くならないと追加できるモンスターの種類も増えない。だから、毎日毎日、高くしていかないと何時まで経っても面白くないダンジョンのままだ。
今のところ配置できるモンスターは――
【配置可能モンスター】
・ピンクスライム Lv.1
・ブルースライム Lv.5
・イエロースライム Lv.10
・ピルツ Lv.4
・オーク Lv.5
・ゴブリン Lv.8
・コボルト Lv.7
・ゾンビ Lv.10
・スネイク Lv.13
・ゴーレム Lv.20
・アイスゴーレム Lv.30
こんなところだった。
やはり、階層を増やさないとまだまだ種類が増えないな。ちなみに、階層が50階を超えると、宝箱の設置とかも可能になるようだ。
100階を超えると【トラップ】を仕掛けられるようになったり、難易度もアップする。更にカスタマイズも可能になっていくようだけど、今のところは内容不明。
「そうかぁ、試しに『オーク』でも出してみるか」
バベルの能力を使い、モンスターを召喚した。オークが現れ、襲ってきた。
「わぁ! カムイお兄さん、召喚士なの?」
「これは僕の能力だよ、モフモフちゃん。モンスターの配置さえも自由自在なんだ」
「へえ、凄いね、お兄ちゃん。この塔を好きに出来るんだね」
「そうさ、僕は理想的なタワーダンジョンを帝国に築き上げたい。そして、将来的には多くの冒険者を招きたいと思っているよ」
それが僕の目標だった。
耳を傾けていたフェンリルが頷く。
『サスガダ。カムイ、オレモ、テツダウ』
「おぉ、フェンリルも手伝ってくれるかあ! それは助かるよ」
頭を撫でると、フェンリルは嬉しそうに笑った。
『ヌホホホホ!』
変な笑い方だな。
――そのままスライムゾーンを抜け、六階まで上がる。しかし、ここも昨日来たしスルーしていく。どんどん奥まで進んで階段を目指す。しかし、風景が変わらないなぁ。神殿みたいなシーンばかりでつまらん。
「あのぅ、カムイ様。大変、差し出がましいようで申し訳ありませんが、ご意見よろしいでしょうか」
「構わないよ、コーラル。僕と君の仲じゃないか。なんでも言ってくれ」
「は、はいっ。そうですね、風景も変わるといいかなぁと」
「ちょうど僕も思っていたところさ。実はね、階層が30階以上になると【風景】も可能になるようだ。火山とか川、荒野とか草原みたいなフィールドも指定できるようだな」
「そ、そうなのですね! さすがカムイ様ですっ」
なんか照れるな。
よし、このまま十階を目指そう。
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