15 / 19
聖女だった令嬢
しおりを挟む
十階にはゾンビが沸いていた。
人型だけど全身がボロボロで悪魔のような目つきをしている。ゾンビは、こちらに気づくと襲ってきた。
「ここは、わたくしが相手をしましょう」
「おぉ、ついにレイアが動いてくれるのか。君の能力を見せてくれ」
「では、皆さん離れていて下さいませ」
手をゾンビ達に向け、レイアは何か詠唱。やがて、手に光が宿ると――それは放たれた。こ、これは……!
白い光が放出されると、ゾンビ達が浄化されていた。
間違いない、これは聖属性魔法だ。
「すごい……」
「聖属性魔法の『ホーリークロス』です。申し遅れましたが、これでもわたくしは聖女(?)なのです!」
マジ? 聖女だったのか。
いや、この場合は聖男?
単に『聖者』でいいか。
「なるほどなぁ、レイアにこんな特殊能力があったとは……」
十階も難なくクリアしていく。しかし、ガーネットスターのメンバーは、思ったよりもレベルが高いな。こりゃ、楽勝で進めちゃうな。もっとタワーの階層を増やさないとなぁ。
「あの、カムイ様……」
「あー、ごめん、コーラル。ちょっと考え事をしていたよ」
「休憩しますか?」
「いや、それより今日の攻略はここまでにしよう。サンプルも結構取れたし、今後の開発に活かさせてもらうよ。みんな、ありがとう」
礼を言うと、みんな納得してくれた。
「こちらこそ楽しい時間を過ごせたよ、カムイくん。このタワーダンジョンは興味深かった! 考古学者としての血が騒いだね」
ほぼ静観していたドウェインがそう言った。そういえば、この人、荷物持ちばかりだったな。ドウェインは何か力を持っていないのだろうか。
まあいいか、まだ難易度もそれほど高いわけじゃないし、今日は緩くも無事に終わった。帰ろう。
「では、テレポートします!」
◆
タワーダンジョンの目の前には、まだ冒険者がたくさんいた。諦めの悪い。
「レイア、僕はしらばくタワーダンジョンの開発に注力しようと思う。やっぱり、まだまだ物足りないと実感したよ」
「そうですか? 今のままでも結構良い雰囲気でしたし、アイテムだってこんなにたくさん」
今日そこそこダンジョンも歩いて回ったけど、ドロップ品やらレアアイテムも入手していた。その全てはレイア達に任せたけど。
「ああ、でももっと楽しめるようなダンジョンにしたいと思う。百階まで作ったら、また同行をお願いしたい」
「はい、分かりました。わたくしは、南のギルド拠点にいますので、そこを訪ねて下さいませ」
「了解した。じゃあ、また」
レイア達は去っていく。
久しぶりに僕とコーラルの二人きりになった。今まで賑やかなパーティなだけあって、静かになったな。
そんな中、タワーダンジョン前にいる冒険者達が駆け寄ってきた。
「あの、管理人さんですよね!?」「俺たちもタワーダンジョンに入れてくれよ!」「管理人さん!」「なあ、管理人さんってば!」「管理人さん、イケメンよね。どう、あたしと二人きりで♪」「頼むから解放してくれよ~!」
あわわ……こりゃ大変だ。
人型だけど全身がボロボロで悪魔のような目つきをしている。ゾンビは、こちらに気づくと襲ってきた。
「ここは、わたくしが相手をしましょう」
「おぉ、ついにレイアが動いてくれるのか。君の能力を見せてくれ」
「では、皆さん離れていて下さいませ」
手をゾンビ達に向け、レイアは何か詠唱。やがて、手に光が宿ると――それは放たれた。こ、これは……!
白い光が放出されると、ゾンビ達が浄化されていた。
間違いない、これは聖属性魔法だ。
「すごい……」
「聖属性魔法の『ホーリークロス』です。申し遅れましたが、これでもわたくしは聖女(?)なのです!」
マジ? 聖女だったのか。
いや、この場合は聖男?
単に『聖者』でいいか。
「なるほどなぁ、レイアにこんな特殊能力があったとは……」
十階も難なくクリアしていく。しかし、ガーネットスターのメンバーは、思ったよりもレベルが高いな。こりゃ、楽勝で進めちゃうな。もっとタワーの階層を増やさないとなぁ。
「あの、カムイ様……」
「あー、ごめん、コーラル。ちょっと考え事をしていたよ」
「休憩しますか?」
「いや、それより今日の攻略はここまでにしよう。サンプルも結構取れたし、今後の開発に活かさせてもらうよ。みんな、ありがとう」
礼を言うと、みんな納得してくれた。
「こちらこそ楽しい時間を過ごせたよ、カムイくん。このタワーダンジョンは興味深かった! 考古学者としての血が騒いだね」
ほぼ静観していたドウェインがそう言った。そういえば、この人、荷物持ちばかりだったな。ドウェインは何か力を持っていないのだろうか。
まあいいか、まだ難易度もそれほど高いわけじゃないし、今日は緩くも無事に終わった。帰ろう。
「では、テレポートします!」
◆
タワーダンジョンの目の前には、まだ冒険者がたくさんいた。諦めの悪い。
「レイア、僕はしらばくタワーダンジョンの開発に注力しようと思う。やっぱり、まだまだ物足りないと実感したよ」
「そうですか? 今のままでも結構良い雰囲気でしたし、アイテムだってこんなにたくさん」
今日そこそこダンジョンも歩いて回ったけど、ドロップ品やらレアアイテムも入手していた。その全てはレイア達に任せたけど。
「ああ、でももっと楽しめるようなダンジョンにしたいと思う。百階まで作ったら、また同行をお願いしたい」
「はい、分かりました。わたくしは、南のギルド拠点にいますので、そこを訪ねて下さいませ」
「了解した。じゃあ、また」
レイア達は去っていく。
久しぶりに僕とコーラルの二人きりになった。今まで賑やかなパーティなだけあって、静かになったな。
そんな中、タワーダンジョン前にいる冒険者達が駆け寄ってきた。
「あの、管理人さんですよね!?」「俺たちもタワーダンジョンに入れてくれよ!」「管理人さん!」「なあ、管理人さんってば!」「管理人さん、イケメンよね。どう、あたしと二人きりで♪」「頼むから解放してくれよ~!」
あわわ……こりゃ大変だ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
136
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる