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第11話 万能のユグドラシルポーション完成!
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安全な道を選んで進む。
森を抜けると小さな村が見えてきた。この先にイベリスがいるようだった。
「この村は『オリーブ』というそうです。小さな村ですが、帝国領ですよ」
「そうなのですね、ゼフィちゃん。なんだか住んでいた故郷を思い出しました」
けれど、村の様子がおかしかった。
視界には誰もいない……。人の気配がなさすぎる。いったい、どうなっているの?
そこで、わたしは村の男性が言っていたことを思い出した。
……そっか。猛毒植物のエンジェルトランペットの毒でみんな倒れてしまったんだ。でも、イベリスが解毒ポーションで治療してくれているはず。
なのに、なぜ?
とにかく彼のもとへ向かわないと。
ゼフィランサスの案内で目的の家に到着した。立派な木造住宅で、庭も綺麗に整備されている。玄関まで向かい、ノックした。
少し待つと、扉が開いてイベリスが姿を現した。
「すみません、今は取り込み中で――って、アザレアさん! なぜここに」
「目的のユグドラシルの根を入手したので、イベリスさんを追いかけてきたんです。ゼフィちゃんのおかげで場所は分かりました」
「そういうことでしたか。え、もうユグドラシルの根を?」
「はい、この通りです!」
わたしはフラワーゴブリンから入手したアイテムを見せた。
【ユグドラシルの根】
【詳細】
あらゆる状態異常を回復する。
自身の体力・魔力を大幅に回復。
ポーションの材料でも使用可能。
「こ、これは本物の根ですね! 驚きました……こんなに早く入手してしまうとは」
「頭に花をつけたゴブリンモンスターを倒して手に入れたんです」
「それは本当ですか!」
ビックリするイベリス。こんな彼は初めてみるかも。
「はい。爆弾ポーションでド~ンとやっつけちゃいました」
「おぉ、素晴らしい。それはフラワーゴブリンですね。森林ダンジョンの四種類いる内のボスモンスターですよ」
「まさか倒せるとは思わなかったですけどね」
「これは凄いことです。……しかし、今は村の方達が大変でしてね、アザレアさん。村人はエンジェルトランペットの猛毒を受けています。私の解毒ポーションだけでは足りません……」
よく見れば、この家の中には複数の人たちが倒れていた。毒を受けた人はここに集められているってことかな。
みんな顔色が悪いし、今にも死にそうだ。
あ……ダンジョンにいた男性もいた。
「あれ……あなたは確か、アザレアさんでしたよね……!? なぜここに」
「ユグドラシルの根を入手したんです」
「あ! そ、それは……確かに本物の根です。そ、それがあれば猛毒を治療できます……。そ、その……自分はいいので母を治していただけませんか!」
膝をつき、男性は頭を地面にこすりつけていた。そこまで……うん、そうね。イベリスが解毒ポーションが足りないと言っていたし、きっとみんなを治す時間もない。
となれば、このわたしが何とかするしかないっ。宮廷錬金術師として、なんとかしてあげなくちゃ!
「分かりました。このユグドラシルの根を差し上げます」
「ほ、本当ですか!!」
「ただし、解毒ポーションはわたしが作ります」
「ありがとうございます、本当にお願いします……!」
「それとひとつ教えてください」
「なんでしょう?」
「あなたのお名前を」
「ああ、そうでした! 自分はこの村の村長でクレソンと申します……!」
そ、村長さんだったの!?
今どきの村長さんは若いのね……。
驚きながらも、わたしはイベリスの方へ向かった。
「良かったのですか、アザレアさん」
「はい、いいんです。わたし、人の役に立ちたいんです。みなさんを助けられるのなら、このユグドラシルの根を使って欲しいです」
「やはり、あなたを弟子にして良かった。その気持ちを大切にしてください。では、さっそく解毒ポーションを作りましょう。アザレアさんなら出来るはず。さあ、ゼフィランサス! 私の道具たちをここに」
そう指示を出すイベリス。すると、ゼフィランサスは口の中からいくつものポーション製造キットを取り出した。
え……ええッ!?
このコの口の中、どうなってるのー!!
ポーション瓶や乳鉢など基本セットが一瞬でそろった。……えぇ、不思議だけど妙な気持ち。
「ゼフィちゃんの口はどうなっているんですか……」
「ボクはホムンクルスなので!」
それでいいの!?
いいのかなぁ……。
納得していいのか悩みどころだけど、それより一刻も早く解毒ポーションを作らなきゃ。幸い、改造ポーションを作ろうと思っていたところ。
今まで得た知識を合せ、オリジナルポーションを開発・製造していく。
赤、青、緑、黄色のハーブを混ぜ合わせ、そこへユグドラシルの根を投入。隠し味的な要領でハチ蜜とホワイトスライムの欠片も混ぜ合わせた。
すると液体が黄金に輝き始め、完成した。
「出来ました!」
「おぉ、完成しましたか。これはホワイトリジェネポーションではありませんね。見たこともない不思議なポーションです。しかも、ペンのように小型で携帯しやすい。これはいったい……」
「えっと、そうですね。命名するなら『ユグドラシルポーション』ですかね。独自に開発してみました。しかも、一滴飲ませるだけで回復するみたいですよ、コレ」
「な、なんと!?」
証拠を示すように、わたしは一滴をクレソンのお母様に飲ませてみた。
「どうぞ、お飲みください」
一滴を垂らすように飲ませた。
口に含ませると、クレソンのお母様の容体は一瞬で回復。
「……こ、ここは。あなたは?」
「目覚められたようで良かったです。この村にはエンジェルトランペットという猛毒植物の毒が蔓延してしまい、みんな倒れてしまっていたのです」
「思い出しました……クレソン! クレソンは無事なの!」
振り向くと彼は倒れていた。限界がきていたんだ。わたしは急いでユグドラシルポーションを飲ませた。
「――はっ! じ、自分はいったい……あれ、母さん! 毒が回復している!」
「クレソン! あの錬金術師様のポーションおかげだよ」
「わあああ、母さん! 母さん!! 良かったぁ……!」
二人は抱き合い、泣いて喜んでいた。
良かったぁ、元気になってくれて。
この調子でみんなを治してあげなきゃ。
「イベリスさん、わたし行ってきます」
「私もお手伝いしますよ」
毒で倒れている人を回復させていく。
ユグドラシルポーションを口元へ一滴垂らすだけで回復するから、解毒ポーションを大量生産する必要もなかった。
やがて村人全員が解毒。
完全回復した。
「ありがとう、アザレアさん!」「あなたは村のヒーローだ!!」「配信見てたよー! たくさん投げ銭しておくね!」「宮廷錬金術師ってすげぇんだな!」「村を救ってくださって本当に感謝しているのじゃ」「あの人は女神様だ!」「アザレアさんが好きだー!! 結婚したいッ!」「ポーション一滴で治るとか奇跡じゃね!」「村長の母様を治してくださった……ありがたや、ありがたや」
みんな泣いて喜んでくれた。
次々にお礼の言葉をもらって、わたしは胸がいっぱい。感謝されるってこんなに嬉しいことなんだ。知らなかったな。うん、これからもがんばろうっ!
森を抜けると小さな村が見えてきた。この先にイベリスがいるようだった。
「この村は『オリーブ』というそうです。小さな村ですが、帝国領ですよ」
「そうなのですね、ゼフィちゃん。なんだか住んでいた故郷を思い出しました」
けれど、村の様子がおかしかった。
視界には誰もいない……。人の気配がなさすぎる。いったい、どうなっているの?
そこで、わたしは村の男性が言っていたことを思い出した。
……そっか。猛毒植物のエンジェルトランペットの毒でみんな倒れてしまったんだ。でも、イベリスが解毒ポーションで治療してくれているはず。
なのに、なぜ?
とにかく彼のもとへ向かわないと。
ゼフィランサスの案内で目的の家に到着した。立派な木造住宅で、庭も綺麗に整備されている。玄関まで向かい、ノックした。
少し待つと、扉が開いてイベリスが姿を現した。
「すみません、今は取り込み中で――って、アザレアさん! なぜここに」
「目的のユグドラシルの根を入手したので、イベリスさんを追いかけてきたんです。ゼフィちゃんのおかげで場所は分かりました」
「そういうことでしたか。え、もうユグドラシルの根を?」
「はい、この通りです!」
わたしはフラワーゴブリンから入手したアイテムを見せた。
【ユグドラシルの根】
【詳細】
あらゆる状態異常を回復する。
自身の体力・魔力を大幅に回復。
ポーションの材料でも使用可能。
「こ、これは本物の根ですね! 驚きました……こんなに早く入手してしまうとは」
「頭に花をつけたゴブリンモンスターを倒して手に入れたんです」
「それは本当ですか!」
ビックリするイベリス。こんな彼は初めてみるかも。
「はい。爆弾ポーションでド~ンとやっつけちゃいました」
「おぉ、素晴らしい。それはフラワーゴブリンですね。森林ダンジョンの四種類いる内のボスモンスターですよ」
「まさか倒せるとは思わなかったですけどね」
「これは凄いことです。……しかし、今は村の方達が大変でしてね、アザレアさん。村人はエンジェルトランペットの猛毒を受けています。私の解毒ポーションだけでは足りません……」
よく見れば、この家の中には複数の人たちが倒れていた。毒を受けた人はここに集められているってことかな。
みんな顔色が悪いし、今にも死にそうだ。
あ……ダンジョンにいた男性もいた。
「あれ……あなたは確か、アザレアさんでしたよね……!? なぜここに」
「ユグドラシルの根を入手したんです」
「あ! そ、それは……確かに本物の根です。そ、それがあれば猛毒を治療できます……。そ、その……自分はいいので母を治していただけませんか!」
膝をつき、男性は頭を地面にこすりつけていた。そこまで……うん、そうね。イベリスが解毒ポーションが足りないと言っていたし、きっとみんなを治す時間もない。
となれば、このわたしが何とかするしかないっ。宮廷錬金術師として、なんとかしてあげなくちゃ!
「分かりました。このユグドラシルの根を差し上げます」
「ほ、本当ですか!!」
「ただし、解毒ポーションはわたしが作ります」
「ありがとうございます、本当にお願いします……!」
「それとひとつ教えてください」
「なんでしょう?」
「あなたのお名前を」
「ああ、そうでした! 自分はこの村の村長でクレソンと申します……!」
そ、村長さんだったの!?
今どきの村長さんは若いのね……。
驚きながらも、わたしはイベリスの方へ向かった。
「良かったのですか、アザレアさん」
「はい、いいんです。わたし、人の役に立ちたいんです。みなさんを助けられるのなら、このユグドラシルの根を使って欲しいです」
「やはり、あなたを弟子にして良かった。その気持ちを大切にしてください。では、さっそく解毒ポーションを作りましょう。アザレアさんなら出来るはず。さあ、ゼフィランサス! 私の道具たちをここに」
そう指示を出すイベリス。すると、ゼフィランサスは口の中からいくつものポーション製造キットを取り出した。
え……ええッ!?
このコの口の中、どうなってるのー!!
ポーション瓶や乳鉢など基本セットが一瞬でそろった。……えぇ、不思議だけど妙な気持ち。
「ゼフィちゃんの口はどうなっているんですか……」
「ボクはホムンクルスなので!」
それでいいの!?
いいのかなぁ……。
納得していいのか悩みどころだけど、それより一刻も早く解毒ポーションを作らなきゃ。幸い、改造ポーションを作ろうと思っていたところ。
今まで得た知識を合せ、オリジナルポーションを開発・製造していく。
赤、青、緑、黄色のハーブを混ぜ合わせ、そこへユグドラシルの根を投入。隠し味的な要領でハチ蜜とホワイトスライムの欠片も混ぜ合わせた。
すると液体が黄金に輝き始め、完成した。
「出来ました!」
「おぉ、完成しましたか。これはホワイトリジェネポーションではありませんね。見たこともない不思議なポーションです。しかも、ペンのように小型で携帯しやすい。これはいったい……」
「えっと、そうですね。命名するなら『ユグドラシルポーション』ですかね。独自に開発してみました。しかも、一滴飲ませるだけで回復するみたいですよ、コレ」
「な、なんと!?」
証拠を示すように、わたしは一滴をクレソンのお母様に飲ませてみた。
「どうぞ、お飲みください」
一滴を垂らすように飲ませた。
口に含ませると、クレソンのお母様の容体は一瞬で回復。
「……こ、ここは。あなたは?」
「目覚められたようで良かったです。この村にはエンジェルトランペットという猛毒植物の毒が蔓延してしまい、みんな倒れてしまっていたのです」
「思い出しました……クレソン! クレソンは無事なの!」
振り向くと彼は倒れていた。限界がきていたんだ。わたしは急いでユグドラシルポーションを飲ませた。
「――はっ! じ、自分はいったい……あれ、母さん! 毒が回復している!」
「クレソン! あの錬金術師様のポーションおかげだよ」
「わあああ、母さん! 母さん!! 良かったぁ……!」
二人は抱き合い、泣いて喜んでいた。
良かったぁ、元気になってくれて。
この調子でみんなを治してあげなきゃ。
「イベリスさん、わたし行ってきます」
「私もお手伝いしますよ」
毒で倒れている人を回復させていく。
ユグドラシルポーションを口元へ一滴垂らすだけで回復するから、解毒ポーションを大量生産する必要もなかった。
やがて村人全員が解毒。
完全回復した。
「ありがとう、アザレアさん!」「あなたは村のヒーローだ!!」「配信見てたよー! たくさん投げ銭しておくね!」「宮廷錬金術師ってすげぇんだな!」「村を救ってくださって本当に感謝しているのじゃ」「あの人は女神様だ!」「アザレアさんが好きだー!! 結婚したいッ!」「ポーション一滴で治るとか奇跡じゃね!」「村長の母様を治してくださった……ありがたや、ありがたや」
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