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帰るの街。①
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「ここが、新人冒険者にお勧めの。
冒険者がクエストから無事に帰れると言われているカエレルの街——。
私の冒険も、ここから始まるのね」
そう意気込むエルフの少女は——名前を【エリアル】と言い。
今日から——彼女の冒険者としての新たな生活がスタートする。
「治安も良さそうな平和な街で、安心したわ」
そう独り言を語った矢先……
「冒険者様——助けて下さい。火事です!
しかも、家の中に子供が1人取り残されています——ッ!」
「それは、一大事ね。案内してちょうだい——私が助けるわ」
そして、エリアルは子供を助け出す為に意を消して燃え盛る建物へと飛び込んで行った。
*
「……ゲホッ……ゲホッ……子供は……子供は、何処?」
「…………だれか……たすけて……」
エリアルが小さな声の方に目線を向けると——そこには、燃えて崩れた瓦礫の下敷きになった少女の姿が——ッ!
「待ってて、今助けるから!!!」
エリアルは、急いで少女の上の瓦礫をどかすと傷と火傷を負った少女を抱き抱えた。
しかし、助け出した。少女の息は、酷く弱く……
「急いで、この場から助け出さないと助からない……」
しかし、エリアルが入って来た時より炎は強くなり——水魔法でも使わない限り。脱出する事は困難だと思うほど、炎は激しさを増していた。
「私……雷魔法しか使えない。どうしよう……」
(水魔法が使えれば、消化しながら——この炎の中を駆け抜けて行けるのに……こんな時は、どうすれば!?)
そんな事を考えていると、炎の中から人影が近づいてくるのが分かった。
「助けて——私、水魔法が使えないの!」
「大丈夫か!? 俺は、水魔法が使える。心配するな——すぐに助けに行くゲコ」
(私が入って来た時より——炎の勢いは強くなっている。
その中を助けに来るなんて、なんて勇敢な人……きっと、王子様みたいに素敵な人よ)
エリアルは、少女の夢であるピンチに現れる王子様を想像する。
しかし、炎の中から姿を現したのは……全身、緑色のカエルのモンスターだった。
「えっ……!? カエル? こんなにピンチにモンスター……が、現れた……最悪」
「助けに来た。君達、もう大丈夫だ! 早くここから脱出をしよう」
そう話しかけてくるカエルのモンスターにエリアルは、とっさに剣を構えた。
「いやッ……ちょっと待て——助けに来たんだ!
僕は、悪いカエルじゃないゲコよ」
「そのセリフを言って良いのは、スライムだけな」
「いや、本当に助けに来たんだって……
だから、俺を信じて剣を下ろしてくれゲコ」
エリアルは、カエルのモンスターの目をジッと直視する。
沈黙する二人……そして——
「モンスターなんか、信用出来ない」
「ちょっと、待ってくれ。時間が無い——本当に時間が無いから……
(今は、彼女を説得する事だけを考えろ。考えるんだ……話しながらでいい。思考を止めるな!)
なら、このバッチを見てくれ——ッ!
このバッチは、ギルドが俺だけの為に発行してくれた。
特別な冒険者認定バッチだ。これで、俺が悪いモンスターじゃないと分かっただろ!」
「私、今日、初めて——この街に来たから知らない……」
「なにぃぃー……」
すると、煙が強くなり。助けた少女が苦しそうに咳をし出した。
「大丈夫……お姉さんが今助けるから……ゲホッ……ゲホ……」
「大丈夫……君達は、俺が助けるから……ゲコッ……ゲコ……ッ」
「ふざけてるの? 斬るわよ!」
「すまん…すまん……ゲコ。
和ませようと思って……」
「邪魔だから何処かに行って、モンスターなんかの相手をしている場合じゃないの——」
「でも、君——水魔法が使えないんだろ……?
俺は、君の使えない。水魔法が使えるゲコよ!」
そう言って、少し微笑むカエルを見てエリアルは……
「……なに……? マウント? 切るわよ」
「違う違う。君達をここから脱出させたいだけだ。ここから君達を助け出せるのは、俺だけゲコー! だから、信じろゲコー!」
「ふざけているのか……真剣なのか分からない頼み方ね……
でも、分かったは——これだけ必死に頼まれたら、少しくらい信じてあげないと可哀想だものね。
でも、変な事をしたら——すぐに叩き斬るから覚えておきなさい!」
「分かっているゲコ! では、これを……」
「えっ!? 何これ……」
ドロドロドロドロ……
そう言って、カエルは口から体液を分泌すると少女とエリアルにぶっかけた。
「オェえぇぇえー……気持ち悪いぃぃ
臭いーー!!! めちゃくちゃ臭い……
あんた何してんのよ!?」
「俺の体液を分泌して、お前らをコーティングしたゲコ!」
「何で、そんな事をしてんのよ——気持ち悪いッ!!!
変な事をしたら、叩き斬るって言ったわよねーー!!! 覚悟しなさい」
「いやッ……待て待て——俺の分泌液は、炎を通さない。
だから、そのまま外に脱出をするぞ!!!」
「ふざけんじゃないわよ!
女の子を——こんなにヌルヌルして、この変態ガエル——ただじゃ置かないわ!」
そして、エルフの少女エリアルは剣を振り上げるとカエルに襲いかかった。
カエルは、その行動を見るや一目散に退散して行った。
「待ちなさい——ッ! この変態モンスター!!!」
冒険者がクエストから無事に帰れると言われているカエレルの街——。
私の冒険も、ここから始まるのね」
そう意気込むエルフの少女は——名前を【エリアル】と言い。
今日から——彼女の冒険者としての新たな生活がスタートする。
「治安も良さそうな平和な街で、安心したわ」
そう独り言を語った矢先……
「冒険者様——助けて下さい。火事です!
しかも、家の中に子供が1人取り残されています——ッ!」
「それは、一大事ね。案内してちょうだい——私が助けるわ」
そして、エリアルは子供を助け出す為に意を消して燃え盛る建物へと飛び込んで行った。
*
「……ゲホッ……ゲホッ……子供は……子供は、何処?」
「…………だれか……たすけて……」
エリアルが小さな声の方に目線を向けると——そこには、燃えて崩れた瓦礫の下敷きになった少女の姿が——ッ!
「待ってて、今助けるから!!!」
エリアルは、急いで少女の上の瓦礫をどかすと傷と火傷を負った少女を抱き抱えた。
しかし、助け出した。少女の息は、酷く弱く……
「急いで、この場から助け出さないと助からない……」
しかし、エリアルが入って来た時より炎は強くなり——水魔法でも使わない限り。脱出する事は困難だと思うほど、炎は激しさを増していた。
「私……雷魔法しか使えない。どうしよう……」
(水魔法が使えれば、消化しながら——この炎の中を駆け抜けて行けるのに……こんな時は、どうすれば!?)
そんな事を考えていると、炎の中から人影が近づいてくるのが分かった。
「助けて——私、水魔法が使えないの!」
「大丈夫か!? 俺は、水魔法が使える。心配するな——すぐに助けに行くゲコ」
(私が入って来た時より——炎の勢いは強くなっている。
その中を助けに来るなんて、なんて勇敢な人……きっと、王子様みたいに素敵な人よ)
エリアルは、少女の夢であるピンチに現れる王子様を想像する。
しかし、炎の中から姿を現したのは……全身、緑色のカエルのモンスターだった。
「えっ……!? カエル? こんなにピンチにモンスター……が、現れた……最悪」
「助けに来た。君達、もう大丈夫だ! 早くここから脱出をしよう」
そう話しかけてくるカエルのモンスターにエリアルは、とっさに剣を構えた。
「いやッ……ちょっと待て——助けに来たんだ!
僕は、悪いカエルじゃないゲコよ」
「そのセリフを言って良いのは、スライムだけな」
「いや、本当に助けに来たんだって……
だから、俺を信じて剣を下ろしてくれゲコ」
エリアルは、カエルのモンスターの目をジッと直視する。
沈黙する二人……そして——
「モンスターなんか、信用出来ない」
「ちょっと、待ってくれ。時間が無い——本当に時間が無いから……
(今は、彼女を説得する事だけを考えろ。考えるんだ……話しながらでいい。思考を止めるな!)
なら、このバッチを見てくれ——ッ!
このバッチは、ギルドが俺だけの為に発行してくれた。
特別な冒険者認定バッチだ。これで、俺が悪いモンスターじゃないと分かっただろ!」
「私、今日、初めて——この街に来たから知らない……」
「なにぃぃー……」
すると、煙が強くなり。助けた少女が苦しそうに咳をし出した。
「大丈夫……お姉さんが今助けるから……ゲホッ……ゲホ……」
「大丈夫……君達は、俺が助けるから……ゲコッ……ゲコ……ッ」
「ふざけてるの? 斬るわよ!」
「すまん…すまん……ゲコ。
和ませようと思って……」
「邪魔だから何処かに行って、モンスターなんかの相手をしている場合じゃないの——」
「でも、君——水魔法が使えないんだろ……?
俺は、君の使えない。水魔法が使えるゲコよ!」
そう言って、少し微笑むカエルを見てエリアルは……
「……なに……? マウント? 切るわよ」
「違う違う。君達をここから脱出させたいだけだ。ここから君達を助け出せるのは、俺だけゲコー! だから、信じろゲコー!」
「ふざけているのか……真剣なのか分からない頼み方ね……
でも、分かったは——これだけ必死に頼まれたら、少しくらい信じてあげないと可哀想だものね。
でも、変な事をしたら——すぐに叩き斬るから覚えておきなさい!」
「分かっているゲコ! では、これを……」
「えっ!? 何これ……」
ドロドロドロドロ……
そう言って、カエルは口から体液を分泌すると少女とエリアルにぶっかけた。
「オェえぇぇえー……気持ち悪いぃぃ
臭いーー!!! めちゃくちゃ臭い……
あんた何してんのよ!?」
「俺の体液を分泌して、お前らをコーティングしたゲコ!」
「何で、そんな事をしてんのよ——気持ち悪いッ!!!
変な事をしたら、叩き斬るって言ったわよねーー!!! 覚悟しなさい」
「いやッ……待て待て——俺の分泌液は、炎を通さない。
だから、そのまま外に脱出をするぞ!!!」
「ふざけんじゃないわよ!
女の子を——こんなにヌルヌルして、この変態ガエル——ただじゃ置かないわ!」
そして、エルフの少女エリアルは剣を振り上げるとカエルに襲いかかった。
カエルは、その行動を見るや一目散に退散して行った。
「待ちなさい——ッ! この変態モンスター!!!」
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