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第二章【仲間】

【26】遠慮

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そして、紅姫が納得してくれたので話を先に進む事にした。

鬼人は魔法が使えないが、その代わりに身体能力が以上に高く戦いが大好きな種族らしい。

細かいことは教えてくれなかったが、大体! 分かったので、僕は街の武器屋に紅姫を連れて行くと好きな武器を選ばせた!!!

少しは遠慮するかと思ったが、彼女は遠慮する事なく! 自分に合った防具や武器を選んでいった。

服装は動きやすい軽装で、武器は僕と同じくらいのショートソードを2つ選んだ。
しかし、僕の刀とは違い。
紅姫が選んだのは、少し曲がっていて先端が太めの盗賊が使う様なそんなショートソードだった。

そして、巨大な敵と戦う為の大剣も一緒に購入した。

何でも鬼人は耐久力も人とは比べ物にならないくらい高く! 装備はそんなに重要ではないらしいが、武器の方にはこだわりが強く!
有りとあらゆる武器を扱えて、武器オタクが多みたいで……

紅姫は二刀流で、大型のモンスターの時は大剣に切り替えると言うスタイルで戦うらしい。

僕は彼女に……
ショートソードは別に良いが、大剣の方は僕が保管しておくと言ってダンジョンの方へと送って置いた。

僕が買った物だし別に文句は出なかったが、僕の収納能力を見ると!
もっと、使ってみたい武器が有ると! ねだって来たが……
僕は「もうダメ!」 と言って! 
そのワガママを許さなかった。

紅姫は少し膨れた顔をしていたので、武器屋でかかった金額を伝えると! 黙ってしまった。

そして、あからさまに変な顔をして話をそらした……



それから僕達は、紅姫を加えてから初めてのクエストに向かう事にした。

依頼は近くの谷に橋を掛ける間の護衛……

そんなに報酬は高くないがモンスターが出て来なければ、ただ見張りをするだけの簡単な仕事だ。

僕達は、機動力もあり。 
空からも監視が出来る為、失敗はない!!!
僕達に合ったクエストだと思ったし……

紅姫との連携を見る為のお試しクエスト!
そんな感覚で臨んでいた。

僕は空からの監視をアルに頼み。
ライムを【増殖】させると周囲に散らばらせる。
何かあれば本体に反応があるので、そこに誰かを向かわせる手筈となっていた。
現場に向かう部隊は、紅姫、フェル、ユキ。
僕とサスケは橋職人の近くの護衛!

これが僕達の鉄壁の守り! 完全なる護衛の陣だ!!!

初日はモンスターも現れず! 何も起きなかった。
橋の完成は数日かかる為に、僕達は橋の近くで野宿をして数日間! 過ごす事になる。

僕達は冒険者だ! 何の問題もなかった。

そして、次の日……

余りにもモンスターが現れないので、警戒域をもっと広げると! かなり離れた場所だかモンスターの反応があると……

フェルと紅姫は競い合う様にモンスターを倒しまくった。

これは、もう……護衛ではなく! 狩りだと思った。

そして、橋の完成も間も無くの頃……

事件は起きた!!!
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