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39.5話 リーダー健2
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「さっきから何か動物の鳴き声がしねぇか…?」
「あぁ、それも相当でかい声だ」
森から出ようと必死に走っていた。
それ程、距離離れていない。
パンッ!!
何かが破裂するような音が聞こえてくる。
「何の音だ!」
「銃声…じゃないか? よくドラマとかで聞いてた音に似てるような気がする」
確かにそんな音だった気がする。
「でも、徒競走の時の音とは少し違う事ねぇか?」
「そんなの本物使うわけないだろう。アレは軽い音。今聞こえてきた音はもっと重い。多分、本物の銃から出た音だ」
「そうだとして、誰か銃なんか持ってたか? 見た事ないぞ、持ってる所」
確かにその指摘はもっともだ。
この世界に来てから銃を見た事はなかった気がする。
だとすると、誰が撃ったというのだろう。
「もしかして、盗賊が…」
「まさか…」
否定ができない。
「おい、また銃声がするぞ」
「ああ、もうすぐ森を抜ける」
勢いよく俺たちは森を出て、草原に足を踏み入れた。
そして、そこには…
「な、なんだこれ…」
草原には人が倒れている。
それも何人も。
そして、木々の近くにも人が疎にいる。
怪我をしたもの、それを支えているもの。手当てをしているもの。さまざまだ。
そこには動物の姿はなかった。
誰かが争っている雰囲気もない。
まるでもう終わったかのようだ。
一体何があったのだろう…
俺は辺りを見回し、そこに翔子の姿を見つける。なぜか、草原の真ん中に立って、俺たちの出てきた森とは違う森の奥を見ている。
「翔子! 何があった!!」
遠くから声を出した。その声で皆が俺たちが戻ってきたことに気づいた。
「ああ、やっと戻ってきてくれた…」
安堵する声。
涙を流す者もいた。
一体彼ら彼女たちに何があったのだ。
俺はまっすぐ翔子の元に向かった。
「何があった? これは一体…」
と問いかけた、翔子の顔は不安そうな何かを心配している顔をしている。
「実は…」
翔子は話し始めた。
突然地面が揺れた後、自分達の元に大きなゴリラの様な生物が現れた事。
その生物が皆を攻撃しながら暴れ出した事。
そして、それを結城君が、銃を使って生物を攻撃した事。
その後、結城君は自分を囮にして森の奥に生物を誘導した事。
あった出来事を聞いて、俺は絶句した。
何という事だ。結城君が一人で囮になるなんて…
彼が銃を持っていた事も驚いたが、問題はこの中で1番何の力のない彼が囮になった事だ。
彼は、仲間の中で1番弱い…そんな彼が皆を助ける為に一人で戦っている。
それを誰も助けに行っていないのだ。
何という事だろう。
「どうして戦わなかったんだ?」
「そんなこと言ったって無理よ。皆んな襲われだして、パニックになってて闘おうとする人なんていなかった」
「でも結城君は戦ったんだろう。誰も彼を手助けしようとしなかったのか?」
俺は翔子に問いかけた。
しかし、これは追い討ちに近いものだ。
「無理よ。誰も彼が囮になってくれて安心していたから…助けようなんて思わなかったんでしょうね……」
「そうか…」
俺は追いかける事にした。
彼1人では無理だ。殺される。
「俺は結城君を追う。他のものは怪我人の手当てと防衛に当たってくれ」
「「分かった」」
俺走りだそうとした。
そこで思い出した。
翔子の能力を。
「翔子、俺にお前の能力を使ってくれ!」
翔子の能力は『移動速度を上げる』事ができる。
それを使えば、俺は結城君に追いつける。
「それは無理」
翔子は断った。
どうしてだ。今渋るタイミングではない筈だ。
「それはどうして!」
「私の能力は1人にしか使えない。今は結城に使ってるから!」
と翔子は言った。
そういう事か。
俺は納得した。
それならば逃げ切れるかもしれない。
いや、まだ捕まっていないという可能性が高い。
「分かった。俺はすぐに追いかける」
「うん、頼んだよ。アイツのこと…」
「ああ、任せてくれ」
俺は走りだした。
結城君の後を追いかけて……
「あぁ、それも相当でかい声だ」
森から出ようと必死に走っていた。
それ程、距離離れていない。
パンッ!!
何かが破裂するような音が聞こえてくる。
「何の音だ!」
「銃声…じゃないか? よくドラマとかで聞いてた音に似てるような気がする」
確かにそんな音だった気がする。
「でも、徒競走の時の音とは少し違う事ねぇか?」
「そんなの本物使うわけないだろう。アレは軽い音。今聞こえてきた音はもっと重い。多分、本物の銃から出た音だ」
「そうだとして、誰か銃なんか持ってたか? 見た事ないぞ、持ってる所」
確かにその指摘はもっともだ。
この世界に来てから銃を見た事はなかった気がする。
だとすると、誰が撃ったというのだろう。
「もしかして、盗賊が…」
「まさか…」
否定ができない。
「おい、また銃声がするぞ」
「ああ、もうすぐ森を抜ける」
勢いよく俺たちは森を出て、草原に足を踏み入れた。
そして、そこには…
「な、なんだこれ…」
草原には人が倒れている。
それも何人も。
そして、木々の近くにも人が疎にいる。
怪我をしたもの、それを支えているもの。手当てをしているもの。さまざまだ。
そこには動物の姿はなかった。
誰かが争っている雰囲気もない。
まるでもう終わったかのようだ。
一体何があったのだろう…
俺は辺りを見回し、そこに翔子の姿を見つける。なぜか、草原の真ん中に立って、俺たちの出てきた森とは違う森の奥を見ている。
「翔子! 何があった!!」
遠くから声を出した。その声で皆が俺たちが戻ってきたことに気づいた。
「ああ、やっと戻ってきてくれた…」
安堵する声。
涙を流す者もいた。
一体彼ら彼女たちに何があったのだ。
俺はまっすぐ翔子の元に向かった。
「何があった? これは一体…」
と問いかけた、翔子の顔は不安そうな何かを心配している顔をしている。
「実は…」
翔子は話し始めた。
突然地面が揺れた後、自分達の元に大きなゴリラの様な生物が現れた事。
その生物が皆を攻撃しながら暴れ出した事。
そして、それを結城君が、銃を使って生物を攻撃した事。
その後、結城君は自分を囮にして森の奥に生物を誘導した事。
あった出来事を聞いて、俺は絶句した。
何という事だ。結城君が一人で囮になるなんて…
彼が銃を持っていた事も驚いたが、問題はこの中で1番何の力のない彼が囮になった事だ。
彼は、仲間の中で1番弱い…そんな彼が皆を助ける為に一人で戦っている。
それを誰も助けに行っていないのだ。
何という事だろう。
「どうして戦わなかったんだ?」
「そんなこと言ったって無理よ。皆んな襲われだして、パニックになってて闘おうとする人なんていなかった」
「でも結城君は戦ったんだろう。誰も彼を手助けしようとしなかったのか?」
俺は翔子に問いかけた。
しかし、これは追い討ちに近いものだ。
「無理よ。誰も彼が囮になってくれて安心していたから…助けようなんて思わなかったんでしょうね……」
「そうか…」
俺は追いかける事にした。
彼1人では無理だ。殺される。
「俺は結城君を追う。他のものは怪我人の手当てと防衛に当たってくれ」
「「分かった」」
俺走りだそうとした。
そこで思い出した。
翔子の能力を。
「翔子、俺にお前の能力を使ってくれ!」
翔子の能力は『移動速度を上げる』事ができる。
それを使えば、俺は結城君に追いつける。
「それは無理」
翔子は断った。
どうしてだ。今渋るタイミングではない筈だ。
「それはどうして!」
「私の能力は1人にしか使えない。今は結城に使ってるから!」
と翔子は言った。
そういう事か。
俺は納得した。
それならば逃げ切れるかもしれない。
いや、まだ捕まっていないという可能性が高い。
「分かった。俺はすぐに追いかける」
「うん、頼んだよ。アイツのこと…」
「ああ、任せてくれ」
俺は走りだした。
結城君の後を追いかけて……
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