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53話 死2
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次に目覚めたとき、僕は城内にある自分の部屋のベットの上で目を覚ました。
朝日が東の窓から入ってきて、ちょうど顔に当たる。
すぐそばには、だれの姿もなく、僕は何があったのか分からずにいた。
目覚めはいつもと同じだった。洞窟の出来事も思い出せた。
クリーンな脳内で俯瞰的に考える。感情が何一つ邪魔をしない。
とりあえず、部屋を出る。
ここに来るまでの記憶がなく、少女に吹っ飛ばされるまでの記憶しかなかった。
あの後に一体何があったというのだろう。
考えてもらちが明かず、誰かに尋ねるために廊下に出た。
廊下に出たはいいが、どこに行けばいいのか迷った。
誰に遭い、だれに聞けばいいのか。
八雲以外の親しい知り合いなどいないから、図書館に向かうことにした。
朝ということもあり、八雲は図書館にいるのだろうか、とふと考えた。
寝泊りは部屋でしていると前に聞いたが、朝の何時から図書館にいるのか、聞いたことがなかった。
それでも、図書館で待っていれば現れるだろうと考え、図書館に向かって歩き出した。
図書館までの道、だれに遭うこともなかった。
到着した図書館の中に入る。
そこには誰の姿もなく、普段八雲が座っている席は空っぽだった。
少しの間待たせてもらおう。
僕は、八雲が普段座っている席に座り、八雲の到着を待った。
だが、待てど暮らせど八雲はやってこない。
もしかしたら八雲に何かあったのだろうか、という思いがこみ上げる。
八雲に限って、何かあったとは考えにくい、まだ寝ているに違いない。
僕は、八雲がやってくるのを待っていたが、次第にお腹の虫が鳴り始めた。
そういえば、まだ朝ご飯を食べていなかった。
それと眠っていたので夜ご飯も取っていないはずだ。
胃の中は空っぽに違いない。
八雲の到着がいつになるかわからないこともあり、先に食事を済ませることにし、図書館を出ることにした。
図書館を出て、右に曲がり廊下を進む。普段ならば食堂の前には出入りする人の姿見受けられるはずなのだが、今日に限って出会わない。
仕方なく食堂に入る。だが、そこにも人の姿はなかった。
「もしかして、起きる時間が早すぎてしまったのか?」
ここにきて、室内の時計で時間を確認してこなかったことを後悔した。
食堂の時計は壊れていて現在の時刻が確認できない。
しかし、そこに一人の男がやってきた。
「何をしている!」
突然後ろから声をかけられて驚いてしまう。
その男は、正装に身を包んでいる。一瞬貴族に見えたが、雰囲気はそう感じさせなかった。
「あ、あの……」
言葉に悩む。
何を言えばいいか。朝早くから食堂にいるなんて不審がられても仕方ない。
ここは、さらっと躱して部屋に帰るか。
と考えていた僕に男は激しい剣幕でこういった。
「早くしろ、皆集まっているぞ」
「えっ」
そういって男は去っていった。
みんなが集まっている? どこに、どうして?
気になった僕は、男を追った。
「あの」
「なんだ」
「何があったんですか?」
僕は男に尋ねた。
すると、変な奴を見る目でこちらを見た男は
「何って、お前知らないのか? 昨夜、王様が亡くなられただろう!」
「えっ」
それは突然の事だった。
衝撃的な発言で、僕は言葉を聞いても実感できずにいた。
「今、皆広場に集まっている」
「そうあのですね」
だから、だれにも会わなかったのか。
疑問は解決したが、正直それどころではなかった。
「どうして亡くなられたのですか?」
「病死だそうだ」
病死……誰かに、殺されたわけではないということか。
確かに、王様はもういい年だった。
病死と聞いても不自然さは感じない。
「そうですか」
「お前もいそげよ」
男はそういうと、駆け出して行ってしまった。
そういえば彼は何しに来たのだろうか。
僕に教えるためだけに来たのか、と錯覚させられてしまう。
皆が広場で集まっているのに……
僕は広場に向かった。
朝日が東の窓から入ってきて、ちょうど顔に当たる。
すぐそばには、だれの姿もなく、僕は何があったのか分からずにいた。
目覚めはいつもと同じだった。洞窟の出来事も思い出せた。
クリーンな脳内で俯瞰的に考える。感情が何一つ邪魔をしない。
とりあえず、部屋を出る。
ここに来るまでの記憶がなく、少女に吹っ飛ばされるまでの記憶しかなかった。
あの後に一体何があったというのだろう。
考えてもらちが明かず、誰かに尋ねるために廊下に出た。
廊下に出たはいいが、どこに行けばいいのか迷った。
誰に遭い、だれに聞けばいいのか。
八雲以外の親しい知り合いなどいないから、図書館に向かうことにした。
朝ということもあり、八雲は図書館にいるのだろうか、とふと考えた。
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それでも、図書館で待っていれば現れるだろうと考え、図書館に向かって歩き出した。
図書館までの道、だれに遭うこともなかった。
到着した図書館の中に入る。
そこには誰の姿もなく、普段八雲が座っている席は空っぽだった。
少しの間待たせてもらおう。
僕は、八雲が普段座っている席に座り、八雲の到着を待った。
だが、待てど暮らせど八雲はやってこない。
もしかしたら八雲に何かあったのだろうか、という思いがこみ上げる。
八雲に限って、何かあったとは考えにくい、まだ寝ているに違いない。
僕は、八雲がやってくるのを待っていたが、次第にお腹の虫が鳴り始めた。
そういえば、まだ朝ご飯を食べていなかった。
それと眠っていたので夜ご飯も取っていないはずだ。
胃の中は空っぽに違いない。
八雲の到着がいつになるかわからないこともあり、先に食事を済ませることにし、図書館を出ることにした。
図書館を出て、右に曲がり廊下を進む。普段ならば食堂の前には出入りする人の姿見受けられるはずなのだが、今日に限って出会わない。
仕方なく食堂に入る。だが、そこにも人の姿はなかった。
「もしかして、起きる時間が早すぎてしまったのか?」
ここにきて、室内の時計で時間を確認してこなかったことを後悔した。
食堂の時計は壊れていて現在の時刻が確認できない。
しかし、そこに一人の男がやってきた。
「何をしている!」
突然後ろから声をかけられて驚いてしまう。
その男は、正装に身を包んでいる。一瞬貴族に見えたが、雰囲気はそう感じさせなかった。
「あ、あの……」
言葉に悩む。
何を言えばいいか。朝早くから食堂にいるなんて不審がられても仕方ない。
ここは、さらっと躱して部屋に帰るか。
と考えていた僕に男は激しい剣幕でこういった。
「早くしろ、皆集まっているぞ」
「えっ」
そういって男は去っていった。
みんなが集まっている? どこに、どうして?
気になった僕は、男を追った。
「あの」
「なんだ」
「何があったんですか?」
僕は男に尋ねた。
すると、変な奴を見る目でこちらを見た男は
「何って、お前知らないのか? 昨夜、王様が亡くなられただろう!」
「えっ」
それは突然の事だった。
衝撃的な発言で、僕は言葉を聞いても実感できずにいた。
「今、皆広場に集まっている」
「そうあのですね」
だから、だれにも会わなかったのか。
疑問は解決したが、正直それどころではなかった。
「どうして亡くなられたのですか?」
「病死だそうだ」
病死……誰かに、殺されたわけではないということか。
確かに、王様はもういい年だった。
病死と聞いても不自然さは感じない。
「そうですか」
「お前もいそげよ」
男はそういうと、駆け出して行ってしまった。
そういえば彼は何しに来たのだろうか。
僕に教えるためだけに来たのか、と錯覚させられてしまう。
皆が広場で集まっているのに……
僕は広場に向かった。
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