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第36話 誘拐
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「勇者はいるか!」
学院内には女騎士の声が大きく反響しながら、響き渡っていた。
「どうかしたんですか?」
女騎士の元にヴェロニカが近づく。
「おお、ちょうどいい所に!勇者を知らないか?!」
と女騎士は慌てた様子で、勇者の事を探していた。何があったのだろう。
ヴェロニカはこんな姿を見た事がないので、少し驚いていた。
「えっとさっきまで一緒でしたけど、今はどこにいるのか分かりません」
「そっそうか…分かった。探してみる」
と女騎士は凄まじく機敏な動きで、その場を立ち去る。
「待ってください。私も行きます」
女騎士の尋常ではない様子を見たヴェロニカは動かずにはいられなかった。
場所は移り中庭に現れた女騎士とヴェロニカ。
そこにはベンチで優雅に昼寝をしている勇者の姿があった。
「勇者!」
「おわっ!?」
ベンチで昼寝していた所に、女騎士が大声で勇者のことを呼びながらやって来た。
「どうした?そんなにあわてて」
「どうしたもこうしたも無い!姫様が誘拐されたのだ!!」
「「誘拐!?」」
勇者とヴェロニカは驚きの声を上げる。
その二人の目の前に女騎士は紙を差し出した。
そこにはこう書かれていた。
「姫は誘拐した。勇者は一人で秘宝の洞窟に来い。勇者殺しより」
とヴェロニカは紙に書かれているものを読み上げた。
「なるほど。なるほど。」
「って、なんで私が読まなくちゃいけないのよ!」
と怒りをぶつけてくる。だが、お願いしなくても読んでくれるのだから、やさしいやつだが。
「そういいながら、読んでくれたんだな。ありがとな」
「ふんっ」
照れくさそうに鼻を鳴らす。
「それで秘宝の洞窟っていうのはどこにあるんだ?」
「あなた行くつもりなの?勇者殺しからなのよ。殺されるに決まっているわ」
ヴェロニカは先ほどとは打って変わって、勇者の心配を始めた。
どうやら勇者が洞窟に行くことに反対しているようだ。
だが、勇者は行かないわけにはいかない。
それは
「勇者だから行かないわけにはいかないんだ。案内してくれ」
「分かった。付いて来い、勇者」
そういうと、走りだした女騎士の後ろ姿を追い、勇者は走り出す。
ヴェロニカはその場に残った。
去り行く勇者の後ろ姿を静かに見つめながら……
学院内には女騎士の声が大きく反響しながら、響き渡っていた。
「どうかしたんですか?」
女騎士の元にヴェロニカが近づく。
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と女騎士は慌てた様子で、勇者の事を探していた。何があったのだろう。
ヴェロニカはこんな姿を見た事がないので、少し驚いていた。
「えっとさっきまで一緒でしたけど、今はどこにいるのか分かりません」
「そっそうか…分かった。探してみる」
と女騎士は凄まじく機敏な動きで、その場を立ち去る。
「待ってください。私も行きます」
女騎士の尋常ではない様子を見たヴェロニカは動かずにはいられなかった。
場所は移り中庭に現れた女騎士とヴェロニカ。
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「勇者!」
「おわっ!?」
ベンチで昼寝していた所に、女騎士が大声で勇者のことを呼びながらやって来た。
「どうした?そんなにあわてて」
「どうしたもこうしたも無い!姫様が誘拐されたのだ!!」
「「誘拐!?」」
勇者とヴェロニカは驚きの声を上げる。
その二人の目の前に女騎士は紙を差し出した。
そこにはこう書かれていた。
「姫は誘拐した。勇者は一人で秘宝の洞窟に来い。勇者殺しより」
とヴェロニカは紙に書かれているものを読み上げた。
「なるほど。なるほど。」
「って、なんで私が読まなくちゃいけないのよ!」
と怒りをぶつけてくる。だが、お願いしなくても読んでくれるのだから、やさしいやつだが。
「そういいながら、読んでくれたんだな。ありがとな」
「ふんっ」
照れくさそうに鼻を鳴らす。
「それで秘宝の洞窟っていうのはどこにあるんだ?」
「あなた行くつもりなの?勇者殺しからなのよ。殺されるに決まっているわ」
ヴェロニカは先ほどとは打って変わって、勇者の心配を始めた。
どうやら勇者が洞窟に行くことに反対しているようだ。
だが、勇者は行かないわけにはいかない。
それは
「勇者だから行かないわけにはいかないんだ。案内してくれ」
「分かった。付いて来い、勇者」
そういうと、走りだした女騎士の後ろ姿を追い、勇者は走り出す。
ヴェロニカはその場に残った。
去り行く勇者の後ろ姿を静かに見つめながら……
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