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第21話 迷子と教室
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「ほんと不完全燃焼だよな~」
「…そうね」
無愛想に返事を返す。
「またやろうな」
「ええ、いつでも相手になるわ」
「…」
「……」
僕とヴェロニカは並んで廊下を歩いていた。
「ねぇ? 何で付いてくるの」
「え、それはお前…僕が女騎士に置いていかれたからに決まってるだろ?」
「そんなこと知らないんだけど…なら、1人で帰ったら?」
「それは…」
帰り道が分からなくて、1人で帰れないとか言えない…
模擬戦が終わった後、その場で解散となった。
僕とヴェロニカは汗をかいていていたので、シャワーを浴びることになり、僕がシャワーを終え、シャワー室を出てきた時には女騎士の姿がどこにも無かった。
帰り道の分からない僕は考えた末、ヴェロニカがシャワーを浴び終わるのを待って出てきた後、付いていくことにしたのだ。
「もしかして、帰れないの1人で?」
「ギクッ」
「まじ?」
と驚いた顔をして僕の顔を下から覗いていた。
「し、仕方ないだろ! まだ、この国に来て日が浅いんだから」
言い訳ともとれる言い訳をした。
「そう」
急に冷たい態度をとる。
そしてヴェロニカは立ち止まった。
「ん、どうした。トレイか?」
「ちがうわよ! ここ、私の教室 」
ヴェロニカが止まったところはどこかの部屋に通ずるドアの前だった。ヴェロニカはそのドアに手を触れた。
「じゃあ…」
ニヤリと笑を浮かべて、教室の中に入っていった。
「まじか…」
廊下にはポツンと僕1人が取り残されていた。
…
……
「あのさぁ、どうしていんの?」
「ん? 何のことだ?」
と、すっとぼける。
「だ、か、ら」
と大きな声で
「どうして、私の横に座ってるのかって、聞いてるのよ!」
「うるさいぞ! お前ら、今は授業中だ!!」
黒板の前に立っていた女騎士が、こちらに振り向き注意する。
ヴェロニカは席から勢いよく立ち上がり
「す、すいません」
と、椅子を倒しながら誠心繊維謝った。
ヴェロニカとは思えないくらい素直に謝る姿に僕は驚いた。思ったより真面目な性格らしい。
「分かったら、座っていいぞ」
「はい…」
ヴェロニカは静かに返事をして、倒れた椅子を起こし座った。
「怒られちゃったな」
と、僕は茶化すように言った。
「あんたののせいでね!」
ヴェロニカは怒りの形相でこちらを睨みつける。
先程注意されたからだろう、声のボリュームは下げて喋っていた。
「悪かった」
と軽く謝る、
しかし、ヴェロニカはぷぃっと顔を窓の外の方に向けてしまった。それだけ怒っているのかもしれないので、ヴェロニカに構うのは少し控えることにした。
僕は静かに女騎士が進める授業を聞くことにした。
だが、その内容は1ミリも理解できなかった。女騎士が教えているのは、この国の歴史についてだった。今のこの国のことも分からない自分にとっては、歴史について理解できるはずも無かった。
数分後には眠り、夢の世界へと旅立ってしまっていた…
パンッ!
突然頭に衝撃が走った。
痛っ!
衝撃により、夢の世界から現実世界へと連れ戻される。
僕は何事かと辺りを見回すが、そこはまだ女騎士が進める授業中だった。
黒板の前では、まだ女騎士が立って授業をしていた。
僕はヴェロニカの方を見る。だが、ヴェロニカはまだ窓の外を見ていた。
…誰が頭を叩いたんだ。
周りを見渡しても僕のことを気にしている人はいない。
なら、一体誰が…
僕はもう1度眠りの体制に入った。
犯人を炙り出すために。
そして少し立つとまた頭に衝撃がくる。
誰だ!
僕は勢いよく上体を起こし、左右を見渡す。すると、その動きにビックリしたのか、横にいるヴェロニカが急いで窓の外を向いた。体制が変わってないと思わせたかったらしいが、動いたのを見てしまった。
「おい」
「何?」
ヴェロニカはこちらに向いた。その顔は不機嫌そのものだった。
「今叩いたろ?」
「何の事?」
ととぼける。
「いや、とぼけるなって…証拠はあるんだからな」
「証拠?」
「あぁ、その手にあるものが証拠だ!」
僕が指さした先にあるヴェロニカの右手には、丸められた教科書が握られていた。
しかし、次の瞬間…
「何、証拠なんてないけど?」
一瞬の隙に右手の力を緩めた。丸まっていた教科書は一瞬の間に元の姿に戻って机の上に置かれる。
「いや、だから…」
僕は追求しようとして止めた。
これは勝てない…
そう思ったのだ。
女って強いな…
僕は残りの時間、目を開けて眠ることにした…
「…そうね」
無愛想に返事を返す。
「またやろうな」
「ええ、いつでも相手になるわ」
「…」
「……」
僕とヴェロニカは並んで廊下を歩いていた。
「ねぇ? 何で付いてくるの」
「え、それはお前…僕が女騎士に置いていかれたからに決まってるだろ?」
「そんなこと知らないんだけど…なら、1人で帰ったら?」
「それは…」
帰り道が分からなくて、1人で帰れないとか言えない…
模擬戦が終わった後、その場で解散となった。
僕とヴェロニカは汗をかいていていたので、シャワーを浴びることになり、僕がシャワーを終え、シャワー室を出てきた時には女騎士の姿がどこにも無かった。
帰り道の分からない僕は考えた末、ヴェロニカがシャワーを浴び終わるのを待って出てきた後、付いていくことにしたのだ。
「もしかして、帰れないの1人で?」
「ギクッ」
「まじ?」
と驚いた顔をして僕の顔を下から覗いていた。
「し、仕方ないだろ! まだ、この国に来て日が浅いんだから」
言い訳ともとれる言い訳をした。
「そう」
急に冷たい態度をとる。
そしてヴェロニカは立ち止まった。
「ん、どうした。トレイか?」
「ちがうわよ! ここ、私の教室 」
ヴェロニカが止まったところはどこかの部屋に通ずるドアの前だった。ヴェロニカはそのドアに手を触れた。
「じゃあ…」
ニヤリと笑を浮かべて、教室の中に入っていった。
「まじか…」
廊下にはポツンと僕1人が取り残されていた。
…
……
「あのさぁ、どうしていんの?」
「ん? 何のことだ?」
と、すっとぼける。
「だ、か、ら」
と大きな声で
「どうして、私の横に座ってるのかって、聞いてるのよ!」
「うるさいぞ! お前ら、今は授業中だ!!」
黒板の前に立っていた女騎士が、こちらに振り向き注意する。
ヴェロニカは席から勢いよく立ち上がり
「す、すいません」
と、椅子を倒しながら誠心繊維謝った。
ヴェロニカとは思えないくらい素直に謝る姿に僕は驚いた。思ったより真面目な性格らしい。
「分かったら、座っていいぞ」
「はい…」
ヴェロニカは静かに返事をして、倒れた椅子を起こし座った。
「怒られちゃったな」
と、僕は茶化すように言った。
「あんたののせいでね!」
ヴェロニカは怒りの形相でこちらを睨みつける。
先程注意されたからだろう、声のボリュームは下げて喋っていた。
「悪かった」
と軽く謝る、
しかし、ヴェロニカはぷぃっと顔を窓の外の方に向けてしまった。それだけ怒っているのかもしれないので、ヴェロニカに構うのは少し控えることにした。
僕は静かに女騎士が進める授業を聞くことにした。
だが、その内容は1ミリも理解できなかった。女騎士が教えているのは、この国の歴史についてだった。今のこの国のことも分からない自分にとっては、歴史について理解できるはずも無かった。
数分後には眠り、夢の世界へと旅立ってしまっていた…
パンッ!
突然頭に衝撃が走った。
痛っ!
衝撃により、夢の世界から現実世界へと連れ戻される。
僕は何事かと辺りを見回すが、そこはまだ女騎士が進める授業中だった。
黒板の前では、まだ女騎士が立って授業をしていた。
僕はヴェロニカの方を見る。だが、ヴェロニカはまだ窓の外を見ていた。
…誰が頭を叩いたんだ。
周りを見渡しても僕のことを気にしている人はいない。
なら、一体誰が…
僕はもう1度眠りの体制に入った。
犯人を炙り出すために。
そして少し立つとまた頭に衝撃がくる。
誰だ!
僕は勢いよく上体を起こし、左右を見渡す。すると、その動きにビックリしたのか、横にいるヴェロニカが急いで窓の外を向いた。体制が変わってないと思わせたかったらしいが、動いたのを見てしまった。
「おい」
「何?」
ヴェロニカはこちらに向いた。その顔は不機嫌そのものだった。
「今叩いたろ?」
「何の事?」
ととぼける。
「いや、とぼけるなって…証拠はあるんだからな」
「証拠?」
「あぁ、その手にあるものが証拠だ!」
僕が指さした先にあるヴェロニカの右手には、丸められた教科書が握られていた。
しかし、次の瞬間…
「何、証拠なんてないけど?」
一瞬の隙に右手の力を緩めた。丸まっていた教科書は一瞬の間に元の姿に戻って机の上に置かれる。
「いや、だから…」
僕は追求しようとして止めた。
これは勝てない…
そう思ったのだ。
女って強いな…
僕は残りの時間、目を開けて眠ることにした…
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