25 / 41
第24話 作戦失敗…
しおりを挟む
こそこそ…
勇者は誰にも見つからないように静かに城を出ていく。その姿はまるで盗人のようだ。忍び足で街に繰り出す。
誰にもバレないように…
足音を消して、存在感も出来る限り無くして街を歩いていた。どうしてそんなことをするのか、言うまでもなく勇者殺しに出会わないためだ。勇者が街に出ているという情報が街に広がらない限り、見つからないはずだ。と勝手に思っている。そのため城もそっと出てきたし…出来る限りのことをするしている。
お腹が空いて出てきたわけだが特に食べたいものがある訳では無い。だからどこか適当な店に入るつもりで歩いた。存在感を消しているので、話しかけられることもない。
こそこそ…
足音はたててない。すれ違う人たちも勇者に目を向けることはなかった。
「よぉ、勇者様じゃねぇか!」
そう思っていたのは自分だけだったようだ。
とうとうバレてしまった。
バレないと思っていたのにバレてしまった。それも露店で商品を売っているオヤジに。特に親しくもないが、ほぼ街に来ると、この店の前を通るからだろうか、よく話しかけられるのだ。
バレてしまったのなら仕方ないな。隠しても隠しきれないのだろう。
勇者は自分という大きな存在感は隠しきれないと思った。それは自分の勘違いとも知らずに…
勇者は露店のオヤジに返事をした。面倒だけど…
すると、その近くにを通っていた通行人のオバサン達が勇者に気づいたらしい。
「あら、勇者様じゃないの」
「ホントだわ」
いつの間にか人気者になったのだろうか。勇者である僕に次々と話しかけてくる。周りの人もすれ違いざまに挨拶してくる。そんな人たちに1人1人勇者は挨拶を返す。今までこんなことなかったのに…
不思議に思いながら勇者は露店のオヤジに聞いてみた。
「どうしてみんな僕に話しかけてくるようになったの?」
「あ? ああ、それはお前さんがあのモーガンの勇者に勝ったって聞いたからだろうよ」
なるほど…あの場にはこの国の人間はほぼ来ていないと思っていたがどうやら、見に来ていた人もいたのだろう。それであれから少し時間はたった今、その話題が国に広がったと見える。
勇者はそのことを嬉しく思う反面、どうしてこうも勇者殺しに見つからないように行動し始めた時に、こうやって注目されるのだろう。タイミングが悪い。それが少し残念だ。
「げ…」
と突然後ろから奇声にも似た女の声が聞こえた。この声では判断出来ないけど、知り合いのような気がしたので振り返る。そこには見慣れた顔の女の子が嫌そうな顔をして立っていた。その女の子は、長い髪に夜なので判断しずらいが赤髪で小柄な体型、それに加えて制服を着用していた。そして腰には物騒な剣が備えられていた。
「よ、ヴェロニカ! こんな所で何してるんだ?」
「はぁ…夜のご飯を食べに行く所。それなのにどうしてあんたに会っちゃうんだろう」
凄く残念そうに肩を落とした。それは傷つく事だけれど、ヴェロニカはいつもこんな感じなので気にしないようにしている。勇者の中ではヴェロニカと言う存在は、ツンデレだと思っている。失礼かもしれないから本人には言わないが。
さて、本題に戻そう。
夕食を食べに行く所だったことを。そしてその途中、ヴェロニカに会った。そのヴェロニカも夕食を食べに行く所だった。なら、言うまでもない。
「さ、行くぞー、ヴェロニカ!」
勇者は強引にヴェロニカの手を握った。
「え、ちょっと!」
勇者は握った手を強引に引いて街を歩き始めた。多分後で切られるということを覚悟しながら…
…ヴェロニカが仲間になった。
勇者は誰にも見つからないように静かに城を出ていく。その姿はまるで盗人のようだ。忍び足で街に繰り出す。
誰にもバレないように…
足音を消して、存在感も出来る限り無くして街を歩いていた。どうしてそんなことをするのか、言うまでもなく勇者殺しに出会わないためだ。勇者が街に出ているという情報が街に広がらない限り、見つからないはずだ。と勝手に思っている。そのため城もそっと出てきたし…出来る限りのことをするしている。
お腹が空いて出てきたわけだが特に食べたいものがある訳では無い。だからどこか適当な店に入るつもりで歩いた。存在感を消しているので、話しかけられることもない。
こそこそ…
足音はたててない。すれ違う人たちも勇者に目を向けることはなかった。
「よぉ、勇者様じゃねぇか!」
そう思っていたのは自分だけだったようだ。
とうとうバレてしまった。
バレないと思っていたのにバレてしまった。それも露店で商品を売っているオヤジに。特に親しくもないが、ほぼ街に来ると、この店の前を通るからだろうか、よく話しかけられるのだ。
バレてしまったのなら仕方ないな。隠しても隠しきれないのだろう。
勇者は自分という大きな存在感は隠しきれないと思った。それは自分の勘違いとも知らずに…
勇者は露店のオヤジに返事をした。面倒だけど…
すると、その近くにを通っていた通行人のオバサン達が勇者に気づいたらしい。
「あら、勇者様じゃないの」
「ホントだわ」
いつの間にか人気者になったのだろうか。勇者である僕に次々と話しかけてくる。周りの人もすれ違いざまに挨拶してくる。そんな人たちに1人1人勇者は挨拶を返す。今までこんなことなかったのに…
不思議に思いながら勇者は露店のオヤジに聞いてみた。
「どうしてみんな僕に話しかけてくるようになったの?」
「あ? ああ、それはお前さんがあのモーガンの勇者に勝ったって聞いたからだろうよ」
なるほど…あの場にはこの国の人間はほぼ来ていないと思っていたがどうやら、見に来ていた人もいたのだろう。それであれから少し時間はたった今、その話題が国に広がったと見える。
勇者はそのことを嬉しく思う反面、どうしてこうも勇者殺しに見つからないように行動し始めた時に、こうやって注目されるのだろう。タイミングが悪い。それが少し残念だ。
「げ…」
と突然後ろから奇声にも似た女の声が聞こえた。この声では判断出来ないけど、知り合いのような気がしたので振り返る。そこには見慣れた顔の女の子が嫌そうな顔をして立っていた。その女の子は、長い髪に夜なので判断しずらいが赤髪で小柄な体型、それに加えて制服を着用していた。そして腰には物騒な剣が備えられていた。
「よ、ヴェロニカ! こんな所で何してるんだ?」
「はぁ…夜のご飯を食べに行く所。それなのにどうしてあんたに会っちゃうんだろう」
凄く残念そうに肩を落とした。それは傷つく事だけれど、ヴェロニカはいつもこんな感じなので気にしないようにしている。勇者の中ではヴェロニカと言う存在は、ツンデレだと思っている。失礼かもしれないから本人には言わないが。
さて、本題に戻そう。
夕食を食べに行く所だったことを。そしてその途中、ヴェロニカに会った。そのヴェロニカも夕食を食べに行く所だった。なら、言うまでもない。
「さ、行くぞー、ヴェロニカ!」
勇者は強引にヴェロニカの手を握った。
「え、ちょっと!」
勇者は握った手を強引に引いて街を歩き始めた。多分後で切られるということを覚悟しながら…
…ヴェロニカが仲間になった。
0
あなたにおすすめの小説
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち
半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。
最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。
本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。
第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。
どうぞ、お楽しみください。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる