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第六話 朝
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昨日の昼に先生との約束したこともあり、昼から放課後にかけて後ろの席の真城さんを観察していた。
でも、昨日は特に異変は見られなかった。
後ろの席の真城さんは結構おとなしめな感じな子なので友達候補の一人だったのだけど、さすがに仲の良い子が複数いる人には話しかける勇気はなくてあきらめた子だった。
しかし、なぜだろう先生の頼みであればなんか話かけることができそうな気がした。
今は朝で、まだ真城さんは学校に来ていなかった。
まだかと待ちわびていたら、真城さんといつも一緒にいる女子が三人教室に入ってきた。
三人は仲良さそうに話している。
いつも真城さんと一緒にいるが、真城さんとは一緒に登校していないらしい。
そして、しばらくしてから真城さんが入ってきた。
僕の後ろの席に座った。
「今だな。」と思い話しかけようとしたが……
真城さん遅いよ学校くるの……
そう、僕は決意を固めていたのに真城さんがまさかの遅刻ギリギリにくるなんて。
ガラガラとドアが開き、伊藤先生が入ってくる。
朝早く来たのに意味がなかった。
ホームルームが終わり、伊藤先生が教室を出る。
今だ!と思った矢先、真城さんのところにいつもの三人組が寄ってきた。
出遅れた!
と思ったときにはもう遅い。
仕方なく前を向いて後ろに耳をたてる。
「ごめんね、なゆき。今日も置いていっちゃって。」
軽い感じで謝る。
「うん、別にいいよ。」
真城さんは優しく対応する。
しかし、ボソッと誰にも聞こえないような声で「いつものことじゃん……」とつぶやいた。
他の三人には聞こえていないようだったが、後ろの会話に集中していた僕には聞こえていた。
「わるいんだけどさぁー、今日の英語の宿題見せてくれない?」
三人の内コイツしかしゃべってないな。
こいつがリーダー的存在なのか。とか考えていた。
「いいよ、はい。」
真城さんは断ることをせずに、すぐに宿題を貸す。
「サンキュー。」
といって三人は真城さんから離れていった。
なんか複雑そうな関係のようだと思った。
真城さんは一人になって次の授業の準備を始めた。
一人になったしチャンスと思い、後ろに振りむいた。
真城さんと目が合った。
「何?」
真城さんが突然振りむいた僕を見てそう答えた。
「いや……その。」
僕は忘れていた。
人見知りであることを。
話かけようとしたが特に何を話たらいいかわからない。
どうしよう……
「な、何でもない。」
といって前に向き直った。
だめだ、先生ごめん。
僕には無理そうだ。
僕が心の中で謝っていると伊藤先生が教室に入ってくる。
そして、一時間目の授業が始まった。
でも、昨日は特に異変は見られなかった。
後ろの席の真城さんは結構おとなしめな感じな子なので友達候補の一人だったのだけど、さすがに仲の良い子が複数いる人には話しかける勇気はなくてあきらめた子だった。
しかし、なぜだろう先生の頼みであればなんか話かけることができそうな気がした。
今は朝で、まだ真城さんは学校に来ていなかった。
まだかと待ちわびていたら、真城さんといつも一緒にいる女子が三人教室に入ってきた。
三人は仲良さそうに話している。
いつも真城さんと一緒にいるが、真城さんとは一緒に登校していないらしい。
そして、しばらくしてから真城さんが入ってきた。
僕の後ろの席に座った。
「今だな。」と思い話しかけようとしたが……
真城さん遅いよ学校くるの……
そう、僕は決意を固めていたのに真城さんがまさかの遅刻ギリギリにくるなんて。
ガラガラとドアが開き、伊藤先生が入ってくる。
朝早く来たのに意味がなかった。
ホームルームが終わり、伊藤先生が教室を出る。
今だ!と思った矢先、真城さんのところにいつもの三人組が寄ってきた。
出遅れた!
と思ったときにはもう遅い。
仕方なく前を向いて後ろに耳をたてる。
「ごめんね、なゆき。今日も置いていっちゃって。」
軽い感じで謝る。
「うん、別にいいよ。」
真城さんは優しく対応する。
しかし、ボソッと誰にも聞こえないような声で「いつものことじゃん……」とつぶやいた。
他の三人には聞こえていないようだったが、後ろの会話に集中していた僕には聞こえていた。
「わるいんだけどさぁー、今日の英語の宿題見せてくれない?」
三人の内コイツしかしゃべってないな。
こいつがリーダー的存在なのか。とか考えていた。
「いいよ、はい。」
真城さんは断ることをせずに、すぐに宿題を貸す。
「サンキュー。」
といって三人は真城さんから離れていった。
なんか複雑そうな関係のようだと思った。
真城さんは一人になって次の授業の準備を始めた。
一人になったしチャンスと思い、後ろに振りむいた。
真城さんと目が合った。
「何?」
真城さんが突然振りむいた僕を見てそう答えた。
「いや……その。」
僕は忘れていた。
人見知りであることを。
話かけようとしたが特に何を話たらいいかわからない。
どうしよう……
「な、何でもない。」
といって前に向き直った。
だめだ、先生ごめん。
僕には無理そうだ。
僕が心の中で謝っていると伊藤先生が教室に入ってくる。
そして、一時間目の授業が始まった。
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