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第十七話
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そして事件は起こるのだった…
「ではこれで帰りのHRを終わります」
と伊藤先生の掛け声でみんな一斉に動き始める。
僕もカバンを取り帰る準備を始めた。
だが、立ち上がった時に伊藤先生に呼ばれた。
「みくり君、ちょっとノート運ぶの手伝ってもらえる?」
と言われた僕は、持っていたカバンを机の上に置き先生の手伝いに向かった。
僕は、ノートを持って先生の後について行った。
その道中先生が
「いやー、でも助かるよ。みくり君がいてくれて」
そう言われるのは悪い気はしない。
でも
「先生、さすがに女の子だらけだから男の僕に頼みやすいとはいえ、僕ばかりに頼むのはどうかと思いますよ」
「それはわかってはいるんだけど、やっぱりみくり君は頼みやすいから頼んじゃうんだよね」
と話して目的地に着くとノートを置いてそそくさと教室に戻った。
後ろから、ありがと~う!という先生の声がしたので手を振っておいた。
教室に戻ると真城さんの姿はなくその代わり教室にあいつの姿があった。
そう、そのあいつとは
「早かったじゃない、花園さん」
この上から目線の喋り方をするいやらしい女だ。
特に話したくもなかったから、そうかな~と言って適当に答えて僕は自分の机の上に置いてあるカバンをとって帰ろうとした。
しかし、
「何帰ろうとしてるの?」
と僕の前に立ちふさがる。
邪魔だ。帰れない。とは口には出さなかったけど、多分顔には出てると思う。
「私はあんたが帰ってくるのを待ってたんだから」
「!?」
びっくりしてる。
僕はこの女に待たれるようなことをした覚えがない、それにこれから何が起こっても嫌な予感しかしない。
多分良くないことなんだろうと思うと帰りたくなるが、邪魔をされているにで帰れない。
「単刀直入に聞くけど、あんたと伊藤先生は付き合ってるの」
「え…」
またっく予想外な質問だった。
まさか、男の僕にこんなことを聞いてくるとは…
と思ったがこの女は僕のこと男だと知らないから、この質問もあながちな違えではない気もする。
でも、それは間違いだ。
だから僕は
「いや、付き合ってない…ただの友達だよ」
「絶対嘘だ。名前で呼び合ってるし、昼も一緒に食べてるし、それで付き合っていないなんて言える」
なぜ真実を言っているのに信じてもらえないのか、謎でしかない。
でも、僕がこの女の立場なら信じられないのも不思議ではない。
でもそれは僕が女だったらの話だ。
僕が男であることをしゃべることができれば今すぐにでも誤解を解いて帰ることができるのに…
てか、もしそんなデマが広まってみろ俺も伊藤先生も立場が悪くなってしまう。
もしかして、僕を脅迫するために教室に残っていたのか、この女は。
しかし、この女は予想とは違う脅し方をしてきた。
「もう、伊藤先生に近づかないで」
めちゃめちゃ怖い目で脅してくる。
この脅しは何を考えての脅しなのかさっぱり僕には理解ができなかった。
僕が伊藤先生に近づかないからって、この女に何のメリットがあるんだ。
それに伊藤先生と僕は友達だ。
だから
「それはできない」
「!」
女は僕の強気な発言に驚いていた。
大体の普通の女の子であればあんな目で見られた時点で、素直に従ってしまうところだろうけれど、あいにく僕は男だからそんな脅しには負けない。
と少し強気すぎたのがダメだったらしい。
僕の発言で相手の怒りをかってしまったみたいだ。
みるみる女の右手の拳に力が込められ、顔は怒りで真っ赤だ。
今にも沸騰しそうなほどに…
と次の瞬間、僕は吹っ飛ばされた。
僕の後ろにあった机は倒れ、僕は地面に叩きつけられる。
頬にはジリジリと痛みが走りようやく理解できた。
僕は殴られたのだと…
「イテッ!」
僕の口癖が出てしまう。
特に痛くなくても殴られたら言ってしまう。
だが、今回はまた違う。
いつものように出てしまった言葉だが、今回は本当に痛かった。
ものすごく痛かった。
しかし、それでも怒りが収まらないらしい女は倒れた僕に蹴りを入れてくる。
それもなんども。
痛みが全身にわたり始める。
その暴力は僕には長い間続いたように感じたが、実際は1分も経っていなかった。
そして、僕もそろそろ我慢の限界で反撃しようと思った時に、相手の女は蹴るのをやめてしまった。
「はぁはぁ…」
息が切れているようだ。
そして、スタミナ切れで我に返った女は自分がやり過ぎてしまったことを知る。
しかし、女のプライドもあるため謝るなんてできなかった。
だから「思い知った?これ以上されたくなければ私の言ったことを守ることね」
と言って教室から足早に去って行った。
教室に取り残された僕は思った。
あいつ、僕に教室のカギ押し付けやがった、と…
「ではこれで帰りのHRを終わります」
と伊藤先生の掛け声でみんな一斉に動き始める。
僕もカバンを取り帰る準備を始めた。
だが、立ち上がった時に伊藤先生に呼ばれた。
「みくり君、ちょっとノート運ぶの手伝ってもらえる?」
と言われた僕は、持っていたカバンを机の上に置き先生の手伝いに向かった。
僕は、ノートを持って先生の後について行った。
その道中先生が
「いやー、でも助かるよ。みくり君がいてくれて」
そう言われるのは悪い気はしない。
でも
「先生、さすがに女の子だらけだから男の僕に頼みやすいとはいえ、僕ばかりに頼むのはどうかと思いますよ」
「それはわかってはいるんだけど、やっぱりみくり君は頼みやすいから頼んじゃうんだよね」
と話して目的地に着くとノートを置いてそそくさと教室に戻った。
後ろから、ありがと~う!という先生の声がしたので手を振っておいた。
教室に戻ると真城さんの姿はなくその代わり教室にあいつの姿があった。
そう、そのあいつとは
「早かったじゃない、花園さん」
この上から目線の喋り方をするいやらしい女だ。
特に話したくもなかったから、そうかな~と言って適当に答えて僕は自分の机の上に置いてあるカバンをとって帰ろうとした。
しかし、
「何帰ろうとしてるの?」
と僕の前に立ちふさがる。
邪魔だ。帰れない。とは口には出さなかったけど、多分顔には出てると思う。
「私はあんたが帰ってくるのを待ってたんだから」
「!?」
びっくりしてる。
僕はこの女に待たれるようなことをした覚えがない、それにこれから何が起こっても嫌な予感しかしない。
多分良くないことなんだろうと思うと帰りたくなるが、邪魔をされているにで帰れない。
「単刀直入に聞くけど、あんたと伊藤先生は付き合ってるの」
「え…」
またっく予想外な質問だった。
まさか、男の僕にこんなことを聞いてくるとは…
と思ったがこの女は僕のこと男だと知らないから、この質問もあながちな違えではない気もする。
でも、それは間違いだ。
だから僕は
「いや、付き合ってない…ただの友達だよ」
「絶対嘘だ。名前で呼び合ってるし、昼も一緒に食べてるし、それで付き合っていないなんて言える」
なぜ真実を言っているのに信じてもらえないのか、謎でしかない。
でも、僕がこの女の立場なら信じられないのも不思議ではない。
でもそれは僕が女だったらの話だ。
僕が男であることをしゃべることができれば今すぐにでも誤解を解いて帰ることができるのに…
てか、もしそんなデマが広まってみろ俺も伊藤先生も立場が悪くなってしまう。
もしかして、僕を脅迫するために教室に残っていたのか、この女は。
しかし、この女は予想とは違う脅し方をしてきた。
「もう、伊藤先生に近づかないで」
めちゃめちゃ怖い目で脅してくる。
この脅しは何を考えての脅しなのかさっぱり僕には理解ができなかった。
僕が伊藤先生に近づかないからって、この女に何のメリットがあるんだ。
それに伊藤先生と僕は友達だ。
だから
「それはできない」
「!」
女は僕の強気な発言に驚いていた。
大体の普通の女の子であればあんな目で見られた時点で、素直に従ってしまうところだろうけれど、あいにく僕は男だからそんな脅しには負けない。
と少し強気すぎたのがダメだったらしい。
僕の発言で相手の怒りをかってしまったみたいだ。
みるみる女の右手の拳に力が込められ、顔は怒りで真っ赤だ。
今にも沸騰しそうなほどに…
と次の瞬間、僕は吹っ飛ばされた。
僕の後ろにあった机は倒れ、僕は地面に叩きつけられる。
頬にはジリジリと痛みが走りようやく理解できた。
僕は殴られたのだと…
「イテッ!」
僕の口癖が出てしまう。
特に痛くなくても殴られたら言ってしまう。
だが、今回はまた違う。
いつものように出てしまった言葉だが、今回は本当に痛かった。
ものすごく痛かった。
しかし、それでも怒りが収まらないらしい女は倒れた僕に蹴りを入れてくる。
それもなんども。
痛みが全身にわたり始める。
その暴力は僕には長い間続いたように感じたが、実際は1分も経っていなかった。
そして、僕もそろそろ我慢の限界で反撃しようと思った時に、相手の女は蹴るのをやめてしまった。
「はぁはぁ…」
息が切れているようだ。
そして、スタミナ切れで我に返った女は自分がやり過ぎてしまったことを知る。
しかし、女のプライドもあるため謝るなんてできなかった。
だから「思い知った?これ以上されたくなければ私の言ったことを守ることね」
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あいつ、僕に教室のカギ押し付けやがった、と…
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