「バカな男子高校生が女子校に入学しました！」

第二十九話 妹は天使？

｢うぇぇえ～ん｣
｢それ泣いてるの？｣
と僕のおかしな泣き方を指摘してくる妹。
そうだ、僕は泣いているんだ…
今日半日だけど、真城さんに無視をされたこと。
もしかしたら、最近はずっと無視をされていたのかもしれない。
｢聞いてくれよ～｣
｢はい、はい。で、どうしたの？｣
優しい妹は僕の話を聞いてくれる。
ほんとに優しい。
傷ついた心に効くのは、やっぱり妹なんだと思った。
｢それがさぁ、実は学校で仲の良かった女の子に無視されるんだ｣
｢そう、それはお兄ちゃんが悪い｣
なんで！無視されてるって言っただけなのに、なぜそうだと決めつけられるんだ！
｢僕何もしてないよ？｣
｢だったら、何もしてないのがダメだったんじゃない？｣
そうなのだろうか…
今の僕にはさっぱり分からない。
｢それなら、これから僕はどうすればいいと思う？｣
｢それは分かんないよ。だって、情報が少なすぎるもん｣
その通りだ。
全く、どうして真城さんが僕のことを無視するのかわからない限り、どうしょうもないのだ。
｢じゃあ、もうちょっとだけ自力で頑張ってみるよ｣
｢うん、何か分かって私の知恵が欲しい時は、頼ってきてもいいからね｣
あ～、なんて優しい妹なんだ。
｢そうさせてもらうよ。じゃあ、今日はもう遅いから、この辺で｣
｢うん、おやすみー｣
そう言って、妹は自分の部屋へと帰っていった。
…さて、明日も頑張るか。
そう自分に言い聞かせるようにして、その日は眠りについた。