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第七十四話 妹
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「どうしてお兄…… お姉ちゃんが私の学校の前にいるの?」
と僕は妹に尋問されていた。
僕は、先ほど妹が校門から出てきてやっと、妹も通っていたことを思い出したのだ。
まさか、妹に会うとは……
僕は、この事態を全く予想だにしていなかったため、うまい言い訳を考えていなかった。
「で、黙ってないで早く喋ってもらえる?」
「はい……」
妹様に頭が上がらない僕は、妹に嘘を言ってもすぐに見抜かれてしまう気がしていた。
ここは、嘘偽りなしに話すしかなさそうだ。
「実は、一馬くんと一緒に帰る約束をしてて……」
「ん? 一馬くんと?」
「そうそう」
「そうなんだ」
と妹が予想よりも優しかった。やはり、嘘をつかなかったのが良かったのかもしれない。
とそんなことを考えていると……
「妹である私ですら、一緒に帰ってことがないのに……」
「え?」
「バカ……」
と妹の雲行きがどんどん悪くなっていく。なぜか、機嫌が悪くなっていく。どうしてだ……
僕は考えて、ある結論に至った。そうか、妹は最近友達になったので、一馬くんと一緒に帰ったことがまだないんだ。多分それが気にくわないのだろう。
「で!」
「はい!」
突然大きな声を出されて、びっくりして、とっさに返事をしてしまった。
「どうして、一馬くんと一緒に帰ろうとしていたの?」
と笑顔で聞いてくる。先ほどとは比べ物にならないくらい怖い笑顔だった。
この質問に対して嘘を言うと後が怖いので、真実を話すことにした。
特に、後ろめたいことがあるわけでもないわけだし。
「実はな、一馬くんが悩みを抱えていてな、それを解決するために一緒に帰ることになったんだ」
と真実を伝える。
「またなの?」
妹は溜め息混じりにそう答えた。そう、ついこの前、一馬くんが男のふりをしているということを明かしてくれたばかりなのだ。
「どうして私に頼ってくれなんだろう……」
と妹は呟いた。
それは、言いづらいからだろう。昨日もそんなことを言ってたし……
別に妹よ、お前が悪いわけではないぞ!ただ、一馬くんの悩みが特殊すぎるだけなんだ。
と僕は心の中で、妹を慰めていた。
実際には妹はそこまで、落ち込んでいるわけでもない様子だったので何も言わなかったが……
すると、突然妹は僕を置いて帰ろうとする。
その行動にビックリして、妹に話しかけてしまう。
「ちょっと、どうして急に帰ろうとするんだ。一馬くんを一緒に待とうよ」
すると、妹は立ち止まりこちらに向き直って、僕の方を見た。
「嫌よ」
そう言ってまた帰ろうとし始めたので、僕はその理由を聞いた。
「どうしてだよ、理由を教えてくれよ」
すると妹がまた僕の方を向き直った。
妹の顔は怒ったり拗ねたりしているわけではなく、なんと言うか……真顔だった。
そして、妹は僕の質問に対して、答えた。
「だって今日、一馬くん休みだから」
と僕は妹に尋問されていた。
僕は、先ほど妹が校門から出てきてやっと、妹も通っていたことを思い出したのだ。
まさか、妹に会うとは……
僕は、この事態を全く予想だにしていなかったため、うまい言い訳を考えていなかった。
「で、黙ってないで早く喋ってもらえる?」
「はい……」
妹様に頭が上がらない僕は、妹に嘘を言ってもすぐに見抜かれてしまう気がしていた。
ここは、嘘偽りなしに話すしかなさそうだ。
「実は、一馬くんと一緒に帰る約束をしてて……」
「ん? 一馬くんと?」
「そうそう」
「そうなんだ」
と妹が予想よりも優しかった。やはり、嘘をつかなかったのが良かったのかもしれない。
とそんなことを考えていると……
「妹である私ですら、一緒に帰ってことがないのに……」
「え?」
「バカ……」
と妹の雲行きがどんどん悪くなっていく。なぜか、機嫌が悪くなっていく。どうしてだ……
僕は考えて、ある結論に至った。そうか、妹は最近友達になったので、一馬くんと一緒に帰ったことがまだないんだ。多分それが気にくわないのだろう。
「で!」
「はい!」
突然大きな声を出されて、びっくりして、とっさに返事をしてしまった。
「どうして、一馬くんと一緒に帰ろうとしていたの?」
と笑顔で聞いてくる。先ほどとは比べ物にならないくらい怖い笑顔だった。
この質問に対して嘘を言うと後が怖いので、真実を話すことにした。
特に、後ろめたいことがあるわけでもないわけだし。
「実はな、一馬くんが悩みを抱えていてな、それを解決するために一緒に帰ることになったんだ」
と真実を伝える。
「またなの?」
妹は溜め息混じりにそう答えた。そう、ついこの前、一馬くんが男のふりをしているということを明かしてくれたばかりなのだ。
「どうして私に頼ってくれなんだろう……」
と妹は呟いた。
それは、言いづらいからだろう。昨日もそんなことを言ってたし……
別に妹よ、お前が悪いわけではないぞ!ただ、一馬くんの悩みが特殊すぎるだけなんだ。
と僕は心の中で、妹を慰めていた。
実際には妹はそこまで、落ち込んでいるわけでもない様子だったので何も言わなかったが……
すると、突然妹は僕を置いて帰ろうとする。
その行動にビックリして、妹に話しかけてしまう。
「ちょっと、どうして急に帰ろうとするんだ。一馬くんを一緒に待とうよ」
すると、妹は立ち止まりこちらに向き直って、僕の方を見た。
「嫌よ」
そう言ってまた帰ろうとし始めたので、僕はその理由を聞いた。
「どうしてだよ、理由を教えてくれよ」
すると妹がまた僕の方を向き直った。
妹の顔は怒ったり拗ねたりしているわけではなく、なんと言うか……真顔だった。
そして、妹は僕の質問に対して、答えた。
「だって今日、一馬くん休みだから」
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