76 / 155
第七十六話 ストーカー小学生
しおりを挟む
「どうしたのお兄ちゃん」
「ん?ああ」
妹が急に立ち止まった僕を不思議に思って話しかけてきた。だって仕方ないだろう。目の前に一馬くんのストーカーの女子小学生がいるのだから。幸いにも彼女は僕に気づいておらず、携帯を見ていた。小学生は壁の方を向いているので横を見られると気付かれてしまう。しかし気付かれていない今なら後ろを通ってやり過ごすことができるか。
そう考えた僕は妹の手を握って歩き始めた。気づくなよ…… と思いながら静かに歩いた。
妹も、おとなしく僕に合わせて歩いてくれている。
一歩一歩慎重に歩みを進める。そして、ちょうどストーカー小学生の後ろまで来ることに成功した。
ここまでなんとか気付かれずに来たことで少し安心する。なぜなら、振り向かれない限りばれないからだ。これで成功確率がものすごく高くなったと思う。
そして、小学生の後ろをそっと歩きながら、横目で小学生の様子を見た。
すると、携帯を見ながらブツブツ言っていた。
なんだ電話でもしてるのか? と思ったがそうではなく、時間を確認していたようだった。
なぜそんなことがわかったかというと、小学生がブツブツ言っていることが聞こえたからだ。
そう彼女はこんなことを言っていた。
「いつもだったらもうとっくに来ている時間なのに……」
と言っていたのだ。多分一馬くんのことだろう。そして、続けて
「もしかして、また帰る道を変えたのかしら」
とも言っていた。小学生にしては頭が冴えているようだ。しかし、今日はただ単に休んでいるだけだ。残念だったな。
気がつくと僕は小学生の後ろを過ぎて、僕では小学生が確認できない位置に来た。これで、小学生を過ぎたということになる。僕は、その事実にほっと、息を吐いて安心する。これでなんとか……
と気を緩めていると、後ろから小学生の声が聞こえてきた。
「あぁ!!あんたは昨日のクソビッチ!!」
僕はその声のした方を見た。クソビッチが僕でないことを祈りながら小学生を見たが、残念ながらこちらに人差し指を向けて叫んでいた。やっぱり僕だった。
だが、少し距離があるから走れば逃げられそうだ。
僕は、急に走り出した。すると、手をつないでいた妹が急なことで、足が絡まってしまい、バランスを崩す。
僕はそれに気づいて、手をつないでいない方の手を妹の前に持ってきて、妹が倒れてくるのをその手で支えた。なんとかこけずに済んだのだが……
「もう逃げられないわよ」
そう言って僕の後ろに、息を切らして追いかけてきた小学生が立っていた。
終わった……
「ん?ああ」
妹が急に立ち止まった僕を不思議に思って話しかけてきた。だって仕方ないだろう。目の前に一馬くんのストーカーの女子小学生がいるのだから。幸いにも彼女は僕に気づいておらず、携帯を見ていた。小学生は壁の方を向いているので横を見られると気付かれてしまう。しかし気付かれていない今なら後ろを通ってやり過ごすことができるか。
そう考えた僕は妹の手を握って歩き始めた。気づくなよ…… と思いながら静かに歩いた。
妹も、おとなしく僕に合わせて歩いてくれている。
一歩一歩慎重に歩みを進める。そして、ちょうどストーカー小学生の後ろまで来ることに成功した。
ここまでなんとか気付かれずに来たことで少し安心する。なぜなら、振り向かれない限りばれないからだ。これで成功確率がものすごく高くなったと思う。
そして、小学生の後ろをそっと歩きながら、横目で小学生の様子を見た。
すると、携帯を見ながらブツブツ言っていた。
なんだ電話でもしてるのか? と思ったがそうではなく、時間を確認していたようだった。
なぜそんなことがわかったかというと、小学生がブツブツ言っていることが聞こえたからだ。
そう彼女はこんなことを言っていた。
「いつもだったらもうとっくに来ている時間なのに……」
と言っていたのだ。多分一馬くんのことだろう。そして、続けて
「もしかして、また帰る道を変えたのかしら」
とも言っていた。小学生にしては頭が冴えているようだ。しかし、今日はただ単に休んでいるだけだ。残念だったな。
気がつくと僕は小学生の後ろを過ぎて、僕では小学生が確認できない位置に来た。これで、小学生を過ぎたということになる。僕は、その事実にほっと、息を吐いて安心する。これでなんとか……
と気を緩めていると、後ろから小学生の声が聞こえてきた。
「あぁ!!あんたは昨日のクソビッチ!!」
僕はその声のした方を見た。クソビッチが僕でないことを祈りながら小学生を見たが、残念ながらこちらに人差し指を向けて叫んでいた。やっぱり僕だった。
だが、少し距離があるから走れば逃げられそうだ。
僕は、急に走り出した。すると、手をつないでいた妹が急なことで、足が絡まってしまい、バランスを崩す。
僕はそれに気づいて、手をつないでいない方の手を妹の前に持ってきて、妹が倒れてくるのをその手で支えた。なんとかこけずに済んだのだが……
「もう逃げられないわよ」
そう言って僕の後ろに、息を切らして追いかけてきた小学生が立っていた。
終わった……
0
あなたにおすすめの小説
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる