「バカな男子高校生が女子校に入学しました!」

晴樹

文字の大きさ
96 / 155

第96話 追試!

しおりを挟む
「そこまで」
その先生の合図で、僕は持っていたペンを置いた。そして、僕は今までしていたテストの答案用紙を見る。

ーーうん、全部書けてるな!

そのテストには空白がなく、文字で解答欄はみっちりうまっていた。

これだけ埋まってたら、赤点はないだろう!

僕はそう思っていた。特にわからない所は適当に数字を書いて空欄を作らないように努力した。それが今回の追試対策だ。僕はこれしかしていなかった。一切勉強はしなかった。いや、する必要が僕にはなかったのだ。

「では、帰っていいですよ」

そう先生に言われて僕を含め追試を受けていた数人が教室を出た。すると、教室を出た所で、真城さんが壁に持たれて待っていた。

「真城さん~、お待たせ!」

と僕は壁に持たれていた真城さんに寄って言った。特に真城さんと約束した訳では無いのだけど、何故かそこに居たので、一緒に帰ろうと思って近づいたのだ。

「え!? あ、うん…」

と特に約束してなかったのに、僕が寄ってきたことにビックリしている。この反応が面白い。

「じゃあ、帰ろっか!」
「え!?」
「ん? そのために待っててくれたんじゃないの?」
「いや、その……」
「追試…どうだったのか、聞きに来ただけなんだけど…」
「…真城さんはまだ帰らないの?」
「いや、帰るけど…」
「じゃあ、一緒に帰ろうよ」

僕は真城さんの腕を握った。そして、引っ張って校門に向かった。その間、真城さんは戸惑いながらも、静かに付いてきてくれた。僕は安心しながら引っ張っていった。

校門に着いた。
さて……
僕は真城さんの方を向いた。

「真城さんの家って…どっちなの?」

僕は右? 左? と校門で真城さんに問うた。というよりも少し焦っていた。一緒に帰ろうと言ったのに、家の方向が反対だったらどうしようかと…
そんな僕のあたふたを目の当たりにした真城さんはそれが面白かったのか、真城さんは笑みをこぼした。普段、笑うことが少ない真城さんの笑った顔を見るとこちらも笑顔になった。
自分が真城さんを笑わすことが出来たのが少し嬉しかった。

それから笑いが収まったあと、真城さんが「右」と答えてくれた。
僕の家と同じ方向であった事に感謝しつつ、僕たちは校門を出て右に曲がって歩いていった…
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...