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第126話 追試
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「これで朝のホームルームを終わります」
と朝のホームルームが終わりを告げた。
「あ、花園くんは先生のところ来てくれるかな」
とホームルームが終わるや否や先生は僕を呼び出した。
呼び出されたので、教台のところに向かった。
「何ですか、先生」
「実はね、これなんだけど…」
そう言って僕に見せてきたのは、名前の欄に僕の名前が書かれたテストの答案だった。
そこには赤点の点数が大きく書かれていた。
「これがどうかしたんですか」
「うん、このテスト覚えてる?」
「数学のテストですね。でもこの前帰ってきたばかりじゃないですか」
「そうだね、つい先日帰ってきて赤点だったやつ…」
そう、前帰ってきてわざわざ追試まで受けたのになんで僕だけまた赤点の数学のテストが戻ってくるんだ。おかしいだろ。
「おかしいですよ。どうして僕だけ赤点の数学のテストがまた戻ってくるんですか? なんですかイジメですか」
「イジメではないんだけど… このテストに見覚えない?」
「見覚えですか……見たことないですね」
「ほ、本当に…?」
「はい」
「なんだろう、君から清々しく忘れ去られてるこのテストの答案は…」
「なんでしょうね」
と僕が言うと先生はため息をついた。
そして…
「本当に忘れているみたいだから言うけど、これは追試の時のテストの答案だ」
「あぁ、追試の時の問題ってこんなんでしたっけ」
「そうだよ、多分君はこのテストまるまる一緒のを2回受けたんだけど覚えてないみたいだね」
「はい」
「清々しいね」
そういいながら先生は困った顔をしていた。
そして、険しい顔でこういった。
「再追試だ」
「再追試…?」
「そう」
僕はこの時知った、僕は今のままではダメだということに…
「それに君だけだ。再追試は」
「聞きたくなかったです」
「ごめん」
落ち込む僕にとどめを刺してくる。
これは、高校に落ちた時ぐらい落ち込む…
「つ、再追試はいつですか」
「来週の放課後」
「わかりました」
僕はそう言って席に戻ろうとした。
「あ、先生」
「なんだい?」
「その答案もらっていいですか?」
「え、これいる?」
「はい」
「でも…」
先生は困った顔で僕を見る。
それもそのはずだろう。今回帰ってきたテストの答案は…
「前のテストよりも悪いのにいるの? 本当に」
「ぐ…」
そう、前のテストの点数よりも悪い答案だったのだ。
「い、いります。自分の戒めのために…」
「そ、そうか…」
先生は僕に答案を渡した。
僕はそれを受け取ると自分の席に戻った。
朝から気分を落としながら…
と朝のホームルームが終わりを告げた。
「あ、花園くんは先生のところ来てくれるかな」
とホームルームが終わるや否や先生は僕を呼び出した。
呼び出されたので、教台のところに向かった。
「何ですか、先生」
「実はね、これなんだけど…」
そう言って僕に見せてきたのは、名前の欄に僕の名前が書かれたテストの答案だった。
そこには赤点の点数が大きく書かれていた。
「これがどうかしたんですか」
「うん、このテスト覚えてる?」
「数学のテストですね。でもこの前帰ってきたばかりじゃないですか」
「そうだね、つい先日帰ってきて赤点だったやつ…」
そう、前帰ってきてわざわざ追試まで受けたのになんで僕だけまた赤点の数学のテストが戻ってくるんだ。おかしいだろ。
「おかしいですよ。どうして僕だけ赤点の数学のテストがまた戻ってくるんですか? なんですかイジメですか」
「イジメではないんだけど… このテストに見覚えない?」
「見覚えですか……見たことないですね」
「ほ、本当に…?」
「はい」
「なんだろう、君から清々しく忘れ去られてるこのテストの答案は…」
「なんでしょうね」
と僕が言うと先生はため息をついた。
そして…
「本当に忘れているみたいだから言うけど、これは追試の時のテストの答案だ」
「あぁ、追試の時の問題ってこんなんでしたっけ」
「そうだよ、多分君はこのテストまるまる一緒のを2回受けたんだけど覚えてないみたいだね」
「はい」
「清々しいね」
そういいながら先生は困った顔をしていた。
そして、険しい顔でこういった。
「再追試だ」
「再追試…?」
「そう」
僕はこの時知った、僕は今のままではダメだということに…
「それに君だけだ。再追試は」
「聞きたくなかったです」
「ごめん」
落ち込む僕にとどめを刺してくる。
これは、高校に落ちた時ぐらい落ち込む…
「つ、再追試はいつですか」
「来週の放課後」
「わかりました」
僕はそう言って席に戻ろうとした。
「あ、先生」
「なんだい?」
「その答案もらっていいですか?」
「え、これいる?」
「はい」
「でも…」
先生は困った顔で僕を見る。
それもそのはずだろう。今回帰ってきたテストの答案は…
「前のテストよりも悪いのにいるの? 本当に」
「ぐ…」
そう、前のテストの点数よりも悪い答案だったのだ。
「い、いります。自分の戒めのために…」
「そ、そうか…」
先生は僕に答案を渡した。
僕はそれを受け取ると自分の席に戻った。
朝から気分を落としながら…
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