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第130話 追試を乗り越えろ4
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「ハイお茶」
そう言って妹がリビングにいる人数と同じだけの麦茶を運んできた。
「あ、ありがとうございます」
丁寧な口調で妹から麦茶を受け取った真城さん。気のせいか、少しキョドってるように見える。なぜだろう…
真城さんに麦茶を配った後、ミサキ、秋、そして僕に順番に配った。だが、妹は自分にだけオレンジジュースをコップについで持ってきた。しかしそれについては特に触れないでおこう。
僕はまた勉強の方に気持ちを向けた。しかし残念なことに真城さんの集中力が途切れてしまっていた。
「ま、真城さん?」
「あ、え? 何」
「いや…休憩しようか?」
「えっと…大丈夫。続きしようか」
そう言ってまた教科書の方に視線を落とした。
「……」
ダメだ。分からない。
再開して早速詰まってしまった。
3分ほど考えたが全く解けなかったので、ここは真城さんに助けを乞う。
「真城さんここって…」
と真城さんにここの問題の解き方を聞こうとした時、真城さんは心ここに在らずな状態となっていた。そのせいで僕の声が届いていない様だった。
僕は思った。
真城さんは一体どこを見ているんだ…と。
真城さんの視線の先を辿るとちょうど僕の隣に視線がいっていた。僕の横にいるのは…
…秋…
ではなくて、秋と僕の間に居座ってオレンジジュースをストローで飲んでいる妹だった。
どうやら妹のことが気になっている様子だ。でもここで妹と話し始めたりすると勉強所ではなくなる可能性が高い。だから、ここは真城さんには我慢してもらうしかない。それに今は秋がいるから妹と接するのはちょっと難しいしな。
と妹の方に視線を移す。
僕の視界に入る妹はテレビを見ていた。そして、たまにテレビではなく、隣に秋の方に視線がいっていた。
一体秋のどこがいいのやら…
まぁ、秋はちょっとイケメンではあるが、でもそれだけだ。それ以上いい所なんて…思い浮かばない。
僕は妹に言ってやりたい。
そんな男はやめときなさい!そんな男よりもお兄ちゃんの方がいいぞ! と…
でも、そんなこと言ったら嫌われるから言わないけど、妹にはもう少し好きになる相手を考えて欲しいと思う。
もしも、秋と妹が結婚なんてことになったら、秋が弟になるってことだろ。考えるだけで嫌になる。と言うより、そんな弟はいらない。もしできたら燃えるゴミの日に出したくなる。それほどいらないのだ。いっそ、そうなる前にもうゴミの日に出してしまおうか。なぁ、秋。
「ねぇ……」
「ふぇ」
突然話しかけてきたのは、真城さんだった。いつの間にか真城さんが向こうから戻ってきていた。逆に僕の方がどこかに行ってしまっていたようだ。
「ねぇ、大丈夫? 怖い顔してたよ」
「大丈夫、大丈夫! それよりもここ教えて欲しいんだけど」
「うん、ここはね」
とまた勉強を再開した。
どうやら、おかしなことを考えてしまっていたようだ。真城さんのおかげで未遂で済んでよかった。
これは真城さんに感謝しないと。
そんなことを考えながら、勉強を教えてもらっていると、今日の勉強会は終わりを告げた…
そう言って妹がリビングにいる人数と同じだけの麦茶を運んできた。
「あ、ありがとうございます」
丁寧な口調で妹から麦茶を受け取った真城さん。気のせいか、少しキョドってるように見える。なぜだろう…
真城さんに麦茶を配った後、ミサキ、秋、そして僕に順番に配った。だが、妹は自分にだけオレンジジュースをコップについで持ってきた。しかしそれについては特に触れないでおこう。
僕はまた勉強の方に気持ちを向けた。しかし残念なことに真城さんの集中力が途切れてしまっていた。
「ま、真城さん?」
「あ、え? 何」
「いや…休憩しようか?」
「えっと…大丈夫。続きしようか」
そう言ってまた教科書の方に視線を落とした。
「……」
ダメだ。分からない。
再開して早速詰まってしまった。
3分ほど考えたが全く解けなかったので、ここは真城さんに助けを乞う。
「真城さんここって…」
と真城さんにここの問題の解き方を聞こうとした時、真城さんは心ここに在らずな状態となっていた。そのせいで僕の声が届いていない様だった。
僕は思った。
真城さんは一体どこを見ているんだ…と。
真城さんの視線の先を辿るとちょうど僕の隣に視線がいっていた。僕の横にいるのは…
…秋…
ではなくて、秋と僕の間に居座ってオレンジジュースをストローで飲んでいる妹だった。
どうやら妹のことが気になっている様子だ。でもここで妹と話し始めたりすると勉強所ではなくなる可能性が高い。だから、ここは真城さんには我慢してもらうしかない。それに今は秋がいるから妹と接するのはちょっと難しいしな。
と妹の方に視線を移す。
僕の視界に入る妹はテレビを見ていた。そして、たまにテレビではなく、隣に秋の方に視線がいっていた。
一体秋のどこがいいのやら…
まぁ、秋はちょっとイケメンではあるが、でもそれだけだ。それ以上いい所なんて…思い浮かばない。
僕は妹に言ってやりたい。
そんな男はやめときなさい!そんな男よりもお兄ちゃんの方がいいぞ! と…
でも、そんなこと言ったら嫌われるから言わないけど、妹にはもう少し好きになる相手を考えて欲しいと思う。
もしも、秋と妹が結婚なんてことになったら、秋が弟になるってことだろ。考えるだけで嫌になる。と言うより、そんな弟はいらない。もしできたら燃えるゴミの日に出したくなる。それほどいらないのだ。いっそ、そうなる前にもうゴミの日に出してしまおうか。なぁ、秋。
「ねぇ……」
「ふぇ」
突然話しかけてきたのは、真城さんだった。いつの間にか真城さんが向こうから戻ってきていた。逆に僕の方がどこかに行ってしまっていたようだ。
「ねぇ、大丈夫? 怖い顔してたよ」
「大丈夫、大丈夫! それよりもここ教えて欲しいんだけど」
「うん、ここはね」
とまた勉強を再開した。
どうやら、おかしなことを考えてしまっていたようだ。真城さんのおかげで未遂で済んでよかった。
これは真城さんに感謝しないと。
そんなことを考えながら、勉強を教えてもらっていると、今日の勉強会は終わりを告げた…
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