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第140話 デート2
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「ご、ごめんなさい…」
水族館の中を並んで2人で歩いていると、突然真城さんが僕に向かって謝ってきた。
何の脈絡もなかったので、僕は真城さんが何について謝ってきたのか分からなかった。
「どうして謝るの?」
僕は首を傾げながら真城さん聞いた。
「そ、それは…」
「それは?」
「楽しくないですよね」
「??」
「ごめんなさい」
だめだ…全然分からない…
僕は少しの間を開けてから話し始めることにした。
「ご、こめん真城さん。よく分からなかったんだけど、僕は真城さんと水族館に来れて楽しいよ」
無理やりだが、楽しいアピールをする。
真城さんが何に謝っているのか分からなかったから、とりあえず楽しいと言ってあげなければいけない気がしたのだ。
「ありがとう…そう言ってくれて嬉しい」
僕の言葉で真城さんは笑顔になった。さっきまでは顔をふせていて、僕の顔を見づらそうしていた。
でも今は嬉しそうな顔をして、僕の目を見て話してくれている。今なら、聞いても答えてくれそうな、そんな気がしていた。
「それで何で突然謝ってきたの?」
と僕は先程から聞きたかったことを聞いた。
こうして聞いたのはこれを聞かなければ、このデートを何も楽しめなくなってしまうと思ったからだ。
すると真城さんも話してくれる気になったようで、話し始めた。
「それはですね…私が誘ったのに、自分だけ水族館を楽しんでいたから…それを謝りたくて」
と真城さんは言った。どうもそれで罪悪感が生まれてしまっているらしい。でも、これは笑えるくらいどうでもよかった。なぜなら、僕は真城さんが楽しんでいた間、僕も楽しんでいたからだ。別に何か話したりしていたわけではないけれど、2人で並んで歩くだけで良かったからだ。だから、僕はそんなことを気にして謝ってきた真城さんに笑えてきた。
「ふふふ、ニャははは!!!」
と僕が笑うと
「え、キモ!」
真城さんはドン引きしていた。
しかし、それは何かの聞き間違いだと思った。だって真城さんがそんなことを言うわけないからだ。
だから僕は聞き返した。
「え!?」
「何でもない…」
真城さんから帰ってきた答えは僕の聞き間違いを肯定でもしそうな発言だった。
聞かなかったことにしよう…
僕は咳払いをして先ほどのくだりがなかったことにした。
「そんなことを気にしなくていいよ! 僕は真城さんと一緒に水族館に来れて楽しいから」
「そうなの? なら…」
「?」
真城さんが続けて言おうとした時、その先何を言おうとしたのか分かってしまった。
ぐううう……
それは、お腹がすいた合図だった。それも僕に聞こえるほどの大きなものだった。
「真城さん?」
と僕が話しかけると…
「くぅううう……」
何かうめき声を上げていた。どうやら恥ずかしかったらしい。真城さんの耳は先まで真っ赤に染まっていた。
「それじゃあ、行こうか!」
僕は真城さんの返事も聞かずに手を取って歩き始めた。
真城さんは戸惑っていた。
「ど、どこへ?」
と真城さんが聞いてきた。
それは決まってるだろ!
僕は心の中でそう思いながら真城さんに
「ご飯だよ!」
と言ってそのままレストラン街に向かった。
真城さんもその後は何も言わずに僕のあとを付いてきた。
水族館の中を並んで2人で歩いていると、突然真城さんが僕に向かって謝ってきた。
何の脈絡もなかったので、僕は真城さんが何について謝ってきたのか分からなかった。
「どうして謝るの?」
僕は首を傾げながら真城さん聞いた。
「そ、それは…」
「それは?」
「楽しくないですよね」
「??」
「ごめんなさい」
だめだ…全然分からない…
僕は少しの間を開けてから話し始めることにした。
「ご、こめん真城さん。よく分からなかったんだけど、僕は真城さんと水族館に来れて楽しいよ」
無理やりだが、楽しいアピールをする。
真城さんが何に謝っているのか分からなかったから、とりあえず楽しいと言ってあげなければいけない気がしたのだ。
「ありがとう…そう言ってくれて嬉しい」
僕の言葉で真城さんは笑顔になった。さっきまでは顔をふせていて、僕の顔を見づらそうしていた。
でも今は嬉しそうな顔をして、僕の目を見て話してくれている。今なら、聞いても答えてくれそうな、そんな気がしていた。
「それで何で突然謝ってきたの?」
と僕は先程から聞きたかったことを聞いた。
こうして聞いたのはこれを聞かなければ、このデートを何も楽しめなくなってしまうと思ったからだ。
すると真城さんも話してくれる気になったようで、話し始めた。
「それはですね…私が誘ったのに、自分だけ水族館を楽しんでいたから…それを謝りたくて」
と真城さんは言った。どうもそれで罪悪感が生まれてしまっているらしい。でも、これは笑えるくらいどうでもよかった。なぜなら、僕は真城さんが楽しんでいた間、僕も楽しんでいたからだ。別に何か話したりしていたわけではないけれど、2人で並んで歩くだけで良かったからだ。だから、僕はそんなことを気にして謝ってきた真城さんに笑えてきた。
「ふふふ、ニャははは!!!」
と僕が笑うと
「え、キモ!」
真城さんはドン引きしていた。
しかし、それは何かの聞き間違いだと思った。だって真城さんがそんなことを言うわけないからだ。
だから僕は聞き返した。
「え!?」
「何でもない…」
真城さんから帰ってきた答えは僕の聞き間違いを肯定でもしそうな発言だった。
聞かなかったことにしよう…
僕は咳払いをして先ほどのくだりがなかったことにした。
「そんなことを気にしなくていいよ! 僕は真城さんと一緒に水族館に来れて楽しいから」
「そうなの? なら…」
「?」
真城さんが続けて言おうとした時、その先何を言おうとしたのか分かってしまった。
ぐううう……
それは、お腹がすいた合図だった。それも僕に聞こえるほどの大きなものだった。
「真城さん?」
と僕が話しかけると…
「くぅううう……」
何かうめき声を上げていた。どうやら恥ずかしかったらしい。真城さんの耳は先まで真っ赤に染まっていた。
「それじゃあ、行こうか!」
僕は真城さんの返事も聞かずに手を取って歩き始めた。
真城さんは戸惑っていた。
「ど、どこへ?」
と真城さんが聞いてきた。
それは決まってるだろ!
僕は心の中でそう思いながら真城さんに
「ご飯だよ!」
と言ってそのままレストラン街に向かった。
真城さんもその後は何も言わずに僕のあとを付いてきた。
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