3 / 23
3.家族の思惑
しおりを挟む
翌朝早く、アデレイドが厨房へやってくる。
「ハイジ、いる?」
ピエールは、ウルリヒやギーゼラと一緒に侯爵夫妻の食事の給仕をしに食堂へ行っていて、厨房にはハイジしかいない。召使いたちが食事した後の片付けをしていたハイジは、アデレイドの着ている制服を見て表情がこわばる。
(ソーンダーズ学院の制服!)
貴族が多く通う名門のソーンダーズ学院は、私立の中でも特に評判がいい。制服が可愛いので、ハイジの小学校でも、あこがれている子が多かった。
アデレイドは、ハイジの髪が、きちんと整えられているのを見て、ほっと安堵のため息をつく。
「綺麗に揃えてもらっていてよかったわ。大丈夫だった?」
昨日、ギーゼラが無残になった髪をショートカットにしてくれたのだが、ハイジは、無理やり切られた恐怖を忘れていない。アデレイドとの格差に対しても、双子だと知らなければ気に掛けなかったが、知ってしまった今では、彼女にどういう態度を取っていいのかわからない。後片付けを終えたハイジは、黙ってアデレイドを見つめた。
「昨日、おばあ様に聞いてびっくりしたわ。私たち双子だったのね」
アデレイドは構わず話しかけてくる。
「領地でどういういわれがあっても、ここは王都よ。双子だって気にしない人はいっぱいいるわ。私、お父様が来られたら話してみるわ。ハイジと姉妹として暮らしたいって」
「……お父様? いつ来られるの?」
遠い領地にいるという父親が、来るときがあるのだろうかと思って聞いてみると、アデレイドはハイジがやっと口を開いたことに喜ぶ。
「毎年社交シーズンにいらっしゃるから、あとひと月くらいかしら」
彼女の明るい声に、ハイジは愕然とした。
「お父様なら、何とかしてくださると思うわ」
何も知らずに無邪気に言うアデレイドが滑稽に思え、ハイジはくすくすと笑いだす。
「どうしたの? ハイジ?」
不思議そうな顔をして首を傾げるアデレイドに、ハイジは教えてやる。
「あんたはお父様に毎年会っているかもしれないけど、私は今まで一度もあったことがないわよ」
「え?」
「どうやら、お父様とやらは、私とあんたを姉妹にする気なんかないようね」
社交シーズンごとに王都の屋敷にきているのに、顔を見にこようともしないのは、やはり父親はハイジのことを娘だと思っていないということだ。
アデレイドは顔色を変え、ハイジの目には涙が浮かぶ。
「あんたが言って、どうにかなることなら、私は親の顔を知らずにはいないわ!」
ハイジはそばに置いてあった、教科書の入っている鞄を掴むと、アデレイドを突き飛ばすようにして厨房の裏口から出た。
涙を堪えて、そのまま学校へ向かう。
ギーゼラから、父親は出産に立ち会っていたと聞いたし、ハイジの存在を知っているはずだ。それなのに、名前を付けてもらえなかったと聞いて、もしかしたらと思っていた。祖父母だけではない。実の父親すら、ハイジを忌み嫌っているのだろう。
双子だというだけで家族の一員にしてもらえない。そう思うと、ハイジの胸は張り裂けそうだった。
学校へついて、ハイジの髪を見たクラスメートは、びっくりした顔をするだけで何も言わない。
親しい友人など一人もいないから、遠巻きにひそひそと噂するだけで、声を掛けてくるものは誰もいなかった。
それからもアデレイドは何度も厨房にやってくるが、ハイジはそっけない態度を取る。
手入れの行き届いた長い金髪や、毎日違う豪華なドレスを着ている彼女を見るたびに思ってしまう。
(たった五分の違いで、なんで私がこんな目にあわなくてはいけないの?)
二度と髪を伸ばしてはいけないと言われ、ハイジの着る服が相変わらず誰かのお古ばかりなのは、アデレイドのせいではない。それでも、ハイジは”アデレイドさえいなければ”と思ってしまう。アデレイドが悪いわけではないと十二分にわかっていても妬ましく思う気持ちが膨れ上がり、そんな自分の醜い心を自覚したくなくて、ハイジは彼女に近づきたくなかった。
三か月過ぎても、ハイジの境遇は変わらない。アデレイドが父親に言ったとしても、思った通り無視されたのだろう。
「お嬢様、ハイジに会いに来るときは、大旦那様達のお許しをもらってからにして頂けますか?」
あまりにも頻繁にアデレイドが厨房に来るので、召使いたちは侯爵夫妻に怒られたようだ。ピエールがもう裏方には来ないでほしいとアデレイドにお願いしていた。
表情で迷惑だと言っているのを見て取ったのか、アデレイドはそれ以降はハイジに会いに来なくなった。
小学校を卒業して、中学校へ入学するとき、ギーゼラはやはり遠くの学校へ手続きをした。理由を聞くと、フォールコン侯爵家にいるハイジが、アデレイドの双子の姉妹だと周囲にわからないようにするためだといわれた。
空き家が多くても、近所に住む人はいる。遠い学校なら登校のため朝が早いので、人目につきにくい。下校時も、あたりが薄暗くなってから帰ってくるので、アデレイドに似ていることに気づかれにくいそうだ。裏門から出入りしていることもあり、近所の人もあまり注視することはなく、ハイジは使用人の子供と思われているらしい。
「ハイジ。中学校を卒業したら、大旦那様はあなたを一人立ちさせようとお考えですから、身の振り方を考えておきなさい」
申し訳なさそうな顔をしたギーゼラにいわれ、ハイジは、侯爵が自分を追いだしたいのだと分かった。義務教育である中学校までは通わせても、それ以降の面倒は見たくないのだ。
衣食住だけで、お小遣いをもらっていないハイジは、中学校を卒業すれば一人で生活するために働かなくてはいけない。
彼女は学校での勉強を頑張って、就職先を探すことにした。
だが、昨今は大学を卒業してから働くものが多く、どの職種でも学力のある優秀者を優先的に雇う。義務教育だけの知識では、働ける職種は限られていて給料も安かった。
(せめて、高校に行けたら……)
学校での成績は悪くないので、ハイジは奨学金制度を利用して進学しようと考えたのだが、授業料が有償になる高校や専門学校を受験するには、保護者か身元を保証する保証人が必要だった。
保護者である侯爵家はハイジと縁を切りたがっているし、召使いたちは侯爵夫妻に逆らえば職を失ってしまうので、保証人になってくれそうにない。
就職先も決まらず、無一文で追い出されると思って悩んでいると、アデレイドが久しぶりにやって来た。
「ハイジ、もうすぐ卒業式ね」
相変わらず華やかなドレスを着ているアデレイドは、侯爵の許可をもらってきているらしく、ギーゼラが控えるように後ろについてきていた。
「何の御用ですか? お嬢様」
ハイジが召使いのような口を聞くと、彼女は眉を顰める。
「どうしたの? ずいぶんとよそよそしいわね」
「そうですか? 私はお嬢様とは違いますから、当然じゃないですか?」
アデレイドとの境遇があまりに違うので、双子の姉妹だと思うと、ハイジは彼女を憎んでしまう。自分の心の中の闇を鎮めるためにも、ハイジは彼女を”赤の他人のお嬢様だ”と思うことにしたのだ。
「私とは違う……。そうだったわね」
小さく息を吐いた後、アデレイドがにっこり笑う。
「だったら話が早いかも。中学を卒業したら、あなたは私専属のメイドになるのよ」
彼女の笑顔が、狡猾そうに変化した。
「え?」
どういうことだろうと、ギーゼラを見ると、彼女は意気揚々と話す。
「喜びなさい、ハイジ。大旦那様は、未成年で一人立ちさせるのは可哀想だから、成人するまでお屋敷においてくださるんですって」
この国の成人は二十歳だ。中学校を卒業したら出ていくことを考えれば、五年も猶予をもらえて感謝するべきことなのだろう。
けれどハイジは、いずれ追い出されることに変わりはないと、醒めた目でギーゼラを見た。
「庭の奥に、長年放置されていた庭師の家があるでしょう。大旦那様が、その家をアデレイド様の勉強部屋に改装されるそうなの。それで、そこをハイジが管理して毎日掃除すれば、お給料をあげるとおっしゃっているのよ」
ギーゼラは、「あなたに仕事とお金を与える侯爵様はなんて慈悲深い方なんでしょう」といい、ハイジの心情を全く理解していないようだ。
アデレイドがもらう庭師の家は、平屋だが一通りの生活設備が整っていて、一般的な家族が暮らすのに十分な広さがあった。昔は常駐していた庭師も、今は業者が定期的に来るだけになっている。
住むところを追われそうになっているハイジとは反対に、アデレイドは庭にある離れの家をプレゼントされるのだ。
(なんて違い……!)
ハイジは、改めて双子の因習と五分の差を痛感する。
アデレイドとは姉妹だというのに、ハイジは専属メイドとして働き、彼女に傅かなければいけない。
嫌だと思っても、お金も持たず行くところがないハイジには断れなかった。
「ハイジ、いる?」
ピエールは、ウルリヒやギーゼラと一緒に侯爵夫妻の食事の給仕をしに食堂へ行っていて、厨房にはハイジしかいない。召使いたちが食事した後の片付けをしていたハイジは、アデレイドの着ている制服を見て表情がこわばる。
(ソーンダーズ学院の制服!)
貴族が多く通う名門のソーンダーズ学院は、私立の中でも特に評判がいい。制服が可愛いので、ハイジの小学校でも、あこがれている子が多かった。
アデレイドは、ハイジの髪が、きちんと整えられているのを見て、ほっと安堵のため息をつく。
「綺麗に揃えてもらっていてよかったわ。大丈夫だった?」
昨日、ギーゼラが無残になった髪をショートカットにしてくれたのだが、ハイジは、無理やり切られた恐怖を忘れていない。アデレイドとの格差に対しても、双子だと知らなければ気に掛けなかったが、知ってしまった今では、彼女にどういう態度を取っていいのかわからない。後片付けを終えたハイジは、黙ってアデレイドを見つめた。
「昨日、おばあ様に聞いてびっくりしたわ。私たち双子だったのね」
アデレイドは構わず話しかけてくる。
「領地でどういういわれがあっても、ここは王都よ。双子だって気にしない人はいっぱいいるわ。私、お父様が来られたら話してみるわ。ハイジと姉妹として暮らしたいって」
「……お父様? いつ来られるの?」
遠い領地にいるという父親が、来るときがあるのだろうかと思って聞いてみると、アデレイドはハイジがやっと口を開いたことに喜ぶ。
「毎年社交シーズンにいらっしゃるから、あとひと月くらいかしら」
彼女の明るい声に、ハイジは愕然とした。
「お父様なら、何とかしてくださると思うわ」
何も知らずに無邪気に言うアデレイドが滑稽に思え、ハイジはくすくすと笑いだす。
「どうしたの? ハイジ?」
不思議そうな顔をして首を傾げるアデレイドに、ハイジは教えてやる。
「あんたはお父様に毎年会っているかもしれないけど、私は今まで一度もあったことがないわよ」
「え?」
「どうやら、お父様とやらは、私とあんたを姉妹にする気なんかないようね」
社交シーズンごとに王都の屋敷にきているのに、顔を見にこようともしないのは、やはり父親はハイジのことを娘だと思っていないということだ。
アデレイドは顔色を変え、ハイジの目には涙が浮かぶ。
「あんたが言って、どうにかなることなら、私は親の顔を知らずにはいないわ!」
ハイジはそばに置いてあった、教科書の入っている鞄を掴むと、アデレイドを突き飛ばすようにして厨房の裏口から出た。
涙を堪えて、そのまま学校へ向かう。
ギーゼラから、父親は出産に立ち会っていたと聞いたし、ハイジの存在を知っているはずだ。それなのに、名前を付けてもらえなかったと聞いて、もしかしたらと思っていた。祖父母だけではない。実の父親すら、ハイジを忌み嫌っているのだろう。
双子だというだけで家族の一員にしてもらえない。そう思うと、ハイジの胸は張り裂けそうだった。
学校へついて、ハイジの髪を見たクラスメートは、びっくりした顔をするだけで何も言わない。
親しい友人など一人もいないから、遠巻きにひそひそと噂するだけで、声を掛けてくるものは誰もいなかった。
それからもアデレイドは何度も厨房にやってくるが、ハイジはそっけない態度を取る。
手入れの行き届いた長い金髪や、毎日違う豪華なドレスを着ている彼女を見るたびに思ってしまう。
(たった五分の違いで、なんで私がこんな目にあわなくてはいけないの?)
二度と髪を伸ばしてはいけないと言われ、ハイジの着る服が相変わらず誰かのお古ばかりなのは、アデレイドのせいではない。それでも、ハイジは”アデレイドさえいなければ”と思ってしまう。アデレイドが悪いわけではないと十二分にわかっていても妬ましく思う気持ちが膨れ上がり、そんな自分の醜い心を自覚したくなくて、ハイジは彼女に近づきたくなかった。
三か月過ぎても、ハイジの境遇は変わらない。アデレイドが父親に言ったとしても、思った通り無視されたのだろう。
「お嬢様、ハイジに会いに来るときは、大旦那様達のお許しをもらってからにして頂けますか?」
あまりにも頻繁にアデレイドが厨房に来るので、召使いたちは侯爵夫妻に怒られたようだ。ピエールがもう裏方には来ないでほしいとアデレイドにお願いしていた。
表情で迷惑だと言っているのを見て取ったのか、アデレイドはそれ以降はハイジに会いに来なくなった。
小学校を卒業して、中学校へ入学するとき、ギーゼラはやはり遠くの学校へ手続きをした。理由を聞くと、フォールコン侯爵家にいるハイジが、アデレイドの双子の姉妹だと周囲にわからないようにするためだといわれた。
空き家が多くても、近所に住む人はいる。遠い学校なら登校のため朝が早いので、人目につきにくい。下校時も、あたりが薄暗くなってから帰ってくるので、アデレイドに似ていることに気づかれにくいそうだ。裏門から出入りしていることもあり、近所の人もあまり注視することはなく、ハイジは使用人の子供と思われているらしい。
「ハイジ。中学校を卒業したら、大旦那様はあなたを一人立ちさせようとお考えですから、身の振り方を考えておきなさい」
申し訳なさそうな顔をしたギーゼラにいわれ、ハイジは、侯爵が自分を追いだしたいのだと分かった。義務教育である中学校までは通わせても、それ以降の面倒は見たくないのだ。
衣食住だけで、お小遣いをもらっていないハイジは、中学校を卒業すれば一人で生活するために働かなくてはいけない。
彼女は学校での勉強を頑張って、就職先を探すことにした。
だが、昨今は大学を卒業してから働くものが多く、どの職種でも学力のある優秀者を優先的に雇う。義務教育だけの知識では、働ける職種は限られていて給料も安かった。
(せめて、高校に行けたら……)
学校での成績は悪くないので、ハイジは奨学金制度を利用して進学しようと考えたのだが、授業料が有償になる高校や専門学校を受験するには、保護者か身元を保証する保証人が必要だった。
保護者である侯爵家はハイジと縁を切りたがっているし、召使いたちは侯爵夫妻に逆らえば職を失ってしまうので、保証人になってくれそうにない。
就職先も決まらず、無一文で追い出されると思って悩んでいると、アデレイドが久しぶりにやって来た。
「ハイジ、もうすぐ卒業式ね」
相変わらず華やかなドレスを着ているアデレイドは、侯爵の許可をもらってきているらしく、ギーゼラが控えるように後ろについてきていた。
「何の御用ですか? お嬢様」
ハイジが召使いのような口を聞くと、彼女は眉を顰める。
「どうしたの? ずいぶんとよそよそしいわね」
「そうですか? 私はお嬢様とは違いますから、当然じゃないですか?」
アデレイドとの境遇があまりに違うので、双子の姉妹だと思うと、ハイジは彼女を憎んでしまう。自分の心の中の闇を鎮めるためにも、ハイジは彼女を”赤の他人のお嬢様だ”と思うことにしたのだ。
「私とは違う……。そうだったわね」
小さく息を吐いた後、アデレイドがにっこり笑う。
「だったら話が早いかも。中学を卒業したら、あなたは私専属のメイドになるのよ」
彼女の笑顔が、狡猾そうに変化した。
「え?」
どういうことだろうと、ギーゼラを見ると、彼女は意気揚々と話す。
「喜びなさい、ハイジ。大旦那様は、未成年で一人立ちさせるのは可哀想だから、成人するまでお屋敷においてくださるんですって」
この国の成人は二十歳だ。中学校を卒業したら出ていくことを考えれば、五年も猶予をもらえて感謝するべきことなのだろう。
けれどハイジは、いずれ追い出されることに変わりはないと、醒めた目でギーゼラを見た。
「庭の奥に、長年放置されていた庭師の家があるでしょう。大旦那様が、その家をアデレイド様の勉強部屋に改装されるそうなの。それで、そこをハイジが管理して毎日掃除すれば、お給料をあげるとおっしゃっているのよ」
ギーゼラは、「あなたに仕事とお金を与える侯爵様はなんて慈悲深い方なんでしょう」といい、ハイジの心情を全く理解していないようだ。
アデレイドがもらう庭師の家は、平屋だが一通りの生活設備が整っていて、一般的な家族が暮らすのに十分な広さがあった。昔は常駐していた庭師も、今は業者が定期的に来るだけになっている。
住むところを追われそうになっているハイジとは反対に、アデレイドは庭にある離れの家をプレゼントされるのだ。
(なんて違い……!)
ハイジは、改めて双子の因習と五分の差を痛感する。
アデレイドとは姉妹だというのに、ハイジは専属メイドとして働き、彼女に傅かなければいけない。
嫌だと思っても、お金も持たず行くところがないハイジには断れなかった。
0
あなたにおすすめの小説
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
片想い婚〜今日、姉の婚約者と結婚します〜
橘しづき
恋愛
姉には幼い頃から婚約者がいた。両家が決めた相手だった。お互いの家の繁栄のための結婚だという。
私はその彼に、幼い頃からずっと恋心を抱いていた。叶わぬ恋に辟易し、秘めた想いは誰に言わず、二人の結婚式にのぞんだ。
だが当日、姉は結婚式に来なかった。 パニックに陥る両親たち、悲しげな愛しい人。そこで自分の口から声が出た。
「私が……蒼一さんと結婚します」
姉の身代わりに結婚した咲良。好きな人と夫婦になれるも、心も体も通じ合えない片想い。
【完結】指先が触れる距離
山田森湖
恋愛
オフィスの隣の席に座る彼女、田中美咲。
必要最低限の会話しか交わさない同僚――そのはずなのに、いつしか彼女の小さな仕草や変化に心を奪われていく。
「おはようございます」の一言、資料を受け渡すときの指先の触れ合い、ふと香るシャンプーの匂い……。
手を伸ばせば届く距離なのに、簡単には踏み込めない関係。
近いようで遠い「隣の席」から始まる、ささやかで切ないオフィスラブストーリー。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる