僕の兄は◯◯です。

一章

栄枯転変

　兄上が兄から先輩にジョブチェンし、勘違い乙な因縁をつけられてから数日。


「おい、そこのダサ眼鏡！」


神様は僕が相当、お嫌いなようだ。


廊下先からズカズカと此方にやってくる先輩(以下略)の緑頭に、軽く舌打ちした。


もう少しでお待ちかねのウッキウキ移動授業(絵画)だってのに、タイミング悪いな。禿げろ。毛根から。


「俺、先に行ってるアル。ちばれ」


「逃がすとおも、って速っ！？　もう居ないだど！！」


僕の下半身はどうやら緑頭を視界に入れた途端、危険を察知したらしい。爽やかな笑顔で手を振り、歩き(早足)去ってった。


鬼ぃ～卑怯者ぉ～！！　貴方をそんな風に育てた覚えはないわよ！


…まぁ、僕も親友がアレだったら実際そうするんですけど。


仮にも緑頭はアイドル。クリエイティブ科と普通科は同じ学舎なので、奴が登場した途端、出待ちしていたファン並に廊下がとても騒がしくなる。


うるさいよ。マジでうるさい。どうしよう。…あ、五七五出来た。


因みにアイドル科はゴシップがどうのこうので、色々な危険を按(ｱﾝ)じて別館にあるよ。あからさまな特別待遇だね、世知辛い世の中だわぁ…。