僕の兄は◯◯です。

一章

吐故納新

　平凡な男子高校生としては、いろんな意味で波瀾万丈な出来事を体験してきた…ような気がする春から鬱陶しい梅雨を越え（モジャ、もとい冬の虐め関係に進展は特になく）季節はようやっと夏を迎えた。


兄ハーレム集団が、アイドル科の授業の一環として定期的に行なう体育館でのミニライブでグループを組み、公衆の面前で愛を歌った（文字通り）事以外、特に面白いイベントもなく平和的な日常を深く、それは深く味わっていた７月のとある日…事件は起きた。



「宿泊学習だと…！？」



至って代わり映えしない教室内がいつもより騒がしいのを横に、僕は手もとにあるA4サイズのプリントを握り潰した。


宿泊学習……それは人見知り、内気、ボッチにとって、友達が居ないと言う現実を改めて思い知らせるという鬼畜かつツラい学校行事。大して仲良くない奴等（クラスメイト）と協力スポーツレクを満喫し、大部屋に一クラス全員が寝泊まりする仕様だそうで、クラス内に友達が居なければ……ひたすらの孤独（恐怖）が待っている。


広太と山形君以外、孤高を愛するが故に友達の居ない僕にとって精神的にかなりキツい行事である。モジャ？あいつ友達だったか？（すっとぼけ）