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37. カロリナ、林檎を食べておねだりする。
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がぶり。
美味しそうな匂いには誘われて齧りつく。
七色に光っていた林檎は美味しい!
絶妙な歯ごたえ、口の中でとろけて消えてゆくさっぱり感じが素晴らしい。
物凄く甘いのに絶妙なすっぱさが余韻を楽しめる。
そんな食材は存在しない。
でも、ここに存在する。
口が止まらない。
「あ~~~、美味しかった」
「もう食べたのですか?」
「あまりの美味しさに我を忘れてしまったわ。できれば、もう1つありません」
「それを保管すると!」
「いいえ、みんなに食べさせて上げたいのよ」
「ただ、食べさせる?」
「もちろんよ。一人で味わうよりみんなで味わった方が楽しいじゃない」
「ははは、そんな事を言った人ははじめてです。この実は不老と再生の実と知っても同じことを言いますか?」
「不老と再生?」
「不老と言っても寿命が延びる訳ではありません。いつまでも若々しく保てるだけです。貴方の年なら寿命は縮むかもしれません」
「へぇ~、そうなの?」
「寿命が短くなったのよ」
「美味しかったから許すわ」
「許すわって!」
「再生って何?」
「死者を蘇えさせる命の実です。世界樹の葉と同じ効果があります」
「へぇ~、おもしろいのね」
「あまり興味はないようですね」
「そんなことはないわ。こんなにおいしいのですもの。沢山欲しいわ」
「それを売るつもりですね」
「もちろんよ。美味しい物はみんなで楽しむのが一番ですもの!」
世界樹としてのアイテムとして興味のないカロリナに呆れた。
世界樹の葉は死んだ直後なら蘇らせることができる伝説のアイテムだ。
しかも林檎は10等分でき、使った瞬間から生命の寿命がリセットさせる。
だが、20歳も満たない場合は不老効果で寿命が短くなる。
「私達、妖精族で食べる者はいません」
「こんなにおいしいのにどうして?」
「私達の寿命は1,000年から2,000年です。余りに長い時間を生きると無気力になり、早く大地に帰りたいと願うようになります。我が父も1,500年で統治に飽きて私に譲りました。寿命が延びても無為な時間が増えるだけなのです」
「ふ~ん、そういうものですか? おいしいのに!」
「そういうものです。それでも皆に食させることを望みますか?」
「もちろんよ。こんなに美味しいのよ。美味しいものはみんなで分け合わないと」
カロリナはにっこりと微笑み返した。
タダ食べたい為に欲しいと言って人間ははじめてであった。
ははは、妖精族の女は笑った。
飽きれを通り越した。
林檎を沢山欲して者はいたが、そんな理由で欲した者はいなかった。
あまり大きな笑い声にカロリナは耳が壊れるかと思ったくらいだ。
「貴方に決めた! その願いを叶えよう」
「本当に!」
「但し、私の願いを叶えてくれたらね」
「命と交換とは駄目よ」
「悪魔であるまいし、そこまで無茶は言わないさ。多少、苦労するだろうががんばってくれ!」
そう言うと女の姿が薄れてゆく。
まだ、林檎を受け取っていない。
「ちょっと、林檎は! 何をすればいいの?」
「時期に判るさ」
そう言い残すと消えてゆき、霧も晴れてカロリナの目の前にオレンジの木が広がっていた。
夢ということはなさそうね!
カロリナの手に七色の林檎の食べカスが残っている。
「カロリナ様、どこに行かれていたのですか?」
「さぁ、どこかしら?」
「お嬢様、お探しました」
オルガがぎゅと抱きしめる。
後ろからエルと影達が謝った。
時間にすると、ホンのわずかなことだった。
屋敷に戻るとお説教が待っており、その後にラファウが検証を報告した。
「確かに、これは普通の林檎ではありません。この匂いからしてそうです。残念ながら、すでに色褪せてしまいました」
林檎の食べカスの芯は検証している間に変色して無残な形に溶けて崩れていた。
腐るのではなく、存在が崩れたようになっていた。
「大変なことです。七色の林檎ですか!」
「おい、どういうことだ?」
「ルドヴィク、お前はこれを何か知らないのか? 不老不死、再生の実だぞ! SSSの国宝だ」
それを聞いたカロリナが焦った。
すでに食べた後だった。
国宝って、金貨10万枚は下らない。
SSSってことは金貨1000万枚相当だ。
拙い!
訂正しなければいけない。
「ラファウ、その認識は間違っています。これをくれた人は『不死』とは言っていません。むしろ、私の寿命は短くなったと言っていました」
「カロリナ様、大丈夫なのですか!」
「お嬢様!」
「カロリナ様」
「本当ですか? 詳しく教えて下さい」
そう言われても困った。
教えて貰った以上のことは知らない。
「なるほど、若々しさを得る対価という訳ですな!」
「ラファウ、判るように説明しろ! カロリナ様、寿命が短くなったとはどういうことだ?」
「安心しろ! 今すぐではない。短くなったと言っても数日か。1年程度のことだ」
嘘であった。
本当の代償は判らないが、20年以下というのは推測できた。
だが、最大20年などと言えば、ルドヴィクらがその妖精を探して暴れ兼ねない。
半分などという事はない。
「カロリナ様は平気なのですか?」
「あれはそれだけの価値がありました。(きのこを食べる)冒険をするのに死の危険を取り除けません。それでは新しい物は見つかりません」
「確かに、死を怖がって冒険はできません。愚問でございました」
やはりカロリナ様は聡明なお方だ。
本質を判っておられる。
ラファウは改めてカロリナの評価を引き上げた。
メーターが振り切れ!
信仰は狂信の域に入っていた。
愛は盲目という。
カロリナ様に足りないのは知識のみ、その知識の壺にならんとラファウは心に誓った。
ルドヴィクが所属するカロリナ親衛隊のメンバーはカロリナが聡明だと信じて疑わない。
そこにラファウの説明が入ると、信仰が理論武装されて『鋼鉄の狂信』へと進化していた。
カロリナは教祖であり、絶対神をして崇めていた。
「ラファウ、カロリナ様は何故、我らにもその林檎を所望されたのだ!」
「よく考えろ。肉体のピークは20代。技能のピークは30代と言われる。40代に入ると肉体の衰えと戦うことになる。これはどのような達人でも言える。ゆえに、様々な技を磨かれておられる」
「その通りだ! レベルが上がって基礎値が上がているが、肉体の衰えがなければ、どれほどの極みに達していたか判らない」
「まさにそこだ。あの林檎を食べることにより、お前はその肉体の衰えと戦うことから解放される。死の瞬間まで技を追及できる肉体を手に入れる。素晴らしいと思わないか!」
「なるほど!」
「達人が見えなかった極みが見えるかもしれん」
「おぉぉ、なんという温情。カロリナ様の御心を受け取りましたぞ」
なんの話?
カロリナはそんなことをこれっぽっちも考えていない。
美味しいものを美味しく食べる。
タダ、それだけであった。
ラファウは思う。
王都ミスホラに行けば、すべてが判るだろう。
何故なら、王都ミスホラと呼ばれる前はキル・ブリージャと呼ばれていた。
あの死体を埋めたキル・ブリージャだ。
初代王タイグ・ミスホラは死体をこの地に埋めたことで妖精王から土地を貰い、王国が生まれた。
「カロリナ様の話を聞いて、この国の謎が1つ解けました」
「この国の謎ですか?」
「はい。この国では王族に連なる者でなければ、この大地に何を植えても育たないのです。しかし、王家の者が植えると立派に育ち、小麦や芋、野菜が取れ、木々も育って緑溢れる王国に生まれ変わった。しかし、外の者が手伝うとすぐに枯れてしまう。この不思議な国。妖精の国と呼ばれる由縁でございます」
「王家の者しか耕せないという謎ですか?」
「そうです。あの逸話は本当のことであり、その死体は妖精の死体だったのでしょう。王家と妖精王の盟約によって実りが約束された」
「それが謎だったのですか?」
「違います。カロリナ様が最初に言われたではありませんか。初代王タイグ・ミスホラは死体をキル・ブリージャに埋めた。つまり、妖精王の妹を娶った。その妹は義理の妹で普通の人間かもしれませんが、妖精王が妹と呼ぶ者を娶ったことでその子孫の繁栄が約束されたのです」
「おぉ~、なるほど。そういうことですか!」
王家の子孫は妖精王の加護を貰っている。
この国は王族に連なる者しか住めない。
しかも通貨が存在しないので、貴族が貴族として振る舞えない。
よそ者は猟人や鍛冶屋などの技術職しかなれない。
貴族が庶民に落ちる国。
今でも政争に敗れた貴族の駆け込み教会のように大切に扱われていた。
「私も掃除や料理を手伝えとか言うのですか?」
「カロリナ様は亡命してきた訳ではありませんから、その必要はございません」
「よかったわ!」
カロリナは食べるオンリー。
服や料理を自分で作りたい訳ではない。
どこまでも貴族だった。
美味しそうな匂いには誘われて齧りつく。
七色に光っていた林檎は美味しい!
絶妙な歯ごたえ、口の中でとろけて消えてゆくさっぱり感じが素晴らしい。
物凄く甘いのに絶妙なすっぱさが余韻を楽しめる。
そんな食材は存在しない。
でも、ここに存在する。
口が止まらない。
「あ~~~、美味しかった」
「もう食べたのですか?」
「あまりの美味しさに我を忘れてしまったわ。できれば、もう1つありません」
「それを保管すると!」
「いいえ、みんなに食べさせて上げたいのよ」
「ただ、食べさせる?」
「もちろんよ。一人で味わうよりみんなで味わった方が楽しいじゃない」
「ははは、そんな事を言った人ははじめてです。この実は不老と再生の実と知っても同じことを言いますか?」
「不老と再生?」
「不老と言っても寿命が延びる訳ではありません。いつまでも若々しく保てるだけです。貴方の年なら寿命は縮むかもしれません」
「へぇ~、そうなの?」
「寿命が短くなったのよ」
「美味しかったから許すわ」
「許すわって!」
「再生って何?」
「死者を蘇えさせる命の実です。世界樹の葉と同じ効果があります」
「へぇ~、おもしろいのね」
「あまり興味はないようですね」
「そんなことはないわ。こんなにおいしいのですもの。沢山欲しいわ」
「それを売るつもりですね」
「もちろんよ。美味しい物はみんなで楽しむのが一番ですもの!」
世界樹としてのアイテムとして興味のないカロリナに呆れた。
世界樹の葉は死んだ直後なら蘇らせることができる伝説のアイテムだ。
しかも林檎は10等分でき、使った瞬間から生命の寿命がリセットさせる。
だが、20歳も満たない場合は不老効果で寿命が短くなる。
「私達、妖精族で食べる者はいません」
「こんなにおいしいのにどうして?」
「私達の寿命は1,000年から2,000年です。余りに長い時間を生きると無気力になり、早く大地に帰りたいと願うようになります。我が父も1,500年で統治に飽きて私に譲りました。寿命が延びても無為な時間が増えるだけなのです」
「ふ~ん、そういうものですか? おいしいのに!」
「そういうものです。それでも皆に食させることを望みますか?」
「もちろんよ。こんなに美味しいのよ。美味しいものはみんなで分け合わないと」
カロリナはにっこりと微笑み返した。
タダ食べたい為に欲しいと言って人間ははじめてであった。
ははは、妖精族の女は笑った。
飽きれを通り越した。
林檎を沢山欲して者はいたが、そんな理由で欲した者はいなかった。
あまり大きな笑い声にカロリナは耳が壊れるかと思ったくらいだ。
「貴方に決めた! その願いを叶えよう」
「本当に!」
「但し、私の願いを叶えてくれたらね」
「命と交換とは駄目よ」
「悪魔であるまいし、そこまで無茶は言わないさ。多少、苦労するだろうががんばってくれ!」
そう言うと女の姿が薄れてゆく。
まだ、林檎を受け取っていない。
「ちょっと、林檎は! 何をすればいいの?」
「時期に判るさ」
そう言い残すと消えてゆき、霧も晴れてカロリナの目の前にオレンジの木が広がっていた。
夢ということはなさそうね!
カロリナの手に七色の林檎の食べカスが残っている。
「カロリナ様、どこに行かれていたのですか?」
「さぁ、どこかしら?」
「お嬢様、お探しました」
オルガがぎゅと抱きしめる。
後ろからエルと影達が謝った。
時間にすると、ホンのわずかなことだった。
屋敷に戻るとお説教が待っており、その後にラファウが検証を報告した。
「確かに、これは普通の林檎ではありません。この匂いからしてそうです。残念ながら、すでに色褪せてしまいました」
林檎の食べカスの芯は検証している間に変色して無残な形に溶けて崩れていた。
腐るのではなく、存在が崩れたようになっていた。
「大変なことです。七色の林檎ですか!」
「おい、どういうことだ?」
「ルドヴィク、お前はこれを何か知らないのか? 不老不死、再生の実だぞ! SSSの国宝だ」
それを聞いたカロリナが焦った。
すでに食べた後だった。
国宝って、金貨10万枚は下らない。
SSSってことは金貨1000万枚相当だ。
拙い!
訂正しなければいけない。
「ラファウ、その認識は間違っています。これをくれた人は『不死』とは言っていません。むしろ、私の寿命は短くなったと言っていました」
「カロリナ様、大丈夫なのですか!」
「お嬢様!」
「カロリナ様」
「本当ですか? 詳しく教えて下さい」
そう言われても困った。
教えて貰った以上のことは知らない。
「なるほど、若々しさを得る対価という訳ですな!」
「ラファウ、判るように説明しろ! カロリナ様、寿命が短くなったとはどういうことだ?」
「安心しろ! 今すぐではない。短くなったと言っても数日か。1年程度のことだ」
嘘であった。
本当の代償は判らないが、20年以下というのは推測できた。
だが、最大20年などと言えば、ルドヴィクらがその妖精を探して暴れ兼ねない。
半分などという事はない。
「カロリナ様は平気なのですか?」
「あれはそれだけの価値がありました。(きのこを食べる)冒険をするのに死の危険を取り除けません。それでは新しい物は見つかりません」
「確かに、死を怖がって冒険はできません。愚問でございました」
やはりカロリナ様は聡明なお方だ。
本質を判っておられる。
ラファウは改めてカロリナの評価を引き上げた。
メーターが振り切れ!
信仰は狂信の域に入っていた。
愛は盲目という。
カロリナ様に足りないのは知識のみ、その知識の壺にならんとラファウは心に誓った。
ルドヴィクが所属するカロリナ親衛隊のメンバーはカロリナが聡明だと信じて疑わない。
そこにラファウの説明が入ると、信仰が理論武装されて『鋼鉄の狂信』へと進化していた。
カロリナは教祖であり、絶対神をして崇めていた。
「ラファウ、カロリナ様は何故、我らにもその林檎を所望されたのだ!」
「よく考えろ。肉体のピークは20代。技能のピークは30代と言われる。40代に入ると肉体の衰えと戦うことになる。これはどのような達人でも言える。ゆえに、様々な技を磨かれておられる」
「その通りだ! レベルが上がって基礎値が上がているが、肉体の衰えがなければ、どれほどの極みに達していたか判らない」
「まさにそこだ。あの林檎を食べることにより、お前はその肉体の衰えと戦うことから解放される。死の瞬間まで技を追及できる肉体を手に入れる。素晴らしいと思わないか!」
「なるほど!」
「達人が見えなかった極みが見えるかもしれん」
「おぉぉ、なんという温情。カロリナ様の御心を受け取りましたぞ」
なんの話?
カロリナはそんなことをこれっぽっちも考えていない。
美味しいものを美味しく食べる。
タダ、それだけであった。
ラファウは思う。
王都ミスホラに行けば、すべてが判るだろう。
何故なら、王都ミスホラと呼ばれる前はキル・ブリージャと呼ばれていた。
あの死体を埋めたキル・ブリージャだ。
初代王タイグ・ミスホラは死体をこの地に埋めたことで妖精王から土地を貰い、王国が生まれた。
「カロリナ様の話を聞いて、この国の謎が1つ解けました」
「この国の謎ですか?」
「はい。この国では王族に連なる者でなければ、この大地に何を植えても育たないのです。しかし、王家の者が植えると立派に育ち、小麦や芋、野菜が取れ、木々も育って緑溢れる王国に生まれ変わった。しかし、外の者が手伝うとすぐに枯れてしまう。この不思議な国。妖精の国と呼ばれる由縁でございます」
「王家の者しか耕せないという謎ですか?」
「そうです。あの逸話は本当のことであり、その死体は妖精の死体だったのでしょう。王家と妖精王の盟約によって実りが約束された」
「それが謎だったのですか?」
「違います。カロリナ様が最初に言われたではありませんか。初代王タイグ・ミスホラは死体をキル・ブリージャに埋めた。つまり、妖精王の妹を娶った。その妹は義理の妹で普通の人間かもしれませんが、妖精王が妹と呼ぶ者を娶ったことでその子孫の繁栄が約束されたのです」
「おぉ~、なるほど。そういうことですか!」
王家の子孫は妖精王の加護を貰っている。
この国は王族に連なる者しか住めない。
しかも通貨が存在しないので、貴族が貴族として振る舞えない。
よそ者は猟人や鍛冶屋などの技術職しかなれない。
貴族が庶民に落ちる国。
今でも政争に敗れた貴族の駆け込み教会のように大切に扱われていた。
「私も掃除や料理を手伝えとか言うのですか?」
「カロリナ様は亡命してきた訳ではありませんから、その必要はございません」
「よかったわ!」
カロリナは食べるオンリー。
服や料理を自分で作りたい訳ではない。
どこまでも貴族だった。
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