44 / 103
36. カロリナ、報酬の林檎を貰う。
しおりを挟む
カロリナ達が歩き始めると霧が晴れてきた。
ティンポル・ディムスの村?
同じ山の景色が広がっているが何か違う。
家がボロい。
周りに木々は余り生えていない。
エルもオルガもいない。
死体は村外れの方を指差している。
男は歩くしかないので歩いた。
あの林檎を食べる為には付いて行くしかない。
男は死体を背負いながらずずずと引き摺りながら進んでゆく。
村を出ると小さな丘があり、丘の上に木の柵がある。
柵の中に木の棒がいくつも立っている。
どうやら墓のようだ。
「あと少しです。がんばって下さい」
「あぁ、もう少しだ」
柵の中に入った。
男は死体を置こうとするが、死体が首をロックして放してくれない。
「背負ったままで穴を掘れというのか?」
「そういうことでしょう」
「そこの木の根ものに鍬があるので、あれで掘れというのでしょう」
「お嬢ちゃんも手伝ってくれ!」
「どうして私が?」
「そういう流れだろう」
「嫌です」
「……………」
「早くしないと日が暮れますよ」
「そうか、仕方ない」
男は諦めたのか、鍬を持って地面を掘り始めた。
がっ、がっ、がっ、手慣れたものだ。
少し掘ると、土の方がぼこぼこと盛り上がってくる。
そして、がさっと死体が起き上がった。
“誰だ、眠りを覚ます奴は”
背負っている死体よりドロドロに溶けた死体が起き上がった。
だらりと腕を前にして近づいてくる。
「悪かった。そこに眠っているとは知らなかった」
“恨めしい”
「すぐに元に戻す。だから!?」
男は後に下がる。
ゾンビだ。
触れるだけで嫌な感じがする。
「近づくな!」
後ろにいたカロリナは余裕を持って口の中で高速詠唱を終えて叫ぶ。
『紅蓮の業火よ。燃やし尽くせ! ファイラー』
ぷすぅ、目が点になる。
魔力を消費した感覚はあったが炎が出ない。
この感覚!?
封印されている。
ゾンビが迫ってくる。
さぁさぁさぁとカロリナは戦略的撤退だ。
「お嬢ちゃん、待ってくれ!」
そして、ずずっずと下がって、下がって、下がって、柵に外に出ると死体が元の穴に戻って行き、土の中に消えた。
「助かった」
「どうして?」
「もしかして、木の杭がない場所にも眠っているのでは?」
「おい、恐ろしいことを言うな!」
問題ない。
掘るのは男であって、カロリナではない。
カロリナは柵の外から声援を送ることにした。
男は墓杭のない場所を何度も掘ったが、やはり死体が飛び出してくる。
はっ、はっ、はっ、男は疲れたのか、息を切らし始めた。
「どこを掘ればいいんだ?」
「もしかして、この墓はもう一杯なのかも?」
「埋める所がないというのか」
「判りません。でも、そうじゃないかと思いました」
「嘘だろ。そうだ、墓地の外なら!」
男が鍬を持って柵を出ようとすると、背負っている死体が男の首を絞めつけます。
どうやら、墓地の外は駄目みたいです。
説得できたら!?
女の言っていた意味をカロリナは気づきました。
説得が必要なのは背負っている死体さんの方です。
「がんばって下さい」
「苦しい」
「説得して下さい。死体を説得できれば助かります」
「本当か?」
「おそらく」
「判った。墓地の外に埋めない。だから、腕を緩めてくれ!」
残念。
男の方が死体さんに説得されたようです。
説得は失敗です。
仕方ないので、次の墓地に移動することにします。
村を出るとまた霧が濃くなり、死体さんの指差す方に向かって歩きます。
一体、どれくらい歩いたのでしょう。
キャリハッド・ヴィコルスです。
ごろごろとした岩山を下りてゆくと、向こうに草原の丘が見えてきました。
丘は十六夜月のような形であり、もっと高くなった所が突き出しており、そこに教会が立っています。
男とカロリナは緑の絨毯を上ってゆき、教会に付くと男は入ってきません。
「何をしているのですか?」
「入れないんだ!」
カロリナは易々と入れたのに、男には透明な壁があり、中に入れないと言います。
何度も入ろうとしますが駄目です。
そして、どこから声がします。
“不浄な者は帰れ!”
教会は死体を埋める場所ですから死体が不浄という訳ではありません。
男が不浄なのか、死体の生まれが不浄なのか判りませんが、とにかく入れてくれません。
「仕方ありません。ティンポル・コナンに向かいましょう」
そういうと死体さんが次の場所を指差します。
また、とぼとぼと歩いてゆきます。
丘を下り、谷間を向けて歩いてゆくと開けた場所が見えてきました。
岩がごつごつとした丘です。
近づくと黒いモノが立ち上がり、ぶんぶんと飛んでいます。
丘に入ると、黒いモノが襲ってきます。
“飯だ。それを横せ!”
蠅です。
カロリナは思わず、『ファイラー』と叫びますが、ぷすっと言って炎ができません。
駄目です。
戦略的撤退です。
何故か、男も付いてきます。
墓はこの丘の上ですが、再び近づこうとすると死体さんが男の首を絞めつけます。
どうやら死体さんは蠅に喰われたくないようです。
「仕方ありません。イムログ・ファダに向かいましょう」
辺りはすっかり暗くなっていた。
ライトの魔法は付くようで足元くらいは照らすことができました。
白い霧が晴れてくるとぼんやり次の丘が見えてきます。
丘に入ると。
ぼわぁ、ぼわぁと大人や子供の幽霊が寄ってきた。
“鬼さん、鬼さん、御用ですか?”
“鬼ちゃん、鬼ちゃん、遊びましょう”
“鬼さん、お茶でもどうですか?”
声を聴く度に背筋が凍った。
心臓を掴まれたように冷たくなってゆく。
「お嬢ちゃん」
「…………」
「お嬢ちゃん!?」
カロリナは丘に入った所で足を止めていました。
おかしいと思ったのか、男が戻ろうとすると幽霊が男を引き留めた。
“遊ぼう”
“行っちゃ駄目”
“お菓子も用意しました”
まるで重石を背負ったように引っ張られます。
しかし、丘の出口に近づくほど楽になったのです。
「どうして付いて来ない」
「霊体の中を歩くのは無理ですよ」
「霊体?」
「幽霊のことです。浄化するか、神官の結界を張っていない状態で中に入れば、出て来られなくなりますよ」
ダンジョンでもレイス(霊体)は厄介な敵だ。
物理的な攻撃が利かない。
魔法が使えれば、大した相手ではないのですが、今のカロリナにはどうすることもできません。
「先に言え!」
「おじさんは何か護符でも持っているのかと思いました」
「あるか! それにおじさんじゃない。お兄さんと呼べ!」
「おじさんです」
近づけないのでキル・ブリージャに向かうことにした。
男はかなり疲れていた。
目の下にクマができています。
「妹さんはそんなに素敵な人なのですか?」
「あぁ。そう言えば、そんな理由ではじめたのだったな」
「妹さんは?」
「そんなこともうどうでもいい。早く終わらせたい」
「埋めるのを諦めますか?」
「それは駄目だ」
男は妹のことはどうでもいいようだが、死体は最後まで面倒を見るつもりみたいだ。
夜が明けないことを見ると、まだ1日も立っていないようだが、随分と長く歩いている。
霧が晴れて、次の丘が…………!?
見えて来たのは湖に浮かぶ大きな島であった。
死体は島を指差している。
「どうやって行けと?」
「あの舟を使えませんか?」
「なるほど!」
舟で渡り、島の一番高い所に行ってみた。
すると、死体が力を失ってずり落ちた。
「おい!」
「死体に話し掛けても答えないと思いますよ」
「そりゃ、そうだが。墓が判らんだろう」
カロリナも少し考える。
あのお姉さんは“キル・ブリージャ辺りか”と言った。
「おじさん、お姉さんは『キル・ブリージャ』と言わず、『キル・ブリージャ辺り』と言っていました」
「それがどうした?」
「つまり、はっきりとした墓が存在しないのではないですか? だから、『辺り』という曖昧な言い方をした。この方が最初の一人じゃないですか?」
「そうか、そういうことか」
そういうと男は手で穴を掘り、死体を穴に埋めると、石を積んで墓とした。
「おじさん」
「お兄さんだ」
「どうして途中で止めなかったのですか? 妹さんはどうでもいいのでしょう」
「一度でも関われば、ケリが付くまで関わるさ」
浮気症で多くの女性に目移りするのはどうかと思うが悪い人ではないようだ。
「お嬢ちゃんこそ、付き合ってくれてありがとうよ」
「いえ、いえ、こちらの都合です」
「そんな都合があったのか?」
「報酬の七色の林檎を貰う為です」
「そんなことの為にか?」
「それ以外に何がありますか!」
カロリナはブレない。
『いいでしょう! 約束を守りましょう』
突然、声が聞こえるとお姉さんが現れた。
その姿が神々しく、女神か、天使のような出で立ちであった。
そして、報酬の林檎がカロリナの手に現れた。
ティンポル・ディムスの村?
同じ山の景色が広がっているが何か違う。
家がボロい。
周りに木々は余り生えていない。
エルもオルガもいない。
死体は村外れの方を指差している。
男は歩くしかないので歩いた。
あの林檎を食べる為には付いて行くしかない。
男は死体を背負いながらずずずと引き摺りながら進んでゆく。
村を出ると小さな丘があり、丘の上に木の柵がある。
柵の中に木の棒がいくつも立っている。
どうやら墓のようだ。
「あと少しです。がんばって下さい」
「あぁ、もう少しだ」
柵の中に入った。
男は死体を置こうとするが、死体が首をロックして放してくれない。
「背負ったままで穴を掘れというのか?」
「そういうことでしょう」
「そこの木の根ものに鍬があるので、あれで掘れというのでしょう」
「お嬢ちゃんも手伝ってくれ!」
「どうして私が?」
「そういう流れだろう」
「嫌です」
「……………」
「早くしないと日が暮れますよ」
「そうか、仕方ない」
男は諦めたのか、鍬を持って地面を掘り始めた。
がっ、がっ、がっ、手慣れたものだ。
少し掘ると、土の方がぼこぼこと盛り上がってくる。
そして、がさっと死体が起き上がった。
“誰だ、眠りを覚ます奴は”
背負っている死体よりドロドロに溶けた死体が起き上がった。
だらりと腕を前にして近づいてくる。
「悪かった。そこに眠っているとは知らなかった」
“恨めしい”
「すぐに元に戻す。だから!?」
男は後に下がる。
ゾンビだ。
触れるだけで嫌な感じがする。
「近づくな!」
後ろにいたカロリナは余裕を持って口の中で高速詠唱を終えて叫ぶ。
『紅蓮の業火よ。燃やし尽くせ! ファイラー』
ぷすぅ、目が点になる。
魔力を消費した感覚はあったが炎が出ない。
この感覚!?
封印されている。
ゾンビが迫ってくる。
さぁさぁさぁとカロリナは戦略的撤退だ。
「お嬢ちゃん、待ってくれ!」
そして、ずずっずと下がって、下がって、下がって、柵に外に出ると死体が元の穴に戻って行き、土の中に消えた。
「助かった」
「どうして?」
「もしかして、木の杭がない場所にも眠っているのでは?」
「おい、恐ろしいことを言うな!」
問題ない。
掘るのは男であって、カロリナではない。
カロリナは柵の外から声援を送ることにした。
男は墓杭のない場所を何度も掘ったが、やはり死体が飛び出してくる。
はっ、はっ、はっ、男は疲れたのか、息を切らし始めた。
「どこを掘ればいいんだ?」
「もしかして、この墓はもう一杯なのかも?」
「埋める所がないというのか」
「判りません。でも、そうじゃないかと思いました」
「嘘だろ。そうだ、墓地の外なら!」
男が鍬を持って柵を出ようとすると、背負っている死体が男の首を絞めつけます。
どうやら、墓地の外は駄目みたいです。
説得できたら!?
女の言っていた意味をカロリナは気づきました。
説得が必要なのは背負っている死体さんの方です。
「がんばって下さい」
「苦しい」
「説得して下さい。死体を説得できれば助かります」
「本当か?」
「おそらく」
「判った。墓地の外に埋めない。だから、腕を緩めてくれ!」
残念。
男の方が死体さんに説得されたようです。
説得は失敗です。
仕方ないので、次の墓地に移動することにします。
村を出るとまた霧が濃くなり、死体さんの指差す方に向かって歩きます。
一体、どれくらい歩いたのでしょう。
キャリハッド・ヴィコルスです。
ごろごろとした岩山を下りてゆくと、向こうに草原の丘が見えてきました。
丘は十六夜月のような形であり、もっと高くなった所が突き出しており、そこに教会が立っています。
男とカロリナは緑の絨毯を上ってゆき、教会に付くと男は入ってきません。
「何をしているのですか?」
「入れないんだ!」
カロリナは易々と入れたのに、男には透明な壁があり、中に入れないと言います。
何度も入ろうとしますが駄目です。
そして、どこから声がします。
“不浄な者は帰れ!”
教会は死体を埋める場所ですから死体が不浄という訳ではありません。
男が不浄なのか、死体の生まれが不浄なのか判りませんが、とにかく入れてくれません。
「仕方ありません。ティンポル・コナンに向かいましょう」
そういうと死体さんが次の場所を指差します。
また、とぼとぼと歩いてゆきます。
丘を下り、谷間を向けて歩いてゆくと開けた場所が見えてきました。
岩がごつごつとした丘です。
近づくと黒いモノが立ち上がり、ぶんぶんと飛んでいます。
丘に入ると、黒いモノが襲ってきます。
“飯だ。それを横せ!”
蠅です。
カロリナは思わず、『ファイラー』と叫びますが、ぷすっと言って炎ができません。
駄目です。
戦略的撤退です。
何故か、男も付いてきます。
墓はこの丘の上ですが、再び近づこうとすると死体さんが男の首を絞めつけます。
どうやら死体さんは蠅に喰われたくないようです。
「仕方ありません。イムログ・ファダに向かいましょう」
辺りはすっかり暗くなっていた。
ライトの魔法は付くようで足元くらいは照らすことができました。
白い霧が晴れてくるとぼんやり次の丘が見えてきます。
丘に入ると。
ぼわぁ、ぼわぁと大人や子供の幽霊が寄ってきた。
“鬼さん、鬼さん、御用ですか?”
“鬼ちゃん、鬼ちゃん、遊びましょう”
“鬼さん、お茶でもどうですか?”
声を聴く度に背筋が凍った。
心臓を掴まれたように冷たくなってゆく。
「お嬢ちゃん」
「…………」
「お嬢ちゃん!?」
カロリナは丘に入った所で足を止めていました。
おかしいと思ったのか、男が戻ろうとすると幽霊が男を引き留めた。
“遊ぼう”
“行っちゃ駄目”
“お菓子も用意しました”
まるで重石を背負ったように引っ張られます。
しかし、丘の出口に近づくほど楽になったのです。
「どうして付いて来ない」
「霊体の中を歩くのは無理ですよ」
「霊体?」
「幽霊のことです。浄化するか、神官の結界を張っていない状態で中に入れば、出て来られなくなりますよ」
ダンジョンでもレイス(霊体)は厄介な敵だ。
物理的な攻撃が利かない。
魔法が使えれば、大した相手ではないのですが、今のカロリナにはどうすることもできません。
「先に言え!」
「おじさんは何か護符でも持っているのかと思いました」
「あるか! それにおじさんじゃない。お兄さんと呼べ!」
「おじさんです」
近づけないのでキル・ブリージャに向かうことにした。
男はかなり疲れていた。
目の下にクマができています。
「妹さんはそんなに素敵な人なのですか?」
「あぁ。そう言えば、そんな理由ではじめたのだったな」
「妹さんは?」
「そんなこともうどうでもいい。早く終わらせたい」
「埋めるのを諦めますか?」
「それは駄目だ」
男は妹のことはどうでもいいようだが、死体は最後まで面倒を見るつもりみたいだ。
夜が明けないことを見ると、まだ1日も立っていないようだが、随分と長く歩いている。
霧が晴れて、次の丘が…………!?
見えて来たのは湖に浮かぶ大きな島であった。
死体は島を指差している。
「どうやって行けと?」
「あの舟を使えませんか?」
「なるほど!」
舟で渡り、島の一番高い所に行ってみた。
すると、死体が力を失ってずり落ちた。
「おい!」
「死体に話し掛けても答えないと思いますよ」
「そりゃ、そうだが。墓が判らんだろう」
カロリナも少し考える。
あのお姉さんは“キル・ブリージャ辺りか”と言った。
「おじさん、お姉さんは『キル・ブリージャ』と言わず、『キル・ブリージャ辺り』と言っていました」
「それがどうした?」
「つまり、はっきりとした墓が存在しないのではないですか? だから、『辺り』という曖昧な言い方をした。この方が最初の一人じゃないですか?」
「そうか、そういうことか」
そういうと男は手で穴を掘り、死体を穴に埋めると、石を積んで墓とした。
「おじさん」
「お兄さんだ」
「どうして途中で止めなかったのですか? 妹さんはどうでもいいのでしょう」
「一度でも関われば、ケリが付くまで関わるさ」
浮気症で多くの女性に目移りするのはどうかと思うが悪い人ではないようだ。
「お嬢ちゃんこそ、付き合ってくれてありがとうよ」
「いえ、いえ、こちらの都合です」
「そんな都合があったのか?」
「報酬の七色の林檎を貰う為です」
「そんなことの為にか?」
「それ以外に何がありますか!」
カロリナはブレない。
『いいでしょう! 約束を守りましょう』
突然、声が聞こえるとお姉さんが現れた。
その姿が神々しく、女神か、天使のような出で立ちであった。
そして、報酬の林檎がカロリナの手に現れた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる