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43. カロリナ、風の精霊さんと会う。
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赤いとんがり帽子を被った妖精コニは流石に焦った。
妖精の国に来て1週間(6日間)。
マジで食い歩きをカロリナは続けた。
まだ、一人も精霊に会いにいっていない。
これでは妖精王に怒られてしまう。
カロリナは影に綺麗なドレスで着飾ってドムノに案内させた。
気を良くしたドムノが美味い店を紹介してくれる。
チャラ男が嫌いだ。
でも、美味しい物を食べる為になら多少の犠牲は気にしない。
影の苦情も切った。
こうして屋敷(王宮)を起点に島中の店を食べ尽くしたのだ。
「カロリナ様、もう十分かと!」
「ラファウが言うなら仕方ないわ。今日から冒険をはじめましょう」
カロリナは資金が尽きたのだと悟った。
後は西側の店しか残っていない。
ドムノの評価も低い店しか残っていなかったので同意した。
最初は風の精霊だ。
湖を南に下ると深い谷間があり、そこを住処にしている精霊らしい。
広い平野から山にぶつかって谷間を吹き上げるので一年中強い風が吹き続ける場所らしい。
高い山々を縫うように開けた谷間に強烈な風が吹いていた。
カロリナ達は移動に翼竜を使った。
湖を渡った近くの森に飼育場があり、そこから飛び立つと馬車で3日は掛かる場所も2時間ほどで到着できる。
風の精霊は苛立っていた。
久しぶりのお客と聞いて、どんな試練を用意しようかと考えた。
谷間に咲く花を取らせようか?
それとも断崖絶壁の上から落ちる恐怖を味あわせてやろうか?
無難に精霊石を探させるか?
明日でも行かせると手紙を貰って1週間(6日間)。
来ないではないか!
1つではない、3つだ!
1つ見つけるのも大変な精霊石。
探して来いと言うだけでは虐めになる。
どこにあるか教えてやろう。
無難な場所を教えて済ませてやろうと思ったが、最も危険な場所に精霊石を取りに行かせることに決めた。
ははは、凄く怒っていた。
「アリエル様、遅くなって申し訳ございません」
「明日とは、いったいいつの明日だ!」
「お許し下さい」
「大変遅くなったことを謝罪させて頂きます。私は国王モシュモント・アブ・アール陛下の名代として、ラースロー・ファン・ラーコーツィ侯爵の娘…………」
『人の名前などどうでもいい!』
アリエルは怒気を上げて、カロリナのあいさつを中断させた。
怒っている風の精霊を見て、コニも焦っている。
精霊は気難しく、いたずら好きだ。
一段高い場所に腰かけ、胡坐をかいて膝に肘を掛けて、手で顔を支えながら見下ろしていた。
さて、どうしてやろうか?
そんな顔であった。
「加護が欲しいらしいな!」
「そう伺っております」
「断る訳がいかんから聞いてやる。課題を出していいのだな」
「どんな課題でしょうか?」
「では、精霊石を1個と思ったが、待たせた罰だ。3個用意しろ!」
「精霊石を3個ですか?」
「お待ち下さい。それは無茶でございます」
「コニは黙っておれ!」
「3個も期日以内に用意するのは無理です」
「王宮に保管いてある精霊石を出すのはなしだぞ」
「それで本当に見つかると思っておられるのですか!」
「やみくもに探して見つからんだろう。俺はやさしいからな! どこにあるかくらいは教えってやる。1つは龍の谷の谷底だ。その中腹の小さな精霊が巣を作っておる。次は大鷲の巣の中だ。ここの大鷲は群れ為しておるから近づくと襲われるぞ。どの巣かは教えてやらん。最後は谷間を抜けた川の底だ。水が冷たく気持ちいいであろう」
「あの~その3つを取って来いと言われるのですか?」
「そういうことだ」
厄介な場所ばかりであった。
カロリナはどう答えようかと悩んでいると、ラファウが声を掛けてきた。
「カロリナ様、私に任せて頂いてよろしいでしょうか?」
「ええ、お願いするわ」
「お任せ下さい」
困っていたので丁度よかった。
智者ラファウなら間違いない。
「アリエル様、1つおたずねしてもよろしいでしょうか?」
「何だ?」
「その精霊石は、その指定された場所もモノでなければなりませんか?」
「俺は優しいからある場所を教えてやっただけだ。他の場所で探せるなら探してみるがよい。精霊石がどれほど貴重なモノかお主らは知らんであろう」
「どれほど貴重なのでしょうか?」
「1,000年だ。精霊が1,000年間、そこを住処としていた所に産まれる。この『ユグドラシル』には精霊が多く棲んでいる。だが、1,000年も同じ場所にいる精霊は少ない。その数は知れている。俺のように高位の精霊でなければ、容易に手に入れることができないのだ」
アリエルはここにずっと住み続けているので多くの精霊石を所有していた。
だが、それを渡すつもりはない。
そうなると数は手に入れられる精霊石は少ない。
気まぐれな精霊が1000年も同じ場所にいるとは、余程気に入った場所なのだ。
「なるほど、精霊石はこの世界でも相当に貴重なモノということですな!」
「そういうことだ」
「それでは1つを手に入れるのも大変なのでしょう」
「ふふふ、やっと判ってきたか。精霊が住むとは、他の邪魔モノがいない場所だ。容易に手に入る場所には産まれぬ」
「ありがとうございます。つまり、精霊石ならば、どの精霊石でもよいのですな!」
「話を聞いていたのか?」
「はい、ですから確認しております。精霊石ならば、どの精霊石でもよいのですな!」
「構わん」
アリエルが断言した瞬間、ラファウが魔法袋から3つの精霊石を取り出した。
『馬鹿な!』
ラファウがにんまりと笑う。
信じられない。
人間如きが精霊石を3つも所有しているなどあり得ない。
だが、間違いなく精霊石であった。
「待て! 言い間違った。精霊石は3つではない。10個だ!」
「アリエル様、それは無茶でございます。王宮ですら10個もありません」
「コニは黙れ! やはり、お前がこっそり渡していたのであろう」
「いいえ!」
「騙されんぞ!」
妖精族の長なら1つくらいは持っている。
3つ、4つなら声を掛ければ、集まらないこともない。
10個となれば簡単ではない。
ラファウも驚いた顔をしている。
勝った!
アリエルはそう確信した。
ラファウも困ったようにこめかみを手で押さえて首を振っている。
そして、ゆっくりと口を開く。
両手を広げて落ち着いた低い声だ。
どこか芝居掛かっている。
「私は困惑しました。風の精霊であられるアリエル様とあろう方が、精霊石の価値をご存知ないのでしょうか。風の加護といえば、魔法石1個で貰えると聞いております。精霊石は魔法石10個に相当します。つまり、精霊石1個で我ら10人に加護を与えてもおかしくない。違いますか?」
「何のことだ?」
「相場です。相場」
「俺が加護を与えるのだ。文句は付けさせん」
「しかし、他の精霊様はどう思いますか? 風の精霊様はケチで、加護に精霊石を10個も要求する欲張りだと噂するでしょうな!」
「俺はケチでも欲張りでもないぞ」
「ならば、精霊石10個分の対価を支払って頂けるのですね。そうでなければ、風の精霊様は、物の価値も判らない愚か者と罵られることになりますぞ!」
ラファウが言っていることを理解できた。
精霊石10個とは法外過ぎ、風の加護のみでは吊り合わない。
確かに他の精霊達から馬鹿にされる。
では、精霊石3個で妥協するか!
それはできなかった。
一度口にした以上、それを言い直すのはプライドが許さない。
アリエルも悩んだ。
精霊石10個の価値が判らない訳ではない。
ならば!
『いいであろう。おまえらにくれてやるのは俺との契約だ。『風の精霊との契約』を結んでやろう』
アリエルは値を吊り上げた。
「コニさん、『風の精霊との契約』って何ですか?」
「加護は文字通り、風魔法に対する耐久力が上がり、風魔法を使う時に威力が少し増し、魔法の消費量が少し減ります」
「なるほど、価値はありそうです。でも、私は風魔法を使えまえんので、風耐久が上がるだけで終わりますね」
「そうなります。
「価値はありますが、お得感はありませんね。それでは契約はどうなのです?」
「契約は」
「俺、アリエル様の分身がおまえらの魂に宿ることさ。基礎の魔力量が増加し、誰か使った風魔法を無効化、魔力を消費せずに風魔法が使える」
「それはお得です」
「そうさね。アリエル様は大精霊様の中では、下級の上…………」
『違うぞ! 中級の下だ』
コニの説明にアリエルが訂正を求めた。
低級と中級の間には何か越えられないものがあるのだろうか?
「俺は大精霊の中でも中位の精霊だ。間違うな! 決して下位の精霊ではないぞ」
「そうでございました。中位の精霊の精霊でございますから、(風魔法の)初級魔法の完全無効化と初級魔法の消費量がゼロになります」
「つまり、中級魔法では意味がないと」
『意味はある。(風魔法の)中級魔法なら半分(50%)、上級魔法ならそれなり(30%)にレジストする。使用する魔法もその程度の魔力量で使用できるようになる。しかも、おまえらが死ぬまでその契約は続く!』
ぴこん、カロリナは閃いた。
「もしかして、夏の最中に常時、そよ風を起こすことがきますか?」
「当然だ。下級精霊に命令できるようになる。複雑なことでなければ、どんな命令でも聞くぞ!」
「ラファウ!」
上級の魔導師がよく使用する『風の結界』である。
飛んでくる矢を逸らす効果があった。
風の精霊と契約を結ぶと、魔力を消費することなく使用できる。
お得だった。
「いいでしょう。その契約で結びましょう」
そう言って、ラファウはテーブルに残り精霊石を7つ取り出した。
何じゃそりゃ!
風の精霊アリエルの心の声が聞こえるようだった。
「私は最初から持っていないなどと言っておりません」
「ラファウ、よくやりました」
「すべてカロリナ様の御心にままです」
これで夏の暑さがしのげると、カロリナを大いに喜んだ。
妖精の国に来て1週間(6日間)。
マジで食い歩きをカロリナは続けた。
まだ、一人も精霊に会いにいっていない。
これでは妖精王に怒られてしまう。
カロリナは影に綺麗なドレスで着飾ってドムノに案内させた。
気を良くしたドムノが美味い店を紹介してくれる。
チャラ男が嫌いだ。
でも、美味しい物を食べる為になら多少の犠牲は気にしない。
影の苦情も切った。
こうして屋敷(王宮)を起点に島中の店を食べ尽くしたのだ。
「カロリナ様、もう十分かと!」
「ラファウが言うなら仕方ないわ。今日から冒険をはじめましょう」
カロリナは資金が尽きたのだと悟った。
後は西側の店しか残っていない。
ドムノの評価も低い店しか残っていなかったので同意した。
最初は風の精霊だ。
湖を南に下ると深い谷間があり、そこを住処にしている精霊らしい。
広い平野から山にぶつかって谷間を吹き上げるので一年中強い風が吹き続ける場所らしい。
高い山々を縫うように開けた谷間に強烈な風が吹いていた。
カロリナ達は移動に翼竜を使った。
湖を渡った近くの森に飼育場があり、そこから飛び立つと馬車で3日は掛かる場所も2時間ほどで到着できる。
風の精霊は苛立っていた。
久しぶりのお客と聞いて、どんな試練を用意しようかと考えた。
谷間に咲く花を取らせようか?
それとも断崖絶壁の上から落ちる恐怖を味あわせてやろうか?
無難に精霊石を探させるか?
明日でも行かせると手紙を貰って1週間(6日間)。
来ないではないか!
1つではない、3つだ!
1つ見つけるのも大変な精霊石。
探して来いと言うだけでは虐めになる。
どこにあるか教えてやろう。
無難な場所を教えて済ませてやろうと思ったが、最も危険な場所に精霊石を取りに行かせることに決めた。
ははは、凄く怒っていた。
「アリエル様、遅くなって申し訳ございません」
「明日とは、いったいいつの明日だ!」
「お許し下さい」
「大変遅くなったことを謝罪させて頂きます。私は国王モシュモント・アブ・アール陛下の名代として、ラースロー・ファン・ラーコーツィ侯爵の娘…………」
『人の名前などどうでもいい!』
アリエルは怒気を上げて、カロリナのあいさつを中断させた。
怒っている風の精霊を見て、コニも焦っている。
精霊は気難しく、いたずら好きだ。
一段高い場所に腰かけ、胡坐をかいて膝に肘を掛けて、手で顔を支えながら見下ろしていた。
さて、どうしてやろうか?
そんな顔であった。
「加護が欲しいらしいな!」
「そう伺っております」
「断る訳がいかんから聞いてやる。課題を出していいのだな」
「どんな課題でしょうか?」
「では、精霊石を1個と思ったが、待たせた罰だ。3個用意しろ!」
「精霊石を3個ですか?」
「お待ち下さい。それは無茶でございます」
「コニは黙っておれ!」
「3個も期日以内に用意するのは無理です」
「王宮に保管いてある精霊石を出すのはなしだぞ」
「それで本当に見つかると思っておられるのですか!」
「やみくもに探して見つからんだろう。俺はやさしいからな! どこにあるかくらいは教えってやる。1つは龍の谷の谷底だ。その中腹の小さな精霊が巣を作っておる。次は大鷲の巣の中だ。ここの大鷲は群れ為しておるから近づくと襲われるぞ。どの巣かは教えてやらん。最後は谷間を抜けた川の底だ。水が冷たく気持ちいいであろう」
「あの~その3つを取って来いと言われるのですか?」
「そういうことだ」
厄介な場所ばかりであった。
カロリナはどう答えようかと悩んでいると、ラファウが声を掛けてきた。
「カロリナ様、私に任せて頂いてよろしいでしょうか?」
「ええ、お願いするわ」
「お任せ下さい」
困っていたので丁度よかった。
智者ラファウなら間違いない。
「アリエル様、1つおたずねしてもよろしいでしょうか?」
「何だ?」
「その精霊石は、その指定された場所もモノでなければなりませんか?」
「俺は優しいからある場所を教えてやっただけだ。他の場所で探せるなら探してみるがよい。精霊石がどれほど貴重なモノかお主らは知らんであろう」
「どれほど貴重なのでしょうか?」
「1,000年だ。精霊が1,000年間、そこを住処としていた所に産まれる。この『ユグドラシル』には精霊が多く棲んでいる。だが、1,000年も同じ場所にいる精霊は少ない。その数は知れている。俺のように高位の精霊でなければ、容易に手に入れることができないのだ」
アリエルはここにずっと住み続けているので多くの精霊石を所有していた。
だが、それを渡すつもりはない。
そうなると数は手に入れられる精霊石は少ない。
気まぐれな精霊が1000年も同じ場所にいるとは、余程気に入った場所なのだ。
「なるほど、精霊石はこの世界でも相当に貴重なモノということですな!」
「そういうことだ」
「それでは1つを手に入れるのも大変なのでしょう」
「ふふふ、やっと判ってきたか。精霊が住むとは、他の邪魔モノがいない場所だ。容易に手に入る場所には産まれぬ」
「ありがとうございます。つまり、精霊石ならば、どの精霊石でもよいのですな!」
「話を聞いていたのか?」
「はい、ですから確認しております。精霊石ならば、どの精霊石でもよいのですな!」
「構わん」
アリエルが断言した瞬間、ラファウが魔法袋から3つの精霊石を取り出した。
『馬鹿な!』
ラファウがにんまりと笑う。
信じられない。
人間如きが精霊石を3つも所有しているなどあり得ない。
だが、間違いなく精霊石であった。
「待て! 言い間違った。精霊石は3つではない。10個だ!」
「アリエル様、それは無茶でございます。王宮ですら10個もありません」
「コニは黙れ! やはり、お前がこっそり渡していたのであろう」
「いいえ!」
「騙されんぞ!」
妖精族の長なら1つくらいは持っている。
3つ、4つなら声を掛ければ、集まらないこともない。
10個となれば簡単ではない。
ラファウも驚いた顔をしている。
勝った!
アリエルはそう確信した。
ラファウも困ったようにこめかみを手で押さえて首を振っている。
そして、ゆっくりと口を開く。
両手を広げて落ち着いた低い声だ。
どこか芝居掛かっている。
「私は困惑しました。風の精霊であられるアリエル様とあろう方が、精霊石の価値をご存知ないのでしょうか。風の加護といえば、魔法石1個で貰えると聞いております。精霊石は魔法石10個に相当します。つまり、精霊石1個で我ら10人に加護を与えてもおかしくない。違いますか?」
「何のことだ?」
「相場です。相場」
「俺が加護を与えるのだ。文句は付けさせん」
「しかし、他の精霊様はどう思いますか? 風の精霊様はケチで、加護に精霊石を10個も要求する欲張りだと噂するでしょうな!」
「俺はケチでも欲張りでもないぞ」
「ならば、精霊石10個分の対価を支払って頂けるのですね。そうでなければ、風の精霊様は、物の価値も判らない愚か者と罵られることになりますぞ!」
ラファウが言っていることを理解できた。
精霊石10個とは法外過ぎ、風の加護のみでは吊り合わない。
確かに他の精霊達から馬鹿にされる。
では、精霊石3個で妥協するか!
それはできなかった。
一度口にした以上、それを言い直すのはプライドが許さない。
アリエルも悩んだ。
精霊石10個の価値が判らない訳ではない。
ならば!
『いいであろう。おまえらにくれてやるのは俺との契約だ。『風の精霊との契約』を結んでやろう』
アリエルは値を吊り上げた。
「コニさん、『風の精霊との契約』って何ですか?」
「加護は文字通り、風魔法に対する耐久力が上がり、風魔法を使う時に威力が少し増し、魔法の消費量が少し減ります」
「なるほど、価値はありそうです。でも、私は風魔法を使えまえんので、風耐久が上がるだけで終わりますね」
「そうなります。
「価値はありますが、お得感はありませんね。それでは契約はどうなのです?」
「契約は」
「俺、アリエル様の分身がおまえらの魂に宿ることさ。基礎の魔力量が増加し、誰か使った風魔法を無効化、魔力を消費せずに風魔法が使える」
「それはお得です」
「そうさね。アリエル様は大精霊様の中では、下級の上…………」
『違うぞ! 中級の下だ』
コニの説明にアリエルが訂正を求めた。
低級と中級の間には何か越えられないものがあるのだろうか?
「俺は大精霊の中でも中位の精霊だ。間違うな! 決して下位の精霊ではないぞ」
「そうでございました。中位の精霊の精霊でございますから、(風魔法の)初級魔法の完全無効化と初級魔法の消費量がゼロになります」
「つまり、中級魔法では意味がないと」
『意味はある。(風魔法の)中級魔法なら半分(50%)、上級魔法ならそれなり(30%)にレジストする。使用する魔法もその程度の魔力量で使用できるようになる。しかも、おまえらが死ぬまでその契約は続く!』
ぴこん、カロリナは閃いた。
「もしかして、夏の最中に常時、そよ風を起こすことがきますか?」
「当然だ。下級精霊に命令できるようになる。複雑なことでなければ、どんな命令でも聞くぞ!」
「ラファウ!」
上級の魔導師がよく使用する『風の結界』である。
飛んでくる矢を逸らす効果があった。
風の精霊と契約を結ぶと、魔力を消費することなく使用できる。
お得だった。
「いいでしょう。その契約で結びましょう」
そう言って、ラファウはテーブルに残り精霊石を7つ取り出した。
何じゃそりゃ!
風の精霊アリエルの心の声が聞こえるようだった。
「私は最初から持っていないなどと言っておりません」
「ラファウ、よくやりました」
「すべてカロリナ様の御心にままです」
これで夏の暑さがしのげると、カロリナを大いに喜んだ。
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