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65.エリザベート・ファン・ヴォワザン伯爵令嬢。
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エリザベートは転生して7歳のゲームに出てくる悪役令嬢に生まれ代わった。
9年の歳月を過ごし、15歳で絞首台に掛けられて一度目の生を終えた。
今、2度目の11歳を迎えていることを誰も知らない。
1度目の失敗を反省し、前回より遥かに巧くやっているとエリザベートは思っている。
前回と比べものならない財力を使って、セーチェー侯爵家とは同盟を結んだ。
海の民であるセーチェー一族は二本マストの大型帆船に興味を持ち、セーチェー家の北方商会に貸し出され、香辛料と蒸留酒を北方の諸国に売って莫大な利益を稼いでいる。
元々、武闘派のセーチェー侯爵は軟弱な王子達に大切な娘を嫁がせる気が失せ、エリザベートを養女として迎えてオリバー王子と結婚を認めても良いと表明していた。
国王が認めれば、クリフ王子を皇太子として、カロリナが王妃候補になることが決定する。しかし、王妃の反対で保留にされている。
どうやら王妃はエリザベートを次期王妃候補に考えているようだ。
ヴォワザン家の経済力は日ごと増しており、エリザベートはカロリナの対抗馬として認められつつあった。
ラファウは部屋に入ってくるエリザベートを見る。
エリザベートはアドリアンの前に進むとにっこりと微笑んだ。
威嚇的な目が笑みを零すと柔らかい表情に代わり、その落差で相手を魅了する。
「アドリアン様、お久しぶりでございます」
「エリザベートも息災でなによりだ!」
「いつも気に掛けて頂いてありがとうございます」
「そなたを拒む門はない。いつでも来られよ」
アドリアンとエリザベートは家名ではなく、互いに名前で呼ぶほど親しい。
エリザベートのヴォワザン伯爵領は食糧の生産力が弱く、魔物から取った魔石を売って小麦を買っていた。
所謂、お得意様であった。
最近は魔石の代わりに香辛料を売って小麦に変えている。
アドリアンはエリザベートを晩餐会に招いて香辛料の取引を申し出ると、取り乱すこともなく捌いてみせた。
そこにアドリアンはそんなエリザベートに惚れ込んだ。
少し気弱で頼りない長男を助けるのはエリザベートしかいないと思った。
エリザベートが経済力を付けてくると強引に息子の婚約を破棄させて側室候補に降格し、正室の座を空けた。
アドリアンがかなり本気で入れ混んでいた。
他にも宰相のアポニー伯爵家などエリザベートの財力を取り込みたい王族は多くいる。
エリザベートは非常にモテていた。
「どうだ、決心は付いたか! あの馬鹿王子との婚約を解消したいというなら、いつでも国王陛下に訴状を申し上げてやるぞ」
「いいえ、わたしくはオリバー王子をお慕い申し上げございます。その件はご容赦下さい」
「そうか、判った。いつでも言ってくれ!」
あぁ、このやり取りは舞踏会で何度も見た光景だとラファウは思った。
ラファウもセンテ侯爵家の晩餐会に招待されている。
だが、カロリナのライバルであるエリザベートに自分から近づくことはなかった。
エリザベートも同じだった。
顔は見知っているが、声を交わしたことはない。
「紹介しよう。大蔵省財務局の財務官ウッチ子爵だ。ラーコーツィ侯爵令嬢の目付もしている」
「はじめまして、ジョルト・ファン・ヴォワザン伯爵の娘でエリザベートと申します」
「ラファウ・ファン・ウッチ・ラーコーツィ名誉子爵でございます」
「まぁ、『ゴブリン・スレイヤー』の英雄様でしたか!」
「私は文官です。報告書に上げましたように、討伐は妖精王が行われ、我々はその手伝いをしたに過ぎません」
「ご謙遜を。たとえ武具を借りたとしても勇気がない者にその栄誉を手に入れることができる訳もありません。このエリザベートはウッチ子爵を尊敬しております」
南方大臣の下で働く、南方大蔵長官、南方主計長官、南方財務長官の3人はエリザベートが生意気だと罵倒している。
南方交易所を査察するまで、そうなのだろうと思っていた。
しかし、違った。
会計書を見せられてラファウはびっくりだ。
項目管理と複式簿記という新しい会計を採用していた。
王都の管理より高度だった。
管理が徹底しているので、三長官がいくら突き詰めてもその牙城が崩れる訳もない。
しかし、付け入る隙はいくらでもある。
現に冒険者の町では会計官が理解できていない。
細部から攻めれば、落とせる。
その調査で項目管理と複式簿記を丸裸にして、王都の管理で採用するべきだとラファウは思っていた。
「ところで南領と南方諸領は大豊作と聞く。その秘密を開示して頂きたい」
「ウッチ子爵はすでにご存知のハズです。今更ではございませんか?」
「その場限りの事は覚えておりません」
「そうでございましたか。ですが、こちらも開示する用意がございますので、お気になさらずに広めて頂いて結構でございます。それとクレタ子爵より頂いた大砲の件も承知しておりますが、大砲の搬入はもうしばらくお持ち下さい」
「感謝します。大砲の方は急いで頂きたいのですが」
「すでに国王に献上してございます。しかし、あれは我が領内の対魔物用の兵器でございます。まずは砦の配備、対海賊の配備を終えるまではお待ち下さい」
「それなりの生産力はあると言うことですね」
「はい、そうでございます。ですが、魔物と海賊はいつ攻めてくるか判りません。隣国はその気配もございません。どちらが優先するべきかは明らかであります」
エリザベートは堂々と正論で反論してきた。
三長官が恫喝したくなるのも頷ける。
だが、恫喝しても柳に風らしい。
エリザベートは強かに見える。
そうなると、やはり試さずにいられない。
「ところで、南領・南方諸領の余剰分を王宮に献上させようという意見があるのだが、貴方はどう思います?」
「豊作分を供出せよと言うことですか?」
(供出:米・麦などの農作物の割当量を法律に従って政府に売り渡すこと)
「いいえ、供出ではなく、献上です」
(献上:主君や貴人に物を差し上げること)
「昨年、主計長官の命令により、一反(300坪)の年貢量を王都の基準の2割増しに変更されました。ご存知でございましょうか?」
「存じています。南領・南方諸領の収穫量が王都より2割ほど多い為です。徴収率が変更された訳ではありません」
「ですが、他の農家より2割も多く年貢を取られているのです。さらに豊作分も献上しろと申されるならば、王家に対して不審を抱く領主も増えることになります。それは王家にとって損失ではないでしょうか」
「反乱でも起こるのでしょうか?」
「いいえ、そんな恐ろしいことができましょうか。もっと単純でございます。主要穀物の生産を減らします。さらに、領主は教会に譲渡される農地が増すことになるでしょう。教会に対して王家の徴税は掛かりません。教会で取られた作物の収益の一部が領主への寄付させるのかもしれません? そんなことにならないとよろしいのですが」
「それは困ります」
「わたくしとしても王家と教会が対立することを望みません。責めて供出に留めるのが妥当と存じ上げます」
領主と農民は持ちつ持たれつ『ウィンウィン(win-win)』の関係を保っている。
豊作分で売った利益の一部は領主に献上される。
献上では一銅貨も手に入らない。
敵対しないとはっきりと言いながら、さらりと恐ろしい対策を述べた。
「私も同意見だ。今日はセンテ侯爵にその話でやってきた」
「そうでございましたか。ならば、まずはわたしくの提案をお聞き下さい」
「何か良い策があるのか?」
「良い策などございません。ですが、根本的な問題を解決する策ならございます」
エリザベートが対策案を述べた。
9年の歳月を過ごし、15歳で絞首台に掛けられて一度目の生を終えた。
今、2度目の11歳を迎えていることを誰も知らない。
1度目の失敗を反省し、前回より遥かに巧くやっているとエリザベートは思っている。
前回と比べものならない財力を使って、セーチェー侯爵家とは同盟を結んだ。
海の民であるセーチェー一族は二本マストの大型帆船に興味を持ち、セーチェー家の北方商会に貸し出され、香辛料と蒸留酒を北方の諸国に売って莫大な利益を稼いでいる。
元々、武闘派のセーチェー侯爵は軟弱な王子達に大切な娘を嫁がせる気が失せ、エリザベートを養女として迎えてオリバー王子と結婚を認めても良いと表明していた。
国王が認めれば、クリフ王子を皇太子として、カロリナが王妃候補になることが決定する。しかし、王妃の反対で保留にされている。
どうやら王妃はエリザベートを次期王妃候補に考えているようだ。
ヴォワザン家の経済力は日ごと増しており、エリザベートはカロリナの対抗馬として認められつつあった。
ラファウは部屋に入ってくるエリザベートを見る。
エリザベートはアドリアンの前に進むとにっこりと微笑んだ。
威嚇的な目が笑みを零すと柔らかい表情に代わり、その落差で相手を魅了する。
「アドリアン様、お久しぶりでございます」
「エリザベートも息災でなによりだ!」
「いつも気に掛けて頂いてありがとうございます」
「そなたを拒む門はない。いつでも来られよ」
アドリアンとエリザベートは家名ではなく、互いに名前で呼ぶほど親しい。
エリザベートのヴォワザン伯爵領は食糧の生産力が弱く、魔物から取った魔石を売って小麦を買っていた。
所謂、お得意様であった。
最近は魔石の代わりに香辛料を売って小麦に変えている。
アドリアンはエリザベートを晩餐会に招いて香辛料の取引を申し出ると、取り乱すこともなく捌いてみせた。
そこにアドリアンはそんなエリザベートに惚れ込んだ。
少し気弱で頼りない長男を助けるのはエリザベートしかいないと思った。
エリザベートが経済力を付けてくると強引に息子の婚約を破棄させて側室候補に降格し、正室の座を空けた。
アドリアンがかなり本気で入れ混んでいた。
他にも宰相のアポニー伯爵家などエリザベートの財力を取り込みたい王族は多くいる。
エリザベートは非常にモテていた。
「どうだ、決心は付いたか! あの馬鹿王子との婚約を解消したいというなら、いつでも国王陛下に訴状を申し上げてやるぞ」
「いいえ、わたしくはオリバー王子をお慕い申し上げございます。その件はご容赦下さい」
「そうか、判った。いつでも言ってくれ!」
あぁ、このやり取りは舞踏会で何度も見た光景だとラファウは思った。
ラファウもセンテ侯爵家の晩餐会に招待されている。
だが、カロリナのライバルであるエリザベートに自分から近づくことはなかった。
エリザベートも同じだった。
顔は見知っているが、声を交わしたことはない。
「紹介しよう。大蔵省財務局の財務官ウッチ子爵だ。ラーコーツィ侯爵令嬢の目付もしている」
「はじめまして、ジョルト・ファン・ヴォワザン伯爵の娘でエリザベートと申します」
「ラファウ・ファン・ウッチ・ラーコーツィ名誉子爵でございます」
「まぁ、『ゴブリン・スレイヤー』の英雄様でしたか!」
「私は文官です。報告書に上げましたように、討伐は妖精王が行われ、我々はその手伝いをしたに過ぎません」
「ご謙遜を。たとえ武具を借りたとしても勇気がない者にその栄誉を手に入れることができる訳もありません。このエリザベートはウッチ子爵を尊敬しております」
南方大臣の下で働く、南方大蔵長官、南方主計長官、南方財務長官の3人はエリザベートが生意気だと罵倒している。
南方交易所を査察するまで、そうなのだろうと思っていた。
しかし、違った。
会計書を見せられてラファウはびっくりだ。
項目管理と複式簿記という新しい会計を採用していた。
王都の管理より高度だった。
管理が徹底しているので、三長官がいくら突き詰めてもその牙城が崩れる訳もない。
しかし、付け入る隙はいくらでもある。
現に冒険者の町では会計官が理解できていない。
細部から攻めれば、落とせる。
その調査で項目管理と複式簿記を丸裸にして、王都の管理で採用するべきだとラファウは思っていた。
「ところで南領と南方諸領は大豊作と聞く。その秘密を開示して頂きたい」
「ウッチ子爵はすでにご存知のハズです。今更ではございませんか?」
「その場限りの事は覚えておりません」
「そうでございましたか。ですが、こちらも開示する用意がございますので、お気になさらずに広めて頂いて結構でございます。それとクレタ子爵より頂いた大砲の件も承知しておりますが、大砲の搬入はもうしばらくお持ち下さい」
「感謝します。大砲の方は急いで頂きたいのですが」
「すでに国王に献上してございます。しかし、あれは我が領内の対魔物用の兵器でございます。まずは砦の配備、対海賊の配備を終えるまではお待ち下さい」
「それなりの生産力はあると言うことですね」
「はい、そうでございます。ですが、魔物と海賊はいつ攻めてくるか判りません。隣国はその気配もございません。どちらが優先するべきかは明らかであります」
エリザベートは堂々と正論で反論してきた。
三長官が恫喝したくなるのも頷ける。
だが、恫喝しても柳に風らしい。
エリザベートは強かに見える。
そうなると、やはり試さずにいられない。
「ところで、南領・南方諸領の余剰分を王宮に献上させようという意見があるのだが、貴方はどう思います?」
「豊作分を供出せよと言うことですか?」
(供出:米・麦などの農作物の割当量を法律に従って政府に売り渡すこと)
「いいえ、供出ではなく、献上です」
(献上:主君や貴人に物を差し上げること)
「昨年、主計長官の命令により、一反(300坪)の年貢量を王都の基準の2割増しに変更されました。ご存知でございましょうか?」
「存じています。南領・南方諸領の収穫量が王都より2割ほど多い為です。徴収率が変更された訳ではありません」
「ですが、他の農家より2割も多く年貢を取られているのです。さらに豊作分も献上しろと申されるならば、王家に対して不審を抱く領主も増えることになります。それは王家にとって損失ではないでしょうか」
「反乱でも起こるのでしょうか?」
「いいえ、そんな恐ろしいことができましょうか。もっと単純でございます。主要穀物の生産を減らします。さらに、領主は教会に譲渡される農地が増すことになるでしょう。教会に対して王家の徴税は掛かりません。教会で取られた作物の収益の一部が領主への寄付させるのかもしれません? そんなことにならないとよろしいのですが」
「それは困ります」
「わたくしとしても王家と教会が対立することを望みません。責めて供出に留めるのが妥当と存じ上げます」
領主と農民は持ちつ持たれつ『ウィンウィン(win-win)』の関係を保っている。
豊作分で売った利益の一部は領主に献上される。
献上では一銅貨も手に入らない。
敵対しないとはっきりと言いながら、さらりと恐ろしい対策を述べた。
「私も同意見だ。今日はセンテ侯爵にその話でやってきた」
「そうでございましたか。ならば、まずはわたしくの提案をお聞き下さい」
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