刺殺からはじまる侯爵令嬢、カロリナだってがんばります!

牛一/冬星明

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81. エリザベートの帰還と報告。

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えっ、何っ?
宝物庫に入った瞬間、エリザベートの足元が光った。
咄嗟に身構えて後に飛ぶと、背中に何かにぶつかり、その勢いで後頭部を打ってその場に座り込んだ。
痛い!
エリザベートは後頭部を抑えながら、涙目で辺りを確認する。
どうやら背中が当たったのは閉じられた扉だった。
先ほどまで開いていたハズだ。
光った瞬間に宝物庫に閉じ込められた?
真っ暗になった宝物庫は非常に見難い。
胸のペンダント型の魔道具に魔力を流し、明かりを確保する。
やはり閉じ込められた。
エリザベートはもう一度確認する。
やはり、よく判らない。

国王主催の晩餐会に呼ばれていたので武器はスカートの下に魔力でナイフに変化する特殊なフットベルトくらいしかない。
アッシン(暗殺者)が襲うのに好都合な条件が揃っていた。
警戒を解くには確認が絶対であった。
宝物庫は体育館くらいの広さがあり、扉の前はがらんと広がっている。
エリザベートはスカートを少しまくって太ももに手を当てながら様子を伺う。
気配なし、物音なし!
エリザベートは肩の力をやっと抜けた。

エリザベートの前に亀の置物がぽつりと置かれている。
鑑定を掛けると『時亀クロノス・テストゥードー』と表示された。
魔力量に応じて、半年から100年後に時間を跳躍して脱出アイテムだった。
何となく、エリザベートはやっと納得する。

時の向こうに飛ばされたのか!

どうやらエリザベートががんばり過ぎると、この世界バランスが崩れるらしい。
一周目はエリザベートの気分が高揚し、無茶な行動から魔の森のダンジョンの落とし穴に落ちしまった。
11歳秋にダンジョンに落ちてから自由を失い、解放されたのは14歳秋だった。
その3年間でエリザベートが積み上げてきた事がふりだしに戻された。

同じ事が起こるかもしれない。
エリザベートにそんな予感があった。
この『時亀クロノス・テストゥードー』で100年後に飛ばされてもおかしくない。
だが、何となく神の意志を感じる。
罠が仕掛けた者の魔力量が少なかったとか、誰かの邪魔が入って十分な魔力が注入できなかったとか、理由まで判らないが飛ばされたのは14歳秋だと思えた。
この『時亀クロノス・テストゥードー』に魔力を込めて、100年後に飛べば、ループから脱出できるのだろうか?
そんな危険な賭けの為に、5年間の努力を無にしたくない。
助けが来るのを待つことにする。

知覚時間で2・3日待った。
扉は開かない。
休暇と思って睡眠も取った。
宝物庫の宝を鑑定して暇を潰すのにも飽きてしまった。
無駄と思ったが、扉を叩いて叫んでみたが反応はない。
スカートの下に隠したナイフに魔刃を張って攻撃したが無駄だった。

知覚時間で1週間。
幸い魔力を注ぐと水(聖水)を出す聖杯が発見した。
喉の渇きと体力は回復する。
これで死ぬ事はない。
だが、空腹感は満たされず、それどころか日毎に増してゆく。
水でお腹が膨れない。
流石にイライラが頂点に達する。

覚悟を決めなさい、エリザベート!

自分を言い聞かすように声を上げ、結界を破ろうと決意する。
エリザベートに自重の文字はない。
幸い、聖剣『レーヴァテイン』を見つけていた。
レーヴァテインは世界樹の頂に座している雄鶏ヴィゾーヴニルを殺すことができる剣であり、ミスホラ王国(妖精王)から贈答されたと噂にあった。
どうやら本当だったらしい。
触れるだけで体中に痛みが走り、ダメージとなる。
エリザベートはダメージを聖杯の水で補いながら扉の前まで聖剣『レーヴァテイン』を持ってゆく。
聖剣『レーヴァテイン』に魔力を込めると青白い光を帯びて輝き、ダメージが大きくなって、思わず、手を離す。
死ぬかと思った。
聖杯があってよかったよ。
これ以上は魔力を注ぐのを危険だと知った。

「一刀でいいから、私の言う事を聞きなさい。力を見せよ!聖剣『レーヴァテイン』」

痩せ我慢で持ち上げて、扉に向かって振り降ろす。
青白い光が結界とぶつかり、激しい衝撃がエリザベートに跳ね返ってきた。
ぎゃぁ、これは想定外だ。
勇者の称号も、妖精王の加護も、神の寵愛を受けていないエリザベートでは、聖剣の加護が発動しない。
跳ね返ってきた衝撃をモロに受けて、エリザベートは吹き飛ばされる。
突然も爆発で王宮は大騒ぎだ。
離れの一部が半壊し、宝物に埋もれて死に掛けたエリザベートが発見されたのはすぐ後の事であった。

 ◇◇◇

「姉上は無茶をし過ぎです」
「でも、正解でしたわ。扉が開くのは1ヶ月も先じゃない」
「あと少し発見が遅かったら、姉上は死んでいました」
「あれは失敗だったね。聖剣に魔力を込め過ぎたみたい」

宝物庫は5月と10月に開くと決められていた。
つまり、1月と6月の王宮式典の前だ。
学園に入学する期間が1ヶ月を切った時点で助け出された事を考えれば、死に掛けても時間の余裕を作ったのは、正解だったとエリザベートは思っている。
無茶をしたお蔭で聖剣『レーヴァテイン』の主と言う称号が増えていた。
称号を鑑定すると、魔力を込める事で聖剣を呼び出す事ができるらしい。
エリザベートは“ラッキー”と思っている。
聖剣があれば、魔王の魔力障壁を無効化できる。
魔力障壁のない魔王など、レベルの高い魔物と同じだ。
もう怖くない。
魔王退治の切り札を得た。
しかし、エリザベートは知らない。
勇者、妖精王の加護、神の寵愛の称号を持たない者が聖剣『レーヴァテイン』を使うと、注いだ魔力に応じて同じだけのダメージを負う事はなんら変わっていないことを。
神様もやせ我慢して聖剣を振る馬鹿がいるとは思っていなかったのだろう。

 ◇◇◇

生還したエリザベートに日常が戻った。
貴族学園入学の手続きを終えると、国王への謁見、各所へのあいさつに回る。
それが終わると、お茶会が待っている。
その合間に報告を聞いた。
心穏やかな良い知らせを聞く。
マリアとテレーズは予定通りに調略が進んでいた。
商業や開拓業が順調に進み、ヴォワザン家の支持が増えていた。
領兵や冒険者の訓練も進んでいる。
エリザベートの冒険者パーティ『薔薇騎士』は、魔の森ダンジョン20層の中ボスを攻略に成功し、アンドラを含めレベル50に達した者が何人か出ている。
薔薇騎士団は全員がレベル40を超えるという課題も達成していた。

気になっていた20層の中ボスは亀型の魔物であった。
アンドラはエリザベートから聞いた神話の話から『玄武』と名付けた。
顔や手足を甲羅に隠すと攻撃する手段がない。
特殊武器もミスリルの魔法銃もまったく利かない。
しかも、その状態で多くの召喚獣を呼び出す。
召喚獣はレベル40から48の凶悪な奴ばかりである。
ただ、召喚されたばかりの召喚獣は知恵が足りないのか、攻撃が単純であり、慣れればレベルアップの餌に見えるらしい。
魔獣『玄武』は口から炎を吐く瞬間が弱点であり、そこを狙うとミスリル魔法銃の一撃で倒せた。
その他の弱点として、顔や手足を出した甲羅との接地点が柔らかい。
痛いとすぐに手足を引っ込める。
そこで召喚獣を倒して各自のレベルアップに頑張ったらしい。
嵌め殺しが通用する。
時間があれば、レベルアップに向かいたい。
だが、エリザベートにそんな時間は残されていなかった。

楽しい報告の後に失敗、あるいは、想定外の事を聞く。
ほとんどがカロリナ案件だ。
カロリナだけは規格外の活躍が目立った。

「敵兵10万人を一人で撃退って、何?」
「姉上、報告した通りです」

一周目のカロリナは100門の大砲を借りて、お飾りのような役で『救国に英雄』の称号を賜った。
その大砲をアンドラに持たせて、ヴォワザン家の大砲部隊を用意して封じた。
すると、カロリナは斜め上を行くように魔法で10万人の敵兵を倒しまう。
頭が痛くなる。

神の意志が何となく読めた。
あの10万匹のゴブリン戦は布石だったのだ。
樹海火災で行き場を失って流れ出た『モンスター・パレード』が起こらなくとも、兵糧攻めでカロリナが勝利の女神になっただろう。
しかし、派手だ。

念の為の腹案を用意しておいてよかった。
あの『救国の英雄』の称号は、海戦で勝利したサロー・ファン・セーチェー侯爵にも与えられた。
だが、カロリナには『紅蓮の魔女』とか、『魔王の娘リトル・プリンセス』とか、物騒な二つ名が増えており、貴族達も恐怖している。
結局、カロリナを次期王妃にするという流れになっている。
やはりゲームの設定に戻されたか、エリザベートは諦めるしかない。

「この農業政策と軍改革が気に入らないわ」
「同意しますが、文句の付けようありません」
「アンドラに来た婚約の打診を父上はどうしているの?」
「今の所は保留です。内々ですが、テレーズさんの名前も上がっております」
「アンドラはどうしたいのかしら?」
「姉上にお任せいたします」

4万人の人口だったラーコーツィ領の人口は戦争の被害で3万人に減った。
子供が増えて、この3年で4万人に戻っている。
でも、労働力不足、領兵不足は解消していない。
その足りない労働力を奴隷で補っている。
人口にカウントされない奴隷兵2万人は、ほとんどが戦争で降伏した捕虜である。
半分に開拓地を与え、将来的に領民として受け入れるつもりなのだろうか?
残る半分は、領内の労働力とハコネ山地の砦の奴隷兵になっている。

「先の戦いでラーコーツィ領は多く領兵を多く失いました。冒険者などを家臣に取り立てて補っていますが、圧倒的に数が足りていないようです」
「そうでしょうね」
「しかも、山脈を越えて攻めてくる事が判った以上、ハコネ砦に兵を回す余裕もありません」

ラーコーツィ侯爵家に余裕がないのはよく判った。
だから、奴隷民を中央領のダンジョンに連れて行ってレベル20以上にさせる?
奴隷兵もレベル30まで上げている?
誰だ、これを思い付いた奴は!
エリザベートは口に出さないがしてやられたと思った。

「随分と奴隷達が大人しいのね!」
「隣国の風習か、強者には逆らわないようです」
「なるほど、余程、カロリナが怖いのね」
「はい、魔王の娘リトル・プリンセスが生きている間は裏切る事はないだろうと、報告が上がっています」
「これでは2万人の私兵を持っているのと同じね」

エリザベートは眉間にシワを寄せ、こめかみを押さえた。
むかしはマリアバイヤスが酷いと悩んでいたが、カロリナが出てくると、子供騙しのように思えてきた。
結局、ラーコーツィ侯爵家は弱体化に成功したが、カロリナ個人は強化されている。
カロリナは異常だ。

ペニンスラ半島の西海岸は樹海が焼けて、大穀倉地帯へと変貌しはじめている。
大半が焼け野原になり、開拓できるようになった。
できた作物は教会と手を組んで蒸留酒を製造し、西方貿易の主商品になる日も遠くない。
エリザベート商会はそれで儲けさせて貰えるだから文句はないが、ラーコーツィ侯爵家の財政が立ち直るのは少々困る。

「技術協力の話はどうなったのかしら?」
「積極的に受け入れて貰っております。ヴォワザン伯爵家に対して、敵対心は無くなっております」

再建と同時に新農法も取り入れているらしい。
カロリナが領内も回って率先しているので、問題なく進んでいる。
エリザベートとオリバー第一王子との婚約を反対しない。

「というより、クリフ第二王子とカロリナが結婚し、王妃になるのが決定していると思っているようです」
「わたくしは無視ですか!」
「行方知れずという事もあり、姉上におおむね同情的でありました」
「わたくしが戻ってきて困っているのは王宮だけですか」
「申し訳ございません」

ゲームの基本設定では、ポーションの販売で勢力を伸ばしてきたヴォワザン伯爵家を王家に向か入れようという空気が生まれる。
エリザベートとオリバー第一王子との婚約は破棄される予定だったが、クリフ第二王子を皇太子にしようという動きが活発化する。
それに反対するのが王妃だ。
王妃はラーコーツィ侯爵家の令嬢が王妃になる事を拒んでいる。
エリザベートとオリバー第一王子との婚約を破棄させて、セーチェー侯爵家のテレーズと結ばせようと企んでいた。
が、今回はヴォワザン伯爵家とセーチェー侯爵家の関係を強化したので、エリザベートをセーチェー侯爵家の養女にする話が水面下で進んでいた。
王妃はどう転んでもラーコーツィ侯爵家の者を次期王妃にせずに済むと思っていた。
それがひっくり返されていた。

「わたくしがセーチェー侯爵家の養女になる話も消えているのでしょうね」
「姉上は100年後に旅だったと思われておりました。次の王族会議に間に合いません。おそらく学園を卒業するまでは動かせないと思います」

カロリナが王妃候補として最有力なのはまったく同じだ。
ホント、巧くいかないわね!
エリザベートは諦めるように呟いた。
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