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第二章 魯坊丸と楽しい仲間達
九十二夜 今川との和睦(信秀が倒れた件)
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〔天文十九年 (一五五十年)十二月中旬〕
先月(十一月)、朝廷から太原雪斎に勅書が出される先触れが三河へ入った。
朝廷も織田家と今川家の和睦に加わった。
ただし、朝廷が仲介した和睦を今川義元が破った前例があり、勅書は太原雪斎宛であった。
雪斎は勅を奉じて妙心寺第35世となるそうだ。
これでお膳立ては整った。
十二月に入ると和睦を仲介していた幕府の使者に対して今川義元の態度が軟化すると、今川勢が撤退を開始した。
同じく、三河に従軍していた織田勢を引き上げてきた。
養父中根-忠良と義理兄中根-忠貞がやっと帰城した。
「養父、義兄上、無事の帰国。おめでとうございます」
「魯坊丸にも苦労を掛けた。皆も城をよく守ってくれた。感謝する」
「風呂を用意しております。垢と疲れを落として下さい」
「そうさせてもらう」
皆が無事に帰国して事を喜んだ。
城の倉を開けて、城やその周辺の村々も宴会を開いて帰国者を労った。
中根家は黒鍬衆が主体だった為、村から出陣した者の数が極端に少ないのだが、それぞれの家臣に随行する者はいる。
各村から腕自慢の農兵が五人ずつは付き従った。
帰国から三日後、末森城で家臣を労う催しが開かれ、養父と義理兄が城に上がった。
千秋季忠も呼ばれ、熱田神宮の仕事も中止となり、俺は御留守番だ。
ぜっ、ぜっ、ぜっ、息が苦しい。
俺はお市との遊戯道を五周する(アスレチック)かけっこに僅差で勝った。
ゴールしたお市が地面に転がって、「負けてしまったのじゃ」と悔しがる。
俺が走ったのは旧道であり、お市が走ったのは改装が終わったばかりの新道だ。
すでに四度も改装をして難度が上がっている。
つまり、勝って当然。
当然なのだが、お市の動きが一周毎に最適化して速くなり、三周目で半周以上も開いた差を五周目では詰めてきた。
俺は重たくなる足を動かして、全力疾走で五周を完走した。
心臓が潰れるかと思った。
反り返した城壁の障害をロッククライミングの要領で登る障害とかが加わっており、どう考えても追い付かれる要素がない。
「兄上、凄いです」
「ニニぃ、凄い」
「凄いのはお市だ。勝っても自慢にならん」
「そんな事はございません」
「凄い。凄い」
里とお栄が褒めてくれる。
お栄も親父の娘であり、お市の一つ下の妹だ。十一月に生まれたが一月に改竄した里と同い年となる。
興奮すると、「兄上」と言えず、「ニニぃ」と言ってしまう。
お栄は側室の娘であり、正妻並の土田御前の娘であるお市と比べると格下となる。
妾の母上より位は上だが……大人の事情は子供に関係ない。
城の中では、お市とお栄は仲のよい姉妹だった。
暇そうにしていたお栄を見つけて、お市が中根南城に連れてくるようになった。
里がお姉さんぶってお栄と一緒に旧道を走る。
見ていて微笑ましい。
子供は風の子というが、北風の寒さなど気にせずに駆け回る。
俺も汗を拭って着替え直すと、お市との再戦だ。
「紅葉、どうしても走らないと駄目か?」
「千代女様より最低十五周以上は走らせるように命じられております。お市様もやる気ですから頑張って下さい」
「今度は大差で負けるな」
「大丈夫です。次からお市様には外出時に身に付けてもらう鎖帷子を着用して頂きます」
あれか。俺も外出時は下着の上から着用している簡易の鎖帷子だ。
全身ではなく、下着の上に着るジャケットだ。
顔以外の急所を守る。
重量は千代女らが着ている鎖帷子の半分もないが、それでも一貫(3.75kg)はある。
体重が四貫(15kg)のお市にはかなり重い。
俺は着用して完走できる自信はない。
「次は勝つのじゃ」
「お市、重いなら脱いでよいぞ」
「大丈夫なのじゃ。紅葉も着ておる。わらわも大丈夫なのじゃ」
「そうか……」
紅葉は他の者と比べると非常に背が低い。
でも、裳着を済ませた成人の女性だ。
悪気がないのは判っていても、紅葉の目が泳いだのが見えた。
さて、紅葉がスタートの合図を出す。
お市が勝つ気満々だったが、身軽さが封じられると障害の難度が跳ね上がった。
走りはじめると、お市がドンドンと離れてゆく。
途中から追い上げてくるかと思って、俺は速度を緩めずに走った。
というか、俺が五周目を終えても、お市はまだ三周目だった。
雲梯に掛かる負担が大きくなり、二段とばしで何度も落ちていた。
網を登るのも速度が上げられない。
七尺(212cm)の壁が絶壁に変わり、逆さ吊りになると握力で体を支えきれない。
周を重ねる毎に速度が遅くなっていった。
それでも五周を完走する気のようで、 俺をちらりと見て悔しそうに前を過ぎてゆく。
目元がキラリと光り、泣くほど悔しいのか?
いやいや、お市の方が凄いって!
俺の場合、新道は最初の丸太渡りができないのでスタートすらできない。
お市と里がバランスよく丸太の上を走れるのが不思議だ。
「若様はまだ余裕ですね」
「お市は大丈夫か?」
「かなり辛そうです。後でお市様は休憩させておきます。それより、里様、お栄様、若様と走りたいですか?」
「兄上と走りたいです」
「ニニぃも走りたい」
「では、若様と競争しましょう」
里とお栄が喜び、俺が断れないようにする。
今日の紅葉は鬼教官だった。
里とお栄はお市より一回り小さい。
〔魯坊丸 3.5尺(106cm)、お市 3.2尺(96cm)、里とお栄 3尺(90cm)〕
旧道での競争となった。
里は新道を一周できるが、かけっこするほどの速度はでないからだ。
だが、旧道ならば、里もかなり走れる。
旧道は一度改装されて難度が上がっているが、子供が楽しめるアスレチックの枠を外れていない。
俺も真剣に走った。
里もお市並に強いのかと思ったがそうではなかった。
二歳差は大きい。
腕力と脚力に差があり過ぎた。
障害の所で追い付かれそうな種目があったが、走る速度が段違いで引き離す事ができた。
お栄はまだ不慣れだ。
そこで俺五周に対してお栄一周のハンデ戦だ。
こちらも兄に面目を保てた。
兄の面目を守ったと思ったのに、再戦を申し込まれて、さらに二十周もする事になった。
もうクタクタだ。
お市らは風呂から上がると夕食まで一眠りするが、俺は汗を流すと打ち合わせが待っている。
別館から本館に渡ると妙に騒がしい。
「どうかしたか?」
「大変でございます。大殿が宴会の最中にお倒れになりました」
「親父が?」
「起き上がった大殿は疲れただけと言われて下がられたそうですが、家中の者は大殿に何かあればと大騒ぎになっているとの事です」
今川との和睦がなって気が抜けたのか?
ずっと今川勢の動きに警戒していたので疲れたのか?
気が抜けて酒に弱くなったのだろうか?
まだ、死ぬ年ではないだろう。
「紅葉。曲直瀬-道三は戻っているか?」
「東美濃に診療に行かれています。明日中には戻ってきます」
「親父を見てくれるように頼んでくれ」
「畏まりました」
千代女は俺の名代で天白川の上流となる植田川の護岸工事の視察に行っていた。
この冬に土台部分を終わらせる為に村人らに大動員を掛けている。
土台が終われば、一年掛けて上の部分に石を積み上げながらローマンコンクリートで固めてゆく。
来年の冬は川の中に砂防ダムのような土手を造り、段々畑のような水溜めを造る。
その水溜まりは田んぼの貯水池であり、壁の外側の水堀となる。
再来年は貯水池から水路を掘る。
水路が引ければ、猪高山の西側に水田を作る。
少し遅れているが、来年から土岐川(庄内川)と合流する藤の木川の護岸壁にも取りかかろう。
護岸壁だけでもできれば、かなりの抑止力となる。
平針や八事は河川の整備と護岸壁を並行し、水路も一緒に作っていたので時間が掛かり過ぎた。
目の前まで今川勢が迫っているのだ。
まずは守りだ。
先月(十一月)、朝廷から太原雪斎に勅書が出される先触れが三河へ入った。
朝廷も織田家と今川家の和睦に加わった。
ただし、朝廷が仲介した和睦を今川義元が破った前例があり、勅書は太原雪斎宛であった。
雪斎は勅を奉じて妙心寺第35世となるそうだ。
これでお膳立ては整った。
十二月に入ると和睦を仲介していた幕府の使者に対して今川義元の態度が軟化すると、今川勢が撤退を開始した。
同じく、三河に従軍していた織田勢を引き上げてきた。
養父中根-忠良と義理兄中根-忠貞がやっと帰城した。
「養父、義兄上、無事の帰国。おめでとうございます」
「魯坊丸にも苦労を掛けた。皆も城をよく守ってくれた。感謝する」
「風呂を用意しております。垢と疲れを落として下さい」
「そうさせてもらう」
皆が無事に帰国して事を喜んだ。
城の倉を開けて、城やその周辺の村々も宴会を開いて帰国者を労った。
中根家は黒鍬衆が主体だった為、村から出陣した者の数が極端に少ないのだが、それぞれの家臣に随行する者はいる。
各村から腕自慢の農兵が五人ずつは付き従った。
帰国から三日後、末森城で家臣を労う催しが開かれ、養父と義理兄が城に上がった。
千秋季忠も呼ばれ、熱田神宮の仕事も中止となり、俺は御留守番だ。
ぜっ、ぜっ、ぜっ、息が苦しい。
俺はお市との遊戯道を五周する(アスレチック)かけっこに僅差で勝った。
ゴールしたお市が地面に転がって、「負けてしまったのじゃ」と悔しがる。
俺が走ったのは旧道であり、お市が走ったのは改装が終わったばかりの新道だ。
すでに四度も改装をして難度が上がっている。
つまり、勝って当然。
当然なのだが、お市の動きが一周毎に最適化して速くなり、三周目で半周以上も開いた差を五周目では詰めてきた。
俺は重たくなる足を動かして、全力疾走で五周を完走した。
心臓が潰れるかと思った。
反り返した城壁の障害をロッククライミングの要領で登る障害とかが加わっており、どう考えても追い付かれる要素がない。
「兄上、凄いです」
「ニニぃ、凄い」
「凄いのはお市だ。勝っても自慢にならん」
「そんな事はございません」
「凄い。凄い」
里とお栄が褒めてくれる。
お栄も親父の娘であり、お市の一つ下の妹だ。十一月に生まれたが一月に改竄した里と同い年となる。
興奮すると、「兄上」と言えず、「ニニぃ」と言ってしまう。
お栄は側室の娘であり、正妻並の土田御前の娘であるお市と比べると格下となる。
妾の母上より位は上だが……大人の事情は子供に関係ない。
城の中では、お市とお栄は仲のよい姉妹だった。
暇そうにしていたお栄を見つけて、お市が中根南城に連れてくるようになった。
里がお姉さんぶってお栄と一緒に旧道を走る。
見ていて微笑ましい。
子供は風の子というが、北風の寒さなど気にせずに駆け回る。
俺も汗を拭って着替え直すと、お市との再戦だ。
「紅葉、どうしても走らないと駄目か?」
「千代女様より最低十五周以上は走らせるように命じられております。お市様もやる気ですから頑張って下さい」
「今度は大差で負けるな」
「大丈夫です。次からお市様には外出時に身に付けてもらう鎖帷子を着用して頂きます」
あれか。俺も外出時は下着の上から着用している簡易の鎖帷子だ。
全身ではなく、下着の上に着るジャケットだ。
顔以外の急所を守る。
重量は千代女らが着ている鎖帷子の半分もないが、それでも一貫(3.75kg)はある。
体重が四貫(15kg)のお市にはかなり重い。
俺は着用して完走できる自信はない。
「次は勝つのじゃ」
「お市、重いなら脱いでよいぞ」
「大丈夫なのじゃ。紅葉も着ておる。わらわも大丈夫なのじゃ」
「そうか……」
紅葉は他の者と比べると非常に背が低い。
でも、裳着を済ませた成人の女性だ。
悪気がないのは判っていても、紅葉の目が泳いだのが見えた。
さて、紅葉がスタートの合図を出す。
お市が勝つ気満々だったが、身軽さが封じられると障害の難度が跳ね上がった。
走りはじめると、お市がドンドンと離れてゆく。
途中から追い上げてくるかと思って、俺は速度を緩めずに走った。
というか、俺が五周目を終えても、お市はまだ三周目だった。
雲梯に掛かる負担が大きくなり、二段とばしで何度も落ちていた。
網を登るのも速度が上げられない。
七尺(212cm)の壁が絶壁に変わり、逆さ吊りになると握力で体を支えきれない。
周を重ねる毎に速度が遅くなっていった。
それでも五周を完走する気のようで、 俺をちらりと見て悔しそうに前を過ぎてゆく。
目元がキラリと光り、泣くほど悔しいのか?
いやいや、お市の方が凄いって!
俺の場合、新道は最初の丸太渡りができないのでスタートすらできない。
お市と里がバランスよく丸太の上を走れるのが不思議だ。
「若様はまだ余裕ですね」
「お市は大丈夫か?」
「かなり辛そうです。後でお市様は休憩させておきます。それより、里様、お栄様、若様と走りたいですか?」
「兄上と走りたいです」
「ニニぃも走りたい」
「では、若様と競争しましょう」
里とお栄が喜び、俺が断れないようにする。
今日の紅葉は鬼教官だった。
里とお栄はお市より一回り小さい。
〔魯坊丸 3.5尺(106cm)、お市 3.2尺(96cm)、里とお栄 3尺(90cm)〕
旧道での競争となった。
里は新道を一周できるが、かけっこするほどの速度はでないからだ。
だが、旧道ならば、里もかなり走れる。
旧道は一度改装されて難度が上がっているが、子供が楽しめるアスレチックの枠を外れていない。
俺も真剣に走った。
里もお市並に強いのかと思ったがそうではなかった。
二歳差は大きい。
腕力と脚力に差があり過ぎた。
障害の所で追い付かれそうな種目があったが、走る速度が段違いで引き離す事ができた。
お栄はまだ不慣れだ。
そこで俺五周に対してお栄一周のハンデ戦だ。
こちらも兄に面目を保てた。
兄の面目を守ったと思ったのに、再戦を申し込まれて、さらに二十周もする事になった。
もうクタクタだ。
お市らは風呂から上がると夕食まで一眠りするが、俺は汗を流すと打ち合わせが待っている。
別館から本館に渡ると妙に騒がしい。
「どうかしたか?」
「大変でございます。大殿が宴会の最中にお倒れになりました」
「親父が?」
「起き上がった大殿は疲れただけと言われて下がられたそうですが、家中の者は大殿に何かあればと大騒ぎになっているとの事です」
今川との和睦がなって気が抜けたのか?
ずっと今川勢の動きに警戒していたので疲れたのか?
気が抜けて酒に弱くなったのだろうか?
まだ、死ぬ年ではないだろう。
「紅葉。曲直瀬-道三は戻っているか?」
「東美濃に診療に行かれています。明日中には戻ってきます」
「親父を見てくれるように頼んでくれ」
「畏まりました」
千代女は俺の名代で天白川の上流となる植田川の護岸工事の視察に行っていた。
この冬に土台部分を終わらせる為に村人らに大動員を掛けている。
土台が終われば、一年掛けて上の部分に石を積み上げながらローマンコンクリートで固めてゆく。
来年の冬は川の中に砂防ダムのような土手を造り、段々畑のような水溜めを造る。
その水溜まりは田んぼの貯水池であり、壁の外側の水堀となる。
再来年は貯水池から水路を掘る。
水路が引ければ、猪高山の西側に水田を作る。
少し遅れているが、来年から土岐川(庄内川)と合流する藤の木川の護岸壁にも取りかかろう。
護岸壁だけでもできれば、かなりの抑止力となる。
平針や八事は河川の整備と護岸壁を並行し、水路も一緒に作っていたので時間が掛かり過ぎた。
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