こんなはずじゃなかった

B介

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水族館

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結局奴らは泊まっていき、翌朝西園寺の用意した車で八景島に向かった。


目指せ!八景島シーワールド!!



「うひゃー!!着いたー!!」

海の匂い!!でけー!!


「チケット買おうぜ!」


わらわらとチケット売り場に行くと西園寺が纏めて支払ってくれた。


「チケット代は奢りだ。」

「きゃー!!素敵会長ー!!」

俺は西園寺に抱きつくと、満更でもない笑みを浮かべた。


「じゃあ俺の奢りなんだ。今日はちゃんと名前で呼んでくれ。晴臣と。」

「晴臣。かしこまりました!」


「晴臣ご馳走です!」


「鵜山、お前は先輩と呼べ。」


調子に乗った圭介は睨まれた。


俺はワクワクしながらパンフを広げて、広い地図を見た。

「まずはアクアミュージアムかな?ふれあいラグーンもいいなー!!」

「近場のアクアミュージアムからでいいんじゃん?今ならイワシイリュージョンの時間にも間に合いそうだし。」


ひょいっとのぞいてきた兵藤に言われ、頷く。

「じゃあアクアミュージアムに行こう。」

俺が歩き出そうとすると、兵藤に手を取られた。

指を絡めて恋人繋ぎに驚いていると、颯爽と無邪気に笑いながら走り出す兵藤。


「あ!抜け駆けすんな!」

後ろから圭介の怒鳴り声がする。

無邪気に笑う兵藤の顔にドキッとしたのは秘密にしておこう。


中に入ると、黄色い魚がお出迎えしてくれたように泳いでいた。

「うわ、可愛い。」

「キイロハギだとよ。」

キラキラした壁の水槽を見つめていると、圭介が必死に兵藤と繋がれた手を離そうとしていた。

魚見ろよ魚!!


「なかなか良いな。部屋に飾りたい。」

ふむ。と考え込みながら眺める晴臣に、どんだけ部屋がでかいのか気になった。

…ってか、いつの間にか反対の手繋いでるし。


「あー!!晴臣先輩!あんたまで!!」

あーあーうるさい圭介!!


心なしか豪の眉間の皺もいつもより深いが、魚にも夢中のようだ。


「あっ。睡蓮、チンアナゴ。」

「なに!!」

俺は豪が指差すところを見つめると、小さい紐みたいなのが顔を出していた。

「やべー!思ったより小さい!可愛い!」

手が繋がれて離れないから、必死に顔だけ近付けた。

すると、屈んで見ていた豪の顔の距離と近くなり、豪にチュッとほっぺにキスされた。


な!な!

「なにしとんだ!?」

俺はあわあわと顔を赤くして直ぐに距離を取る。

「……いや、可愛かったから。」

「おい、お前ら!ここは公共の場であって俺達がイチャイチャして良い場では無い!」

鼻息荒く言うが、手が離れない。


「カップルがデートで使うところだろ?」

キョトンと兵藤に言われ、ムッと唇を突き出す。


「カップルじゃない!!」

その言葉に4人もムッと眉を寄せる。


すると、周りから仲がいいわね!なんてクスクス笑われた。


ぐぬぬぬぬぬ!!


もう、いい!次行こ!!


「もし良かったらお写真いかがですか?」


シロイルカの大きな模型に俺達は誘われるまま写真を撮った。


「お兄さん達かっこいいですね!楽しんで下さい!」

スタッフの女性にかっこいいと言われ、ちょっと照れながらも、更に進む。


次は海の宝石シェルリウムだって。


「へー。これがウミウシ?ちょっとキモいが可愛いー。色んな色があるんだな。」

「俺は…ちょっと苦手だ。」 

西園寺が嫌そうに距離をとる。

「えー。綺麗なのに。」

「こいつ、カタツムリやナメクジが苦手だって噂流れてたな。」

兵藤が面白そうに笑う。

「天下の西園寺にも苦手な者あったんですね!」

圭介もニヤニヤしながら揶揄うと、頭にゲンコツをくらった。


バカが。


次は海で進化した動物達だって!!

楽しみー!!
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