本当は貴方に興味なかったので断罪は謹んでお断り致します。

B介

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お友達からお願いします2

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「父上!ネフェリアが泣きそうです!」
エスティリオの声に、国王とバロン宰相はネフェリアに視線を向けると、もう、あとちょっとでこぼれ落ちそうなほど涙を浮かべ、下唇を上げて耐えていた。

「ね、ネフェリア!!」
「す、すまん!ネフェリア!どうした?私の抱っこが嫌だったか?」

ネフェリアは涙がこぼれ落ちないよう必死に上を向く。すると、自然と国王と目が合うので、首を横に振った。

「い、いやじゃないでしゅ…ひっく!光栄でしゅ…でも、ぼ、ぼく…ゔぅ…まだおとうしゃまと、にいしゃま以外怖くて…だ、だからこんやくは、やでしゅ…ふぇぇ~ん!!」

とうとう、いっぱいいっぱいになり、涙を溢してしまった。ぽろぽろと大きな滴を流し泣くネフェリアは、とても可愛くて、このまま閉じ込めたいと思うほどだった。

「はぁ、可愛い♡不安にさせてしまった。すまないネフェリア。じゃあ、お友達はどうだ?第二皇子のカウディリアンはお主と同い年だし、第三皇子のナヴィルリアンも一つ下だ。第一皇子のヴィヴァリアンはネフェリアの兄エスティリオと同じ10歳だろ?怖くないだろう。」

「ひっく…お、おともらち?」
「そうだ、お友達だ。ネフェリアが困った時に助けてくれよう。私の息子と友達と知られれば、良からぬ者らを遠ざけることが出来るだろう。」

僕は涙を流しながら、必死に考えた。これ以上何か言ったら不敬にもなるだろうし、まだ7歳の僕では今後起こりうる危険からは自分を守れない。婚約しなかった場合の危険性まで考えていなかった。
しかも、前回は第二皇子だけだったはずが、第一、第三も増え、流れが変わっているのは確かである。

たしか、第一皇子は婚約者がいたはずだけど、この時かは分からない。でも、いたんだから今後の危険性は無いはず…第三は、前回1度も見ていない…あれ?王宮のパーティーでも、見てない気がする…。
とにかく、友達に逃げて芳子さんに相談しよう!

「はい…僕とおともらちになってくらしゃい。」

その言葉に国王は、ほっとしてバロンにネフェリアを渡した。

「では、ネフェリア…今日は泣かせてしまったゆえ、父の側が良かろう。今後は皇子との時間を作ってもらうぞ?」

「はい。よろしくお願いいたしましゅ…国王しゃま、皇子しゃま…ぐすん。」

最後に父に必死に掴まりながら、皇子達に視線を向けた。すると、第二皇子がポケットからお菓子を取り出して、ネフェリアに差し出した。

「ネフェリア、僕はカウディリアン。同い年だよ。これからよろしくね?」

ネフェリアは、自分を断罪したカウディリアンの幼き笑顔に動揺しつつ、お菓子を受け取った。

「ありがとうございましゅ…かうでれあんしゃま…」

「クスッ!カウディって言える?」
「かうでぃしゃま。」
泣いたから余計難しい…

「愛称はそれでいいよ!またね!」
コクンと頷くと、お父様は一礼して仕事場へと向かった。

僕はやっとの危機からの脱出に安心感からか、寝てしまい、気付いたら見覚えのある天井だった。
僕は起きて、慌ててアルタを呼んだ。

「ネフェリア様…アルタでございます。」

扉から聞こえた声に、僕は入るよう促した。
もう夜中で、夕飯は皆済んだらしく、アルタは軽食を持ってきてくれた。
僕は、軽食を食べながら、本日の出来事を話すと、アルタこと芳子は驚いた表情の後、少し考えていた。

「ネフェリア様、頑張りましたね。そんな予想外な展開に!…確か、私も詳しくはわかりませんが、ネフェリア様が男性な為、第二皇子の婚約者となったはずです。この世界は男性が多いので、男でも子が出来るよう妙薬も有りますが、女の方が出産率も高いので第一皇子は確かプロントの次に優秀な公爵家の令嬢と婚約したと、学園のシーンで説明があったはずなので、第一皇子が入学する頃、後3年くらいじゃないでしょうか?」

後、3年で第一皇子は婚約候補から外れるなら良かった。良き友人関係を結べば、もし、断罪になっても守ってくれるのでは?

「第三皇子に関しては名前は出てきますが、確か留学したという設定で出てきません。第三のみ側妃の御子でして行く行くは騎士団長となる予定です。」

第三は留学か…なるほど、だから見たことなかったのか。
待てよ?僕が騎士目指したら、上司があの第三?な、仲良くなっておこう…。

「第二皇子に会って、大丈夫でしたか?」
芳子は心配そうに聞いてきた。

「まあ、怖いけど、最初に会って時はこんな幼かったんだと思い出した。彼に断罪されたけど、別に悪い奴じゃなかったから。好きじゃないが嫌いでもないかな?怖いけどね。もし、本気で好きだったなら耐えれないし恨んだかもだけど、前回も別に好きじゃなかったから。嫉妬のフリをしながら絡んでた時、思ったんだけど、主人公に優しくしていただけだからあの人…浮気というより、僕のワガママに疲れてたんじゃない?だから、恨みは無い。」

婚約はしないけどね!って笑ったら、芳子も笑っていた。
まあ、これで婚約者から唯の友達だし、一安心。

******

「息子ら、どうだネフェリアは?」
国王は自室に3人を呼び出した。

「とても愛らしく、是非婚約者にしたいです。父上。」
「僕も!あんな可愛い子見たことないです!是非!」
「兄上達は御子が必要でしょ!僕は王位継承権も一番下です!御子は欲しいけど、一番ネフェリアにふさわしいと思います!」
皇子達は睨み合う。

「ふむ、確かに可愛いかった。待てよ…ネフェリアが後10年したら、私が側室として迎えるのも…」
ニヤニヤしながらそんなことを考えていると、息子達から睨まれた。

「母上に言いつけますよ!」
ヴィヴァリアンの言葉に、ゴホンと咳払いをした。

「とにかく、欲しいなら落とせ。そして皇子としての成績を残せ!勉学、剣術、馬術、精一杯努めよ。そのうちの1人を婚約者とする。王位継承権があったとしても妙薬で励めばよい!私もあんな可愛い息子が欲しい!必ず捕まえろ!」

「「「かしこまりました!父上!」」」

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