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えっこれで大丈夫かな?

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「ネフェリア、このお菓子も美味しいよ?」

「あ、ありがとうございます。ヴィー様」
第一皇子のヴィヴァリアン様から、美味しそうなクッキーを頂きました。

「ネフェリアは果実が好きだろう?作りたてのジャムが乗ったスコーンはいかが?」

「ありがとうございます。カウディ様」
第二皇子のカウディリアン様から、たっぷりジャムの乗ったスコーンを頂きました。

「そんな、甘いのばっかりだと喉乾くだろ?ネフェリアの為に用意したラズベリーの紅茶だよ?」

「ありがとうございます。ナヴィ様」
第三皇子のナヴィルリアン様から甘酸っぱい香りの紅茶を頂きました。

「はああ…可愛いな♡リスみたいに頬張って、ほっぺがパンパンじゃないか♡」
そう言って僕のほっぺをツンツンするのはこの国の王様。

えっ?今がどんな状態か?

……王宮の庭園でお茶会中です。僕は何故か不敬にも、国王の膝に抱かれて皇子様達とおやつタイムです。

あれから、お父様と兄様と王宮に来ては、このようにお茶を飲んだり、お散歩したりしています。今では皇子様を愛称で呼ぶ事を許されています。

これで、大丈夫なのかな?

一緒にお茶を飲む兄をチラッと見ると、少し眉間にシワを作っている。

最近、兄様は不機嫌なんだよな…

巻き込まれて、こんな緊張するお茶会に参加させられているからかな?

「兄様、美味しいですね?」

「……ああ。」

ホラッ!一言二言に戻っているでしょ?

「陛下!そろそろお戻り下さい!!」

あっ!お父様が来た!!

僕はニパッと笑顔でお父様を見ると、お父様は笑顔だが、青筋を立てている。

「陛下!!何度も申したでしょ!陛下に触れるなど、不敬に値しますから、私のネフェリアに触れぬよう、お願い致します!!」

お父様、僕も何度もお断りしました。
これで裁かれても嫌なので…。
でも、お断りし過ぎるのも…。
これで大丈夫なのかな…?

「大丈夫だ。私達しかおらんだろう?
それに、私しか触れてない。まだ息子には指一本触らせて無いから良いだろう。」

「………。」

「何が、良いですか!?さあ、行きますよ!!エスティリオ、ネフェリア、お茶が済んだら戻って来なさいね。皇子様方よろしくお願い致します。」

嵐の如く去っていきました。
僕は今兄様に抱かれている。

お父様は国王から僕を奪い、兄様にポイってされました。ちょっと不機嫌な兄様に抱かれるのはドキドキする。

兄様は椅子に座り直して、僕を膝に乗せた。

「……。皇子様方、国王様からネフェリアに触れぬよう、言われていたのですか?」

あ、声が怖い…。

そう!そうなんだょ!
僕、おてて繋いだり、ほっぺ触られたり、抱っこされたりしたよ??

「……はて、何か言っていたかな?」

いや、苦しいでしょ!?

「今後は守って頂きます。」

兄様、かっこいい!!

「ゴホンッ!ところで、ネフェリア。」
「はい、ヴィー様。」
誤魔化しましたね。ヴィー様。

「ネフェリアは好みのタイプなどあるのか?」

好み…。

「はい、ございます。」

「!!申してみよ!!」

「金髪で…」

ガタンと皇子様方が立ち上がった。

「ふわふわした優しい女の子です!」

「……。」

皇子様方はストンと座り直しました。

「…お前、それ、よく読んでやった絵本のお姫様じゃないか?」

兄は僕を覗き込んできた。

「そうです!!あの、ふわふわした髪のお姫様!優しくて好きです!あんな子と結婚したいです!」

ニコニコ笑顔を兄に向けると、兄は顔を赤くして明後日の方向を向いた。

「……なんていう本か聞いても良いか?」

「えっと、花のお姫様です!」



「……全て処分してやる。」
「……兄上、今から処分しても、プロント家のをせねば、一緒です。」
「影を使って盗みに入れましょう。」
皇子様方は何やらしコソコソしている。
もう少し大きい声で話してくれないかな?顔は笑顔でこっち向いている分、怖いよ…。

すると1人の従者が歩みより、ヴィヴァリアン皇子の耳元で、何やら話している。

「何?今は駄目だ!ネフェリアいるんだぞ?会わせるか!」

「それが、先程たまたまお戻りになられる国王とお会いしまして、ネフェリア様には優秀な友人が多い方が良いと、お会いする許可を頂き、今そこにいらっしゃいます。」

「何?父上が?」

「はい、それと…許しも無く、勝手に美しい国の宝に触れる者がいるなら、それを守る者は多い方が目が行き届くと。何のことでしょうか?」

あのクソ親父…。美しい国の宝!ネフェリアのことだろう。まだ親父の宝だという意味だ!俺らが触れていることバレている。だから、ネフェリアの周りに配下の息子を集めて、まだ俺らのもんじゃねえって示してんだな!くそ!

ヴィヴァリアンは歯軋りをし、眉を寄せた。話を聞いていた、カウディリアン、ナヴィルリアンも顔を歪める。

「どうかしましたか?」
兄様は皇子様方の様子に異変を感じ、僕を抱きしめながら、確認する。

そう、優しい顔だった皇子が怖いんだよ…。

「失礼した。この後、私達の友人と剣の稽古を予定していたのだが、早めに来てしまったらしくてね。」

「そうですか、では私達はもう戻った方が良いでしょう…ネフェリア。」
兄は僕を抱っこして立ち上がった。

「いや、父上から君達を紹介するよう言われてね。エスティリオは会っているがネフェリアにもね。」

「はい、先程バロン宰相にも許可を頂きまして、本日は夕方迄に戻れば良いとのこと、エスティリオ様に関しましては、剣術稽古に参加するよう言われておりました。ネフェリア様はその時、戻るか見学しても良いとのことです。」

従者の方からの説明に、兄は頷いた。

すると、従者の合図に数名の少年達が現れた。

ゲッ!!
兄に抱っこされた状態で固まる僕…

芳子さ~ん!!






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