本当は貴方に興味なかったので断罪は謹んでお断り致します。

ネフェリア、学園編

王宮へ

「遅かったな。どこ行っていた？」

生徒会室に戻ると、ヴィヴァリアン、カウディリアン、ナヴィルリアンからジロリと睨まれた。

「申し訳ございません。」

キリウスと一緒に頭を下げると、エスティリオも入室する。

「お呼びでしょうか？」


「急遽王宮に帰るよう連絡が来た。明日出発する。エスティリオ、ネフェリアも一緒にとの事だ。護衛として騎士は既に向かっているとの事だ。キリウスも私の側近として一緒に来い。」


王宮に？騎士まで用意して…何事だろう。

僕は兄様と視線を合わせる。


「王宮が直接学校とやり取りしてくれたようだから、休学届はいらない。」


「畏まりました。」


そして、扉をノックする音

「お呼びでしょうか。」

アリウスとサリファンだ。久しぶりに全員揃った気がする。

「忙しいところすまない。」

えっ！？サリファンとアリウス、忙しいって…生徒会以外何かしてるの？

「急遽王宮から呼び出された。皇子全員と、キリウス、プロント家は一度戻る。後の事を頼みたい。」

急遽王宮からと言う言葉に、2人も一瞬戸惑ったが、ピシッと背筋を伸ばして、臣下の礼をする。


「畏まりました。お任せ下さい。」

「皆様が戻られた時には良い結果をお渡せ出来るようにしておきます。」


「うむ。頼んだ。」

サリファンとアリウスの視線が僕に集まる。2人共少し心配そうな眼差しだったので、僕はニコッと笑みを作る。

僕も不安だ。


何事だろうと、胸の中がザワザワする。


前世にこんな事はなかったはず。

やはり、今世は今世なのだと当たり前の事を思った。




早朝、学園の門につくと、既に王族専用の馬車が用意されていた。

サリファンとアリウスも見送りに起きてくれたようだ。


「気をつけてね。」


「うん！帰ってきたら授業教えてね！」

アリウスとサリファンと握手をする。


ヴィヴァリアン様達の登場に護衛騎士の中からカリウスが現れた。


久しぶりのカリウスはまた大きく感じた。


ヴィヴァリアン様と話をして、騎士達に指示をしている。

すると、パチンとカリウスと視線が合った。


カリウスはニヤッと笑うと若草色の瞳でウィンクをしてきた。


ハッ！デジャビュ！！


凛々しい顔からのウィンク半端ない。

流石親子。


「ネフェリア。私達の馬車だ。乗るぞ。」

王族馬車の後方にプロントの紋章があった。


兄様と自分の場所に向かうと、馬車の周りに見知った顔が…


「あっ！アーロンさん、サイクスさん！」

パアアと顔を輝かせると、ウッ！と言って、股間を押さえる2人。

何事！？


「しまった…暫く会っていなかったから耐性が…。」


「いや、以前に増して美しいですネフェリア様。」


「身長伸びたでしょ？」

ヘヘッと笑うと、馬車の扉を開けてくれた。


「さあどうぞ。エスティリオ様、ネフェリア様。道中は私達が護衛致しますね。」


「よろしく頼む。」

エスティリオはコクリと頷きネフェリアと馬車に乗り込んだ。



久しぶりの顔ぶれにワクワクしながら馬車は出発した。