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思いやり
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うっうっ!!
ハアハアハアハア!!
パンパンパンパン!!
「ハアハア!ヒヨリ!ヒヨリ!」
太い木の幹に必死に痛めた肩で掴まるヒヨリを容赦なく背後から犯すヒュー。
「ヒュー!!やめて!イタッ!ああん!」
「お前は俺のなのに!!なぜ!嫌いなどと!ハアハア!」
パンパンパンパンパンパン!!
ハアハアハアハアハアハア!!
「嫌うな!嫌うな!ヒヨリ!!」
背後からすがり付くヒュー。傷口をペロッと舐めた時の痛みに自然とヒヨリの中が締まる。
「ウゥッ!ヒヨリ!気持ちいい!」
コイツは…幼い子供のように、駄々こねてやがる!!
くそっ!酷い事されてるのに!!ガキが甘えて泣いているようで……
うっうっ!容赦なさすぎる!!肩が痛い!!
「ヒヨリ!好きだ!好きだ!嫌うな!俺の!!俺のだ!!」
切ない声と共にヒューの咆哮は響き渡り、ヒヨリの中に大量の精を放った。
ヒヨリはその衝撃と痛みに気絶する。
******
ウゥッ…
あれ?ここは…?
目を開くと、目の前には心配そうに見つめるピンクの瞳…。
ああ、気絶したのか…ここはテント?
気絶したおかげで、多分肩の傷は塞がっているはず。体力も戻った。
「ヒヨリ、大丈夫か?」
ヒューの言葉に、俺はそっぽを向く。
「ヒヨリ、怒っているのか?」
「………。」
「ヒヨリ、何とか言え…。」
背後からヒヨリを抱きしめて、擦り寄る。
「…なぜ、ウランは剣を置いたのに酷いことを?」
ポツリと呟いた俺の言葉にヒューは抱きしめる腕に力を込めた。
「…あいつは俺の番を奪いにきた。それにヒト族は魔法を使える。剣が無くても戦える、ある程度弱らす必要があった。」
「ジーンさんは俺の首に刃物を向けた。あれじゃあウランは何も出来ないはず…だからあそこまでする必要なんて無かった。」
俺は、誰かが処置してくれたんだろう。肩のガーゼに触れながら自分を抱きしめた。
1番の原因は俺が弱い事だ。簡単に捕まる俺の…。
「俺達は幼い頃から生きる為に何でもした。今は仲間と呼べる者もいるが、騙し騙され、裏切り裏切られた。例え仲間が人質になろうと気にしない者もいる。だから最善の行動をするまで。これが生き残る秘訣だ。そうしないと、大事なモノも命も奪われる。俺は嫌だ。」
切なく呻くように話すヒュー。幼き頃から戦っていたのだろうか。
もし、俺なら生き残れただろうか。
「…それに、奴の顔は…お前を兄弟として見ていない。出会った最初からだ。確信に変わったのは、ヒヨリを攫った時、お前が奴の名前を呼び、奴の手がヒヨリに届かなかった時…アレは、最愛を無くした友人と同じ顔をしていた。そしてさっきも。あいつはお前に惚れている。だから、あいつに奪われたくはない。」
えっ?ウランが俺を?
いや、ウランとは軽口程度のやりとりしかした事ない。
兄弟じゃないから、そう見えるだけだ。
「ヒュー…。お前は幼い頃から俺が知らない、味わった事もない過酷な環境で育った。だから、お前の言い分もわかる。
でもな、好きだ!だけじゃダメなんだよ愛は。好きだから何してもいいわけじゃない。お互いがお互いを大事にしないといけない、思いやらないといけないんだ。」
俺はクルッと振り向いて、ヒューのピンクの瞳を見つめた。
「おもいやり?」
「そうだ。ヒュー。俺はお前達に攫われるまで正直いい奴だと思ってたのに!裏切られた気分だった。だがな、皆根本はやっぱりいい奴みたいで、いつも俺を気遣ってくれた。だから、嫌いになりきれない。これが俺の本心。お前にも無理矢理されたが、今も毛嫌いするより、この腕に抱かれて安心している俺がいる。好きとは思わないが、嫌いではない。でも、お前らがウランにした事は許せない。俺を助けに来た、大事な仲間だ。だから傷ついた。お前は俺が大事にしているモノを傷付けたんだ。」
俺の話を真剣に聞いているようだが、イマイチわからないようで…どんな過酷な中生きてきたのか…。
ヒヨリはヒューの頬を撫でる。すると気持ち良さそうにうっとりした。
「ヒュー、ヒューは俺やタキが傷つけられたらどうする?」
瞳をカッと開き、鋭い顔になる。
「傷つけた奴、探し出して八つ裂きにする!!」
「今お前が感じた事と同じことを俺はされたんだ。自分を第一に考えなけれいけない世界で生きてきたヒューには難しいかもだけど、お前と同じ思いをする人がいるって覚えておいてくれ。」
ヒューは少し考えて頷いた。
「わかった。ヒヨリ。」
ヒューは、俺のおでこにキスをした。
本当にわかったのか心配だが、ちゃんと向き合って話せた気がした。
「ウランに、もう酷い事はしないでくれ。」
「…わかった。丁寧に扱う。だが、魔法封じの縄では縛らせてもらう。」
「ああ、わかった。信用するぞ。」
俺はヒューの瞳を見つめた。
「お前の言う通りにするんだ、キスしてくれ。」
ぐっ!!コイツ!!俺の怒りが収まったからって強気な!!
俺はほっぺにブチュッとかましてやった。
「違う、口にだ。」
舌をレロレロしながら言うヒューにイラッとした。
カブッ!!
いつも噛まれるお返しに舌を噛んでやると、痛さに声が出ず涙目になるヒュー。
「いひゃいぞ!ひひょり!」
知らんとばかりに背を向け、また俺は眠った。
ウラン…どうにかウランの傷を……。
明日、どうにかして接触しないと…
薄れていく意識の中、俺は弱い自分を呪った。
ハアハアハアハア!!
パンパンパンパン!!
「ハアハア!ヒヨリ!ヒヨリ!」
太い木の幹に必死に痛めた肩で掴まるヒヨリを容赦なく背後から犯すヒュー。
「ヒュー!!やめて!イタッ!ああん!」
「お前は俺のなのに!!なぜ!嫌いなどと!ハアハア!」
パンパンパンパンパンパン!!
ハアハアハアハアハアハア!!
「嫌うな!嫌うな!ヒヨリ!!」
背後からすがり付くヒュー。傷口をペロッと舐めた時の痛みに自然とヒヨリの中が締まる。
「ウゥッ!ヒヨリ!気持ちいい!」
コイツは…幼い子供のように、駄々こねてやがる!!
くそっ!酷い事されてるのに!!ガキが甘えて泣いているようで……
うっうっ!容赦なさすぎる!!肩が痛い!!
「ヒヨリ!好きだ!好きだ!嫌うな!俺の!!俺のだ!!」
切ない声と共にヒューの咆哮は響き渡り、ヒヨリの中に大量の精を放った。
ヒヨリはその衝撃と痛みに気絶する。
******
ウゥッ…
あれ?ここは…?
目を開くと、目の前には心配そうに見つめるピンクの瞳…。
ああ、気絶したのか…ここはテント?
気絶したおかげで、多分肩の傷は塞がっているはず。体力も戻った。
「ヒヨリ、大丈夫か?」
ヒューの言葉に、俺はそっぽを向く。
「ヒヨリ、怒っているのか?」
「………。」
「ヒヨリ、何とか言え…。」
背後からヒヨリを抱きしめて、擦り寄る。
「…なぜ、ウランは剣を置いたのに酷いことを?」
ポツリと呟いた俺の言葉にヒューは抱きしめる腕に力を込めた。
「…あいつは俺の番を奪いにきた。それにヒト族は魔法を使える。剣が無くても戦える、ある程度弱らす必要があった。」
「ジーンさんは俺の首に刃物を向けた。あれじゃあウランは何も出来ないはず…だからあそこまでする必要なんて無かった。」
俺は、誰かが処置してくれたんだろう。肩のガーゼに触れながら自分を抱きしめた。
1番の原因は俺が弱い事だ。簡単に捕まる俺の…。
「俺達は幼い頃から生きる為に何でもした。今は仲間と呼べる者もいるが、騙し騙され、裏切り裏切られた。例え仲間が人質になろうと気にしない者もいる。だから最善の行動をするまで。これが生き残る秘訣だ。そうしないと、大事なモノも命も奪われる。俺は嫌だ。」
切なく呻くように話すヒュー。幼き頃から戦っていたのだろうか。
もし、俺なら生き残れただろうか。
「…それに、奴の顔は…お前を兄弟として見ていない。出会った最初からだ。確信に変わったのは、ヒヨリを攫った時、お前が奴の名前を呼び、奴の手がヒヨリに届かなかった時…アレは、最愛を無くした友人と同じ顔をしていた。そしてさっきも。あいつはお前に惚れている。だから、あいつに奪われたくはない。」
えっ?ウランが俺を?
いや、ウランとは軽口程度のやりとりしかした事ない。
兄弟じゃないから、そう見えるだけだ。
「ヒュー…。お前は幼い頃から俺が知らない、味わった事もない過酷な環境で育った。だから、お前の言い分もわかる。
でもな、好きだ!だけじゃダメなんだよ愛は。好きだから何してもいいわけじゃない。お互いがお互いを大事にしないといけない、思いやらないといけないんだ。」
俺はクルッと振り向いて、ヒューのピンクの瞳を見つめた。
「おもいやり?」
「そうだ。ヒュー。俺はお前達に攫われるまで正直いい奴だと思ってたのに!裏切られた気分だった。だがな、皆根本はやっぱりいい奴みたいで、いつも俺を気遣ってくれた。だから、嫌いになりきれない。これが俺の本心。お前にも無理矢理されたが、今も毛嫌いするより、この腕に抱かれて安心している俺がいる。好きとは思わないが、嫌いではない。でも、お前らがウランにした事は許せない。俺を助けに来た、大事な仲間だ。だから傷ついた。お前は俺が大事にしているモノを傷付けたんだ。」
俺の話を真剣に聞いているようだが、イマイチわからないようで…どんな過酷な中生きてきたのか…。
ヒヨリはヒューの頬を撫でる。すると気持ち良さそうにうっとりした。
「ヒュー、ヒューは俺やタキが傷つけられたらどうする?」
瞳をカッと開き、鋭い顔になる。
「傷つけた奴、探し出して八つ裂きにする!!」
「今お前が感じた事と同じことを俺はされたんだ。自分を第一に考えなけれいけない世界で生きてきたヒューには難しいかもだけど、お前と同じ思いをする人がいるって覚えておいてくれ。」
ヒューは少し考えて頷いた。
「わかった。ヒヨリ。」
ヒューは、俺のおでこにキスをした。
本当にわかったのか心配だが、ちゃんと向き合って話せた気がした。
「ウランに、もう酷い事はしないでくれ。」
「…わかった。丁寧に扱う。だが、魔法封じの縄では縛らせてもらう。」
「ああ、わかった。信用するぞ。」
俺はヒューの瞳を見つめた。
「お前の言う通りにするんだ、キスしてくれ。」
ぐっ!!コイツ!!俺の怒りが収まったからって強気な!!
俺はほっぺにブチュッとかましてやった。
「違う、口にだ。」
舌をレロレロしながら言うヒューにイラッとした。
カブッ!!
いつも噛まれるお返しに舌を噛んでやると、痛さに声が出ず涙目になるヒュー。
「いひゃいぞ!ひひょり!」
知らんとばかりに背を向け、また俺は眠った。
ウラン…どうにかウランの傷を……。
明日、どうにかして接触しないと…
薄れていく意識の中、俺は弱い自分を呪った。
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