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婚約者?
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着いて早々に屋台の食べ物を食べまくったので、遅めの昼食にした。
「ヒヨリ、好きなもの食べろ。」
街中の一角にあるお店で、シスがよく行くらしい。
メニューがよくわからないので、なるべく柔らかいものを店主にお願いすると、肉団子の様なものが出てきた。
柔らかくて、濃い味付けで美味い!!
つくね?いや、ミートボール?
もぐもぐ必死になって食べていると、口元を笑わせたガルがこちらをジッと見ている。
「ガルも食べたいの?」
俺がフォークに刺して差し出すと、パクりと食い付いてきた。
「うまいだろ?柔らかくて食べやすい。」
コクリと頷き、唇を指で拭う仕草がとてつもなくカッコいいじゃないか!
「ガルファス様!!」
エメラルドグリーンのドレスを着た、とんでもない美人が頬を染めて近づいてきた。
ガルファス?
ああ!ガルの事か!
って近くで見ると、よりめちゃくちゃ美人やないか!!
ウェーブのかかった絹の様な亜麻色の髪にくりくりのつぶらなモスグリーンの瞳。
「ガルファス様!お会いしたく、ギルドに行きましたら、こちらだと…。」
へぇ…わざわざガルに会いにギルドから街まで。
ぐぬぬぬぬぬ!こんな可愛い子がお前の様な変態の為に…
って、何で何も返さないんだよ!!
俺ばっか見てないで、横にいる彼女の対応してよ!!
ほら、顔を赤らめて、お前のことめちゃくちゃ見ているよ!!
「ガルファス様、いつお返事頂けますか?もう一年もお待ちしております。」
何の返事だろ?
「ヒヨリ、お腹いっぱいになったか?まだ食べるか?」
「ん~…今度は甘いの…って!そうじゃないだろ?さっきから可愛い子が呼んでいるよ!?」
俺は仕方なく間に入ったが、ガルの視線はずっと俺。
「可愛い子なら目の前にいる♡」
うっとりとした目で見てくんな!!
ムーッとガルを睨むと、可愛い子は、やっと俺を視界に入れたようだが、ものっっっすごい目つきで睨まれた。
美人の睨みは迫力ありますな!
ガタブルで震えていると、ガルが店主を呼び、甘いものを見繕ってくれた。
店主も先程から無視されている女性に気を使うかの様にチラチラ見ていた。
「あのガルファス様に話しかけてもらえるなんなて!!貴方は何!?」
急に怒鳴りつけられて…弱い俺はガタブルで目線を泳がせる。
何…って…
異世界人?
ギルドメンバー?
ガルの童貞もらった関係?
俺がキョドリながら考えていると、彼女は我慢出来なかったのか、ワナワナ震えながら、扇子を取り出して口元を隠した。
「私、エリザベス・マッコーニと申します。マッコーニ伯爵の娘ですの。ガルファス様とはゆくゆく婚約する中ですわ!…王都にいらしたと聞いて、お会いしようとしましたが、既に帰ってしまったとのこと。一目会いたくなりまして、ここまで来ましたのよ?」
えー!!!
お前、婚約者いて、俺にこんななの!?
リア充じゃねえか!!
お前童貞はこの子に捧げるべきだろ!
う、うっ!羨ましい!!!
「俺はヒヨリです。新しく、ガル…ガルファスさんのギルドに所属になったものです。」
俺は彼女に挨拶をすると、品定めの様にジロジロと上から下まで見られた。
「ヒヨリ!ガルファスなどと!ガルと呼べ!」
ガル…今はそこの問題じゃありません。
ホラッ婚約者様が震えているよ?
「あ、貴方!愛称でお呼びしているの!?国の英雄になんて事を!!…貴方が愛称で呼ぶなら私も、よろしいですよね?ガル様?」
ギリリと睨んだ後、頬を赤らめてガルを見る令嬢。
だが、ガルはそこに彼女はいないかのように接する。
ここまで徹底されると、俺だけが彼女の存在を見えている様に感じる。
え?幽霊じゃないよね?店主も見えていたよね?
すると、店主が美味しそうなケーキを運んできた。
ふわふわのシフォンケーキの様だ。
ジャムも付いている。
俺はケーキをパクり!
うっまー!!
「美味いか?一口くれないか?」
仕方なく、いつもの様にフォークに刺して差し出す。
すると、令嬢は持っていた扇子で、フォークを叩き落とした。
ケーキはテーブルの上に溢れ、フォークは床に転がってしまった。
カシャーンという音に、他の客まで注目して、賑わっていた場がシーンと静まり返る。
「貴方!私のガル様になんて事を!貴方の食べた物など、汚らしい!いるはずないでしょ!!」
ガーン!!
き、汚らしい…
ショックでしょんぼりしていると、ガルはテーブルに落ちたケーキをつまみ、パクりと食べ、店主に新しいフォークを持ってこさせた。
「ヒヨリ。ホラッ…あーん。」
ガルは俺のケーキを一口サイズにして差し出す。
しょんぼりしていた俺は、咄嗟に口を開いてパクりと食べた。
「な、な、なんて事を!!ガル様!!」
バキッと持っていた扇子が折れた。
ヒィィ!!
つい、いつもの癖で!!
「ヒヨリ。もう出よう。なんだが羽虫がうるさい。虫がいないとこでゆっくりしよう。」
えっ?羽虫?
もしかして彼女のこと?
ガルは金をテーブルに置き、俺の手を取り、店を後にする。
振り返ってみると、彼女はショックのあまり、青白い顔で立ち尽くしていた。
あんな可愛い子を羽虫とは…まぁ性格はキツめだけどね。
でもなんだかちょっとスッとした。
性格悪いのは俺もかな?ごめんなさい。
*拙い初心者の文章を読んで頂き、いつもありがとうございます!
記念に現在BL賞に参加しております!
よろしくお願いします!
「ヒヨリ、好きなもの食べろ。」
街中の一角にあるお店で、シスがよく行くらしい。
メニューがよくわからないので、なるべく柔らかいものを店主にお願いすると、肉団子の様なものが出てきた。
柔らかくて、濃い味付けで美味い!!
つくね?いや、ミートボール?
もぐもぐ必死になって食べていると、口元を笑わせたガルがこちらをジッと見ている。
「ガルも食べたいの?」
俺がフォークに刺して差し出すと、パクりと食い付いてきた。
「うまいだろ?柔らかくて食べやすい。」
コクリと頷き、唇を指で拭う仕草がとてつもなくカッコいいじゃないか!
「ガルファス様!!」
エメラルドグリーンのドレスを着た、とんでもない美人が頬を染めて近づいてきた。
ガルファス?
ああ!ガルの事か!
って近くで見ると、よりめちゃくちゃ美人やないか!!
ウェーブのかかった絹の様な亜麻色の髪にくりくりのつぶらなモスグリーンの瞳。
「ガルファス様!お会いしたく、ギルドに行きましたら、こちらだと…。」
へぇ…わざわざガルに会いにギルドから街まで。
ぐぬぬぬぬぬ!こんな可愛い子がお前の様な変態の為に…
って、何で何も返さないんだよ!!
俺ばっか見てないで、横にいる彼女の対応してよ!!
ほら、顔を赤らめて、お前のことめちゃくちゃ見ているよ!!
「ガルファス様、いつお返事頂けますか?もう一年もお待ちしております。」
何の返事だろ?
「ヒヨリ、お腹いっぱいになったか?まだ食べるか?」
「ん~…今度は甘いの…って!そうじゃないだろ?さっきから可愛い子が呼んでいるよ!?」
俺は仕方なく間に入ったが、ガルの視線はずっと俺。
「可愛い子なら目の前にいる♡」
うっとりとした目で見てくんな!!
ムーッとガルを睨むと、可愛い子は、やっと俺を視界に入れたようだが、ものっっっすごい目つきで睨まれた。
美人の睨みは迫力ありますな!
ガタブルで震えていると、ガルが店主を呼び、甘いものを見繕ってくれた。
店主も先程から無視されている女性に気を使うかの様にチラチラ見ていた。
「あのガルファス様に話しかけてもらえるなんなて!!貴方は何!?」
急に怒鳴りつけられて…弱い俺はガタブルで目線を泳がせる。
何…って…
異世界人?
ギルドメンバー?
ガルの童貞もらった関係?
俺がキョドリながら考えていると、彼女は我慢出来なかったのか、ワナワナ震えながら、扇子を取り出して口元を隠した。
「私、エリザベス・マッコーニと申します。マッコーニ伯爵の娘ですの。ガルファス様とはゆくゆく婚約する中ですわ!…王都にいらしたと聞いて、お会いしようとしましたが、既に帰ってしまったとのこと。一目会いたくなりまして、ここまで来ましたのよ?」
えー!!!
お前、婚約者いて、俺にこんななの!?
リア充じゃねえか!!
お前童貞はこの子に捧げるべきだろ!
う、うっ!羨ましい!!!
「俺はヒヨリです。新しく、ガル…ガルファスさんのギルドに所属になったものです。」
俺は彼女に挨拶をすると、品定めの様にジロジロと上から下まで見られた。
「ヒヨリ!ガルファスなどと!ガルと呼べ!」
ガル…今はそこの問題じゃありません。
ホラッ婚約者様が震えているよ?
「あ、貴方!愛称でお呼びしているの!?国の英雄になんて事を!!…貴方が愛称で呼ぶなら私も、よろしいですよね?ガル様?」
ギリリと睨んだ後、頬を赤らめてガルを見る令嬢。
だが、ガルはそこに彼女はいないかのように接する。
ここまで徹底されると、俺だけが彼女の存在を見えている様に感じる。
え?幽霊じゃないよね?店主も見えていたよね?
すると、店主が美味しそうなケーキを運んできた。
ふわふわのシフォンケーキの様だ。
ジャムも付いている。
俺はケーキをパクり!
うっまー!!
「美味いか?一口くれないか?」
仕方なく、いつもの様にフォークに刺して差し出す。
すると、令嬢は持っていた扇子で、フォークを叩き落とした。
ケーキはテーブルの上に溢れ、フォークは床に転がってしまった。
カシャーンという音に、他の客まで注目して、賑わっていた場がシーンと静まり返る。
「貴方!私のガル様になんて事を!貴方の食べた物など、汚らしい!いるはずないでしょ!!」
ガーン!!
き、汚らしい…
ショックでしょんぼりしていると、ガルはテーブルに落ちたケーキをつまみ、パクりと食べ、店主に新しいフォークを持ってこさせた。
「ヒヨリ。ホラッ…あーん。」
ガルは俺のケーキを一口サイズにして差し出す。
しょんぼりしていた俺は、咄嗟に口を開いてパクりと食べた。
「な、な、なんて事を!!ガル様!!」
バキッと持っていた扇子が折れた。
ヒィィ!!
つい、いつもの癖で!!
「ヒヨリ。もう出よう。なんだが羽虫がうるさい。虫がいないとこでゆっくりしよう。」
えっ?羽虫?
もしかして彼女のこと?
ガルは金をテーブルに置き、俺の手を取り、店を後にする。
振り返ってみると、彼女はショックのあまり、青白い顔で立ち尽くしていた。
あんな可愛い子を羽虫とは…まぁ性格はキツめだけどね。
でもなんだかちょっとスッとした。
性格悪いのは俺もかな?ごめんなさい。
*拙い初心者の文章を読んで頂き、いつもありがとうございます!
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