異世界最強の癒しの手になりました(仮)

B介

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ヒヨリ怒ったぞ!

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結局あれから一回美味しく頂かれました。


くそー!やはり勝てぬ!!


そして、ガルの魔法を使い帰宅するが、そこにいらしたのは…まさかの令嬢と紫髪の青年。


ギャーーー!また出たー!!

「あっ!ヒヨリ、マスターおかえり。」

アルが少しやつれた顔で出迎えてくれた。

「アル…ただいま…あの、令嬢…」

「ああ。エリザベス・マッコーニね。簡単に言えば、マスターのストーカー。マスターに何度も婚約をお願いしているんだけどガン無視されていてね。断られ続けているんだよ。…最近はマスターの実家にオファーかけているみたいだけど、マスターは一度教会に入ったから、実家が婚約について口は出せないからね。暫く見なかったけど、王都で噂を聞いて、また再熱したらしいね。」

アルがこっそり教えてくれた。

なんだよ未来の婚約者じゃねえじゃん!!


「ガル様ー!!」  

ガルに気付いた令嬢がキラキラした笑顔で走ってきた。

ガルに抱きつくと、上目遣いでうるうる瞳をさせている。


「ガル様♡式の段取りは私の方でやりますので、日取りはいつになさいますか?衣装も合わせなくては…。」

こいつ、何言ってんの?


「ヒヨリ、俺の部屋へ行こう。」

ガルはガン無視で俺を引っ張る。

そんな俺をガルに抱きつきながら、扇子で叩く令嬢。

もう一つ持っていたのかよ!!

地味に痛い。

「あーん!ガル様、まずは日取りだけでも決めなくては!あんな事しておいて!」


へ?ガル?あんな事って?


「え!マスター、エリザベスお嬢様に手を出したの!?」 

アルも驚いたように声を発していた。


こいつ、俺にずっと張り付いているのにいつ?

魔法で夜とか?


なんだよ!何かムカつくな!

俺には嫉妬でお仕置きするのに、自分は遊んでるってか?

最近まで童貞だったくせに!!


しかも、イテッ!何で俺が叩かれるなきゃ…イテッ!なんないんだよ!!


俺はバッ!と無理矢理ガルの手から離れた。

「ヒヨリ?」

ガルが振り向くが、俺は無視して一階に降りた。


ギュッとアルに抱きつき、あっかんべーをかましてやる!

「ガルなんて嫌いだ!お前のせいで可愛いが性格悪い令嬢に叩かれるし、せっかくのデートも台無しだ!しかも、俺には怒るくせに、裏では遊んでる奴なんて最低!!俺だって遊ぶもんね!!」


「ヒ、ヒヨリ!何のことだ!?令嬢なんてどこにいる?ヒヨリ!」

慌てて、階段を降りてこようとするガルをキッと睨みつける。

「何馬鹿なこと言ってんだよ!その腰に抱きついているのは何だ!俺に害が無くなるまでくるな!!」

「ヒヨリ!アルから離れろ!」

ギラギラ嫉妬しながら怒鳴るガル。

ほぉー!アルから離れればいいんでしょ?


俺はちょうど扉から入ってきたウランに飛びついた。

「ヒヨ!?」


ウランは慌てた様子で受け止めてくれた。


「アルがダメならウランね!!」

「ヒヨリ!!!怒るぞ!!ダメだ!」

苛々とするガルの背後から黒霧が現れた。

「うるさい!俺が怒っているんだ!黒霧如き怖く無いね!!バーカ!!」

俺は勢いに乗り、ウランの服を引っ張り、屈めさせ、ほっぺにチュウをしようとしたが、勢い余って唇の端をかすめた。

「ヒ、ヒヨ!?」
顔を赤くするウランとは真逆に、ガルは一瞬蒼白になり、現在の立ち位置である階段で固まってしまった。

バキバキバキ!!

階段が木っ端微塵とかした。

ガルはストンと、そのまま一階へと落ち、腰には怯える令嬢が張り付いている。


黒霧がガルの周りをウネウネと動き回り、赤いオーラまで発している。

先程の蒼白した表情も消え、眉を眉間に寄せているだけで、いつもの無表情だが、何故かガタブルするほど恐ろしい。

顔に影がさしているようなほどエメラルドの瞳がギンギンと光っている。


「ヒヨリ…お前から…俺の目の前で…しかも唇に…。」


ヒィィ!…いや、怖くないもん!

お前が悪いんだもん!!


「ヒヨリ……」


ヒィィ!!


「ウラン!どっかに連れてって!」

ウランは土壁でガルを囲い、俺を抱きしめて、裏庭に出た。


やばい!怒らせ過ぎた!?



「ヒヨリ…俺から逃げたな…」





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