87 / 110
親鳥は子の糧に
しおりを挟む
「あー!やっと静かになったわ!お酒が欲しいくらいね!」
アリアナさんは盛大にため息をつき、ベアードさんにお酒をお願いした。
皆ぐったりテーブルについたが…
「ヒーヨーリ♡」
プン!!
「隣座らないでもらえますか?」
「そんな事言わないでよー!」
許しません!もう少しで職無しですからね!
アルが俺に泣きつくがプイッと無視。
「あらあら、策略家もヒヨリにはかたなしね。」
「ウラン隣どうぞー!!」
俺はアルを押しのけ隣にウラン、反対側はお決まりのガルですからね。
「ヒヨリ~!!」
トボトボと、同じく無視しているヒューのグループに入れてもらっているアル。
俺達はベアードさんから、お酒と肉を貰ったが、俺の分は葡萄ジュースになっていた。
ちょっと飲みたい気分だったがしょうがない。面倒かけちゃうしな。
「ヒヨリ、食べれない。」
ガルが俺をジッと見て手首の鎖を見せてくる。
むっ!確かに…。
俺は、肉を切って、フォークに刺して渡した。
フォークぐらい持てるだろ?と思ったが、顔を近づけてパクッと、俺の手から食べた。
へ?
「ヒヨリ、もっと。」
ジッと俺を見つめるガル。
俺はもう一回肉を刺してフォークを向けると、パクッ。
な、なんだ!この親鳥の気持ち!!
図体でかい男が、俺を頼っている状況にムズムズとする。
「おい、甘えんなよ。1人で食えるだろう!」
ウランが注意するが、ガルは口を開けて待つ。
俺はなんだか気分を良くして、そんなガルに餌付けをする。
ウランは呆れた、ダイナは少し羨ましそうに見つめている。
近くのテーブルから嫉妬メラメラのヒューとアルの視線が痛いが気にしない。
「いやー!あのマスターがこんなにも変化するなんて!!すごいっすね!」
ヴィクトルがヘラヘラとワインを飲みながら、ガルへともたれかかる。
「そうなのよ!この子変わったでしょ?そのかわり執着がすごくてね。」
アリアナさんもワインを飲みながらウフフと笑っている。
「ヒヨリ。」
口を開けて催促するガルにパンを詰め込む。
「おい!テメー、いい加減にしろよ。」
バンッとテーブルを叩くヒューに俺はビクッと身体が跳ねる。
「1人で食えるはずなのに甘えやがって!」
ガルの胸元を持ち上げるヒューに、俺は慌ててその手を掴んだ。
だって今、ガルは無力だから!
「ヒュー!やめろよ!!」
「!!…ヒヨリ!」
俺が睨むとヒューは切なそうに眉を寄せる。
「俺が手錠したんだ。だから面倒みてんの!それに、エリザベスに票入れたくせに…」
最後の方をボソッと呟くと、ヒューはビクッと身体を固めて、悔しそうに席に戻っていった。
「…ヒヨリ。」
ガルが、うるっと瞳を潤ませている。
ああ!あのガルが、こんなにも怯えて…!
「大丈夫だ!力が無いうちは面倒みてやるからな!」
俺がギュッとガルを抱きしめると、舌打ちやら、ガタッと立ち上がる奴もいたが、気にしない。
そんな彼らを抱きしめられながら、不敵に見つめた事など気づかないヒヨリだった。
食事も終え、洗い物を手伝い、そろそろ寝ようかと思えば、ガルが待っていた。
「綺麗魔法も使えんし着替えられん。」
なるほど、俺はガルの部屋にいき、上着は無理なので、下を脱がせて、綺麗魔法をかけて、ゆったりしたズボンを履かせた。
されるがままのガルが可愛く思えて、つい、ベッドに寝かせて頭を撫でてしまった。
ガルは嬉しそうに微笑み、気持ちよさそうにする。
そんなガルを見ていたら俺自身も、船を漕ぎ始め、気付いたら寝ていたようだ。
そして、今ある衝撃によって起きたのだが……
「ぎゃーーー!何やってるー!!」
ガルが俺の息子さんを加えています!!
「ハアハアハアハア!すまない、ヒヨリがバカで、可愛い過ぎて…。」
今バカっていいました?言いましたよね!?
ガルは無力なはず、俺はガルを突き飛ばそうと、するが、出来ない!!
逆に片手で腕を掴まれて押さえ込まれ、もう片方で尻の穴を、探られている。
ん?
片手はここで、もう片方は…
「ガル!ガル!!手錠は?」
俺は真っ青になり慌てて聴くと、顎でくいっと示す。その方向に視線をうつすと、転がる手錠。
「な、な、な!3日持つはずじゃ!?」
「途中から力が戻った。」
しれっと穴の周りを擽るガルに、身悶えながら、いつからだと、尋ねる。
「…投票中?」
めっちゃ短時間じゃねえか!!
しかも、飯食えたじゃねえか!!
俺グルグルパニックになっている間に、指を穴に差し込まれた。
「ああっ!!」
俺はキッ!とガルを睨むが、それ以上に怖い顔で睨まれた。
「さあ、お仕置きだ。」
ギャーーーー!!
アリアナさんは盛大にため息をつき、ベアードさんにお酒をお願いした。
皆ぐったりテーブルについたが…
「ヒーヨーリ♡」
プン!!
「隣座らないでもらえますか?」
「そんな事言わないでよー!」
許しません!もう少しで職無しですからね!
アルが俺に泣きつくがプイッと無視。
「あらあら、策略家もヒヨリにはかたなしね。」
「ウラン隣どうぞー!!」
俺はアルを押しのけ隣にウラン、反対側はお決まりのガルですからね。
「ヒヨリ~!!」
トボトボと、同じく無視しているヒューのグループに入れてもらっているアル。
俺達はベアードさんから、お酒と肉を貰ったが、俺の分は葡萄ジュースになっていた。
ちょっと飲みたい気分だったがしょうがない。面倒かけちゃうしな。
「ヒヨリ、食べれない。」
ガルが俺をジッと見て手首の鎖を見せてくる。
むっ!確かに…。
俺は、肉を切って、フォークに刺して渡した。
フォークぐらい持てるだろ?と思ったが、顔を近づけてパクッと、俺の手から食べた。
へ?
「ヒヨリ、もっと。」
ジッと俺を見つめるガル。
俺はもう一回肉を刺してフォークを向けると、パクッ。
な、なんだ!この親鳥の気持ち!!
図体でかい男が、俺を頼っている状況にムズムズとする。
「おい、甘えんなよ。1人で食えるだろう!」
ウランが注意するが、ガルは口を開けて待つ。
俺はなんだか気分を良くして、そんなガルに餌付けをする。
ウランは呆れた、ダイナは少し羨ましそうに見つめている。
近くのテーブルから嫉妬メラメラのヒューとアルの視線が痛いが気にしない。
「いやー!あのマスターがこんなにも変化するなんて!!すごいっすね!」
ヴィクトルがヘラヘラとワインを飲みながら、ガルへともたれかかる。
「そうなのよ!この子変わったでしょ?そのかわり執着がすごくてね。」
アリアナさんもワインを飲みながらウフフと笑っている。
「ヒヨリ。」
口を開けて催促するガルにパンを詰め込む。
「おい!テメー、いい加減にしろよ。」
バンッとテーブルを叩くヒューに俺はビクッと身体が跳ねる。
「1人で食えるはずなのに甘えやがって!」
ガルの胸元を持ち上げるヒューに、俺は慌ててその手を掴んだ。
だって今、ガルは無力だから!
「ヒュー!やめろよ!!」
「!!…ヒヨリ!」
俺が睨むとヒューは切なそうに眉を寄せる。
「俺が手錠したんだ。だから面倒みてんの!それに、エリザベスに票入れたくせに…」
最後の方をボソッと呟くと、ヒューはビクッと身体を固めて、悔しそうに席に戻っていった。
「…ヒヨリ。」
ガルが、うるっと瞳を潤ませている。
ああ!あのガルが、こんなにも怯えて…!
「大丈夫だ!力が無いうちは面倒みてやるからな!」
俺がギュッとガルを抱きしめると、舌打ちやら、ガタッと立ち上がる奴もいたが、気にしない。
そんな彼らを抱きしめられながら、不敵に見つめた事など気づかないヒヨリだった。
食事も終え、洗い物を手伝い、そろそろ寝ようかと思えば、ガルが待っていた。
「綺麗魔法も使えんし着替えられん。」
なるほど、俺はガルの部屋にいき、上着は無理なので、下を脱がせて、綺麗魔法をかけて、ゆったりしたズボンを履かせた。
されるがままのガルが可愛く思えて、つい、ベッドに寝かせて頭を撫でてしまった。
ガルは嬉しそうに微笑み、気持ちよさそうにする。
そんなガルを見ていたら俺自身も、船を漕ぎ始め、気付いたら寝ていたようだ。
そして、今ある衝撃によって起きたのだが……
「ぎゃーーー!何やってるー!!」
ガルが俺の息子さんを加えています!!
「ハアハアハアハア!すまない、ヒヨリがバカで、可愛い過ぎて…。」
今バカっていいました?言いましたよね!?
ガルは無力なはず、俺はガルを突き飛ばそうと、するが、出来ない!!
逆に片手で腕を掴まれて押さえ込まれ、もう片方で尻の穴を、探られている。
ん?
片手はここで、もう片方は…
「ガル!ガル!!手錠は?」
俺は真っ青になり慌てて聴くと、顎でくいっと示す。その方向に視線をうつすと、転がる手錠。
「な、な、な!3日持つはずじゃ!?」
「途中から力が戻った。」
しれっと穴の周りを擽るガルに、身悶えながら、いつからだと、尋ねる。
「…投票中?」
めっちゃ短時間じゃねえか!!
しかも、飯食えたじゃねえか!!
俺グルグルパニックになっている間に、指を穴に差し込まれた。
「ああっ!!」
俺はキッ!とガルを睨むが、それ以上に怖い顔で睨まれた。
「さあ、お仕置きだ。」
ギャーーーー!!
47
あなたにおすすめの小説
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
異世界転移して出会っためちゃくちゃ好きな男が全く手を出してこない
春野ひより
BL
前触れもなく異世界転移したトップアイドル、アオイ。
路頭に迷いかけたアオイを拾ったのは娼館のガメツイ女主人で、アオイは半ば強制的に男娼としてデビューすることに。しかし、絶対に抱かれたくないアオイは初めての客である美しい男に交渉する。
「――僕を見てほしいんです」
奇跡的に男に気に入られたアオイ。足繁く通う男。男はアオイに惜しみなく金を注ぎ、アオイは美しい男に恋をするが、男は「私は貴方のファンです」と言うばかりで頑としてアオイを抱かなくて――。
愛されるには理由が必要だと思っているし、理由が無くなれば捨てられて当然だと思っている受けが「それでも愛して欲しい」と手を伸ばせるようになるまでの話です。
金を使うことでしか愛を伝えられない不器用な人外×自分に付けられた値段でしか愛を実感できない不器用な青年
牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。
牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。
牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。
そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。
ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー
母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。
そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー
「え?僕のお乳が飲みたいの?」
「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」
「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」
そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー
昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!
「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」
*
総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。
いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><)
誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる