異世界最強の癒しの手になりました(仮)

B介

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親鳥は子の糧に

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「あー!やっと静かになったわ!お酒が欲しいくらいね!」

アリアナさんは盛大にため息をつき、ベアードさんにお酒をお願いした。

皆ぐったりテーブルについたが…


「ヒーヨーリ♡」

プン!!


「隣座らないでもらえますか?」

「そんな事言わないでよー!」

許しません!もう少しで職無しですからね!


アルが俺に泣きつくがプイッと無視。


「あらあら、策略家もヒヨリにはかたなしね。」


「ウラン隣どうぞー!!」

俺はアルを押しのけ隣にウラン、反対側はお決まりのガルですからね。

「ヒヨリ~!!」
 

トボトボと、同じく無視しているヒューのグループに入れてもらっているアル。

俺達はベアードさんから、お酒と肉を貰ったが、俺の分は葡萄ジュースになっていた。

ちょっと飲みたい気分だったがしょうがない。面倒かけちゃうしな。

「ヒヨリ、食べれない。」

ガルが俺をジッと見て手首の鎖を見せてくる。

むっ!確かに…。

俺は、肉を切って、フォークに刺して渡した。

フォークぐらい持てるだろ?と思ったが、顔を近づけてパクッと、俺の手から食べた。

へ?

「ヒヨリ、もっと。」

ジッと俺を見つめるガル。

俺はもう一回肉を刺してフォークを向けると、パクッ。

な、なんだ!この親鳥の気持ち!!

図体でかい男が、俺を頼っている状況にムズムズとする。


「おい、甘えんなよ。1人で食えるだろう!」

ウランが注意するが、ガルは口を開けて待つ。


俺はなんだか気分を良くして、そんなガルに餌付けをする。

ウランは呆れた、ダイナは少し羨ましそうに見つめている。

近くのテーブルから嫉妬メラメラのヒューとアルの視線が痛いが気にしない。


「いやー!あのマスターがこんなにも変化するなんて!!すごいっすね!」

ヴィクトルがヘラヘラとワインを飲みながら、ガルへともたれかかる。


「そうなのよ!この子変わったでしょ?そのかわり執着がすごくてね。」

アリアナさんもワインを飲みながらウフフと笑っている。

「ヒヨリ。」

口を開けて催促するガルにパンを詰め込む。


 「おい!テメー、いい加減にしろよ。」


バンッとテーブルを叩くヒューに俺はビクッと身体が跳ねる。


「1人で食えるはずなのに甘えやがって!」

ガルの胸元を持ち上げるヒューに、俺は慌ててその手を掴んだ。


だって今、ガルは無力だから!


「ヒュー!やめろよ!!」


「!!…ヒヨリ!」


俺が睨むとヒューは切なそうに眉を寄せる。


「俺が手錠したんだ。だから面倒みてんの!それに、エリザベスに票入れたくせに…」


最後の方をボソッと呟くと、ヒューはビクッと身体を固めて、悔しそうに席に戻っていった。

「…ヒヨリ。」

ガルが、うるっと瞳を潤ませている。


ああ!あのガルが、こんなにも怯えて…!


「大丈夫だ!力が無いうちは面倒みてやるからな!」

俺がギュッとガルを抱きしめると、舌打ちやら、ガタッと立ち上がる奴もいたが、気にしない。


そんな彼らを抱きしめられながら、不敵に見つめた事など気づかないヒヨリだった。


食事も終え、洗い物を手伝い、そろそろ寝ようかと思えば、ガルが待っていた。


「綺麗魔法も使えんし着替えられん。」


なるほど、俺はガルの部屋にいき、上着は無理なので、下を脱がせて、綺麗魔法をかけて、ゆったりしたズボンを履かせた。

されるがままのガルが可愛く思えて、つい、ベッドに寝かせて頭を撫でてしまった。

ガルは嬉しそうに微笑み、気持ちよさそうにする。


そんなガルを見ていたら俺自身も、船を漕ぎ始め、気付いたら寝ていたようだ。




そして、今ある衝撃によって起きたのだが……



「ぎゃーーー!何やってるー!!」


ガルが俺の息子さんを加えています!!


「ハアハアハアハア!すまない、ヒヨリがバカで、可愛い過ぎて…。」


今バカっていいました?言いましたよね!?

ガルは無力なはず、俺はガルを突き飛ばそうと、するが、出来ない!!


逆に片手で腕を掴まれて押さえ込まれ、もう片方で尻の穴を、探られている。


ん?

片手はここで、もう片方は…


「ガル!ガル!!手錠は?」


俺は真っ青になり慌てて聴くと、顎でくいっと示す。その方向に視線をうつすと、転がる手錠。


「な、な、な!3日持つはずじゃ!?」


「途中から力が戻った。」

しれっと穴の周りを擽るガルに、身悶えながら、いつからだと、尋ねる。

「…投票中?」


めっちゃ短時間じゃねえか!!

しかも、飯食えたじゃねえか!!


俺グルグルパニックになっている間に、指を穴に差し込まれた。

「ああっ!!」


俺はキッ!とガルを睨むが、それ以上に怖い顔で睨まれた。

「さあ、お仕置きだ。」



ギャーーーー!!

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