異世界最強の癒しの手になりました(仮)

B介

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ヒューと魔石

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さすが神の加護。縛られた跡も体力も元通り。

ガルもガルで上機嫌で仕事をしに行った。
しかも、その手に手錠がない事にウラン達がショックに固まっているところを平然と横切ってね。

「…あいつはどこまで化け物なんだ!!」

「奴に勝てる日がくるのか…」

「しかし、勝てないと手に入らないしな。」

「一旦4人で寝込み襲うか?」

シス、アル、ウラン、ダイナが頭を抱えてヒソヒソと話し合っている。

ティーンはその隣のテーブルで黙々と食べている。


「グルルル…ヒヨリがアイツ臭い…。」

顔を鬼のようにしてクンクンと、俺の匂いを嗅ぐヒュー。

「ヒュー、ご飯食べにくい。」

背後からずっとクンクンして、イライラしてんだもん。

「後なんで髪、ピンク?」

「変装。」


「本当の色はあの青黒い感じ?」


俺がヒューに興味持ったのが嬉しいようで、ヒューがジーンに視線を向けると、仕方ないとばかりにジーンが魔法を解いた。



すると髪の毛や耳、尻尾が光の反射によって青くも見える青黒い毛並みをしていた。


「すごい綺麗な色だよね。」

俺はつい、ヒューの髪に触れると嬉しそうに顔を擦り寄せてきた。

「魔石が体内にあるらしい。」

魔石?

キョトンとすると、ジーンが説明しながら、またヒューを今度は以前と同じ茶色に戻す。

「魔石とはモンスター…魔物の中にある石です。核とも呼ばれます。その石のカケラが何故か数個ヒューの中にあり、毛並みが魔石の色になっています。」


「身体は何ともないの?」

俺はヒューに確認するが、ヒューは嬉しそうに頷く。


「ああ、何ともない。」


俺は一応、ヒューの身体に手を翳した。

「スキャン」

前回は筋肉しか見てなかったけど。どこにあんのかな?


「無いけど?」


いくら探しても無いぞ?


「見えるのか?」

「見えるけど、見えない。」

いくら見ても、見えない…。

「本当にあるの?」

俺が疑いながらジーンを見ると、ジーンも手を翳した。


「私は逆に見えませんが、反応を感じます。」

ジーンが翳すと、確かに光る。

俺は光って見える箇所を拡大してみる。



「ん?」

何か見えたような気がして、拡大拡大拡大をしてみると、ちいちゃいカケラを発見した。

ミクロサイズくらいが3つ。


「あった!!すごいちっちゃい!」  


このサイズなら、内臓に傷つけないな。


「大丈夫そうだね。」

ポンポンとお腹を叩く。


「もっと触ってくれ。」

服をめくり上げ腹を突き出すヒュー。


「おい、何している。」


シス達がヒューから俺を離す。


「えっ?ただ気になったのスキャンさせてもらっただけだよ。」


「お前には前科があるからな。きをつけておかないと。」


ティーンがヒューを見ると、不機嫌な顔をしながら、仲間を引き連れて、ギルドを出て行った。


「ヒヨリ!今度一緒に討伐行こうな。」


ヒューはヒヨリに手を振り扉を閉めた。



「もー。ヒューは今何もしてなかっただろ?」

俺はシスに怒ると、シスはより俺を抱きしめる。


「俺だってヒヨリ不足なんだよ!!それに、攫われたんだろ?少しは警戒しろよ!」


ムムッ!確かに…だけど…


チラッと扉を見てしまう。



やはり、悪い奴と思えないんだよね。



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