異世界最強の癒しの手になりました(仮)

B介

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叫びたい!

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ギャーーー!!!

俺の叫びが美しい空に響き渡る。

何で叫んでるかって?

そりゃヒューの所為です。

ただ今、ヒューに小脇に抱えられ、猛スピードで、木から木へと飛び渡っているのだが、ジャンプ力が凄すぎて恐ろしいのだ!!

例えるなら、某有名なネズミーランドのタワーオブ○ラー的な?
高く跳ねては落下の繰り返し。
それが猛スピードだからね?

ちびってもおかしくないからね?


「ヒヨリ。舌噛むぞ。口閉じてろ。」

轟々という風の音と木々の音の中、聞こえたヒューの声に、涙しながら、慌てて口を手で塞いだ。


そして微かに聞こえた、高めの鳥の鳴き声と、荒々しい動物の低い声。


ルルとキュリウスが追いかけて来てくれてる!?


「チッ…しつこいな…。」


小さく舌打ちしたと思いきや、音の無い口笛を吹くヒューを、潤む瞳の端に捉えた。


すると、何処からと共なくヒューの両脇にジーンとタキが現れ、ヒューとの視線を合図に、一瞬で消えた。

消えたと言っても、戦闘力ゴミ以下の俺に見えないだけで、猛スピードで移動しただけだと思うが…


すると、怒りを感じるルルの唸りと、キュリウスの鳴き声が聞こえた。

多分、タキとジーンが邪魔をしに行ったのだろう。


何というか、やはりヒューの統率力とチームワークは凄い…褒めたくないけどね!!


涙目で睨みつけると、何とも男らしい笑みを向けて来た。


チクショー!!


「ヒヨリ、息を止めろ。匂いを消す。」


へ?息を?匂い?


今必死に恐怖に叫ばない様にしているのに忙しいんだが!
何を言っているのか、分かりまてん!!


ギュンギュン変わる景色に酔いそうもなった時、バッとより高くジャンプしたと思えば、木々な生い茂る森を抜けた。


そして、崖だったのだろうか…いや、目の前には滝だ。

ギャーーー!!!!!



真っ逆さまに滝壺へと落下していく。


ドボンッ!!!



荒々しい水の勢いと苦しさにもがくと、ぐいぐいと力強い手に引っ張られた。


プハッッッ!!


ゼーハーゼーハー!!


やっとの酸素を必死に吸いまくる。

そんな俺をヒューは陸地に引っ張り上げてくれた。


し、死ぬかと思った…。


うつろな瞳で、ヒューを見ると、ブルブルと頭を振り水を払っている。


「これで少しは消えただろう。」

くんくんと自分の身体の匂いを嗅ぎ、次に俺の頭に鼻を押し当てる。


「ん…いい匂い…。」

フガフガと吸い込むヒューを払う力は今は無い。


おい、股間を立たせるな!!


「ハァァ…今すぐヤリたいが、もう少し離れるべきだな…。」


深いため息を吐き、またも俺を担ぐと、高く跳んだ。

ギャーーー!!!


いい加減にしてくれ!!!


そして、せめて股間を元に戻せー!!!



舌を噛みたくない俺は、精一杯心の中で叫んだ。
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