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長く辛い拘置所の中
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時は十一月の終わりで、山の上の方にある拘置所は留置所とはまるで違いとても寒い。
薄い毛布と掛け布団では夜中は眠れないほど温度が下がる。
今年の冬は例年以上に寒いらしい。
家ならば暖房という味方があるが、そんなものはここにはない。
夜寝れないから昼間に眠くなるが横になることは禁じられている。
留置所内とはえらい違いである。
留置所では暖房がありまるで寒さは感じなかった。
椎間板ヘルニアを持っていた私には寒さは天敵だった。
敷布団が薄いのが腰に良くないうえに寒さで痛さが増す。
狭い鉄格子の中に一日中いるわけだから考える時間だけはある。
店はどうなったのだろう…?
私の両親はどうしているのだろう…?
文や杏、春は元気だろうか…?
ここから出れるようになった時にどんな顔をして文たちに会うんだ…?
考えても考えても答えは出てこない!
当たり前だ。
罪を犯したのだからそれを償わなくてはならない。
裁判で刑が決まるまで拘置所に居続けなくてはならないのだ。
拘置所にきてから三日目が過ぎた時に面会者が来た。
母親であった。
何時も母には迷惑をかけてばかりの人生だ。
ガラス越しに見える母の目は赤く腫れていて夜も眠れていないらしい。
両親は近所では名の知れた人物だったのだが、今は「針の筵の上にいるみたいだ…」
とポツリと口から呟く姿を見て私は発する言葉を失ってしまったのだ。
私よりも両親の方が何倍もしんどく、辛いのだ。
私が捕まった事はブーブーの近所の人には新聞やテレビで報道されており、店は営業するどころではなくなっていた。
一応一時休業の札を差してはいたが、営業を再開する見通しは付いてはいない。
仕方のない事だが、あまりにも情けない。
私が捕まった事で、両親は弁護士をつけてくれた。
こんな私でも息子なのだ。
本当に情けない息子ですまない…。
もし私が両親の立場だったらどうするだろうか…?
あまりにも情けなくただ涙を流すことしかできない私であった。
弁護士をつけてくれたことで何とか執行猶予で済む可能性が高くなった。
金はもちろん返したのだが、問題は無断でハンコを作り、それを使われた弁護士事務所の方だった。
黙って名前を使われた理由だから怒りを買うのは当然である。
その怒りを和らげてもらえるように弁護士にお願いするのだ。
騙すつもりはなかったのだが、結局は騙して金を渡さなかったのだからその男性にも誠意を見せる必要があった。
その男性に私の罪を軽減してもらえるように嘆願書を書いてもらった。
そうする事で執行猶予に近づくのだと弁護人は私に話した。
もし、執行猶予がつかなければ詐欺罪の場合、最低でも三年は刑に処される事になる。
三年間も刑務所に入らなくてはいけないのだ。
それだけは許してほしい…。
その考えしか私の頭にはなかったのだ。
薄い毛布と掛け布団では夜中は眠れないほど温度が下がる。
今年の冬は例年以上に寒いらしい。
家ならば暖房という味方があるが、そんなものはここにはない。
夜寝れないから昼間に眠くなるが横になることは禁じられている。
留置所内とはえらい違いである。
留置所では暖房がありまるで寒さは感じなかった。
椎間板ヘルニアを持っていた私には寒さは天敵だった。
敷布団が薄いのが腰に良くないうえに寒さで痛さが増す。
狭い鉄格子の中に一日中いるわけだから考える時間だけはある。
店はどうなったのだろう…?
私の両親はどうしているのだろう…?
文や杏、春は元気だろうか…?
ここから出れるようになった時にどんな顔をして文たちに会うんだ…?
考えても考えても答えは出てこない!
当たり前だ。
罪を犯したのだからそれを償わなくてはならない。
裁判で刑が決まるまで拘置所に居続けなくてはならないのだ。
拘置所にきてから三日目が過ぎた時に面会者が来た。
母親であった。
何時も母には迷惑をかけてばかりの人生だ。
ガラス越しに見える母の目は赤く腫れていて夜も眠れていないらしい。
両親は近所では名の知れた人物だったのだが、今は「針の筵の上にいるみたいだ…」
とポツリと口から呟く姿を見て私は発する言葉を失ってしまったのだ。
私よりも両親の方が何倍もしんどく、辛いのだ。
私が捕まった事はブーブーの近所の人には新聞やテレビで報道されており、店は営業するどころではなくなっていた。
一応一時休業の札を差してはいたが、営業を再開する見通しは付いてはいない。
仕方のない事だが、あまりにも情けない。
私が捕まった事で、両親は弁護士をつけてくれた。
こんな私でも息子なのだ。
本当に情けない息子ですまない…。
もし私が両親の立場だったらどうするだろうか…?
あまりにも情けなくただ涙を流すことしかできない私であった。
弁護士をつけてくれたことで何とか執行猶予で済む可能性が高くなった。
金はもちろん返したのだが、問題は無断でハンコを作り、それを使われた弁護士事務所の方だった。
黙って名前を使われた理由だから怒りを買うのは当然である。
その怒りを和らげてもらえるように弁護士にお願いするのだ。
騙すつもりはなかったのだが、結局は騙して金を渡さなかったのだからその男性にも誠意を見せる必要があった。
その男性に私の罪を軽減してもらえるように嘆願書を書いてもらった。
そうする事で執行猶予に近づくのだと弁護人は私に話した。
もし、執行猶予がつかなければ詐欺罪の場合、最低でも三年は刑に処される事になる。
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