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衝撃の一言?
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テーブルに戻った海斗は飲みかけのレモン酎ハイを口に流し込んで「レモン酎ハイ一つ下さい!」とカウンタのほうに向かって注文した。
既に五杯目だったが今日は全く酔わない。
というより今からの話をちゃんと聞かなくてはならないので酔うわけにはいかないのだ。
海斗はそこまでは酒好きではなかったが、五、六杯では酔う事はなかった。
あまりに空腹で飲むか、十杯以上飲むと流石に酔うが、酔っ払って訳が分からなくなるという事はあまりなかった。
もちろん若かった二十年前にはいろんな酒をチャンポンして飲み、ベロベロに訳が分からなくなった時も何度かあった。
ただ最近はそんなふうになる事はなくなった。
もちろん金もなく好きでもない酒に金をかけることがないのが大きな原因である事は間違いない。
注文した酎ハイが来た時に稲垣が途切れさせていた話を続け始めた。
「行き着いたというところまで話しましたよね…。
実はギャンブルでの大穴の的中率はものすごく低いんですよ…。
たまに当たる事はあったとしても結局トータル負けることが多いじゃありませんか…。かと言って一番人気の馬券ばかり買ってもトータルマイナスになるのは分かり切ったことです。
そこで僕は中央競馬の過去何年間かのデータをとってみました。
どのギャンブルでもそうですが、一着に来るのが一番多いのは一番人気なんです。当たり前の様に思われますが、まあ聞いてください」
稲垣はそこまで話すと生ビールを一口飲んでからまた話を続けた。
「二番目に多いのは二番人気で、三番目に多いのは三番人気でした。
でも一番人気は群を抜いて一着が多いんです。
結局何が言いたいのかと言えば、一番人気を消してしまうと的中率が大幅に下がるということです。
もう分かったでしょ…?」
生ビールのグラスに口をつけながら海斗を見て頷く稲垣だったが、海斗にはまだ何が言いたいのかよく意味が理解できなかった。
「稲垣さん…。一番人気が一着にくる確率が一番高いというのは分かりましたが、そのデータからどんな方法で勝つことができるのですか?」
海斗の疑問はもっともな話だった。
それをどの様にして勝ちに結びつけるのかを教えてもらいたかったのである。
すると稲垣は「明日仕事が終わったら帰りに事務所に寄ってください。
そのデータを渡します。
それをよく分析すれば小比類巻さんも僕の言っている意味が、必ずわかるはずです。
別に答えを出し惜しみしている訳じゃぁないですよ。
ちゃんとしたデータを示した上で納得してやれば、万一それがすぐにプラスの収支にならなくとも続けてやる意味があると思うのですよ…」
稲垣の話はもっともだと海斗は感じざるを得なかった。
何故なら稲垣の方法でプラスにならない日が続いた時に海斗は稲垣に騙された…?と思うようになるだろう。
自分がそのデータを見て納得して実践するのであれば、それは全く持って自分の責任となる。
稲垣はそれを海斗に理解してもらいたかったのだ。
何度か頷きながら海斗は「稲垣さんは月にどのくらいの金額でギャンブルやるんですか?」
それとなしに疑問をぶつけた。
「あんまり金額は人に言う事じゃないけど五十万円位かな…。
毎日やるからさのくらいの金額はかかるんだよ。もちろんデータに当てはまるレースしかやらないんだけどね…」
へぇー五十万円か…!
海斗はその金額を聞いて多いのか少ないのか自分にはよく分からなかった。
何故なら自分でも一月二十万円近くは使う。
勝ち続けている稲垣ならばもっと投資してもいいのでは?と感じたのだ。
「小比類巻さん。オッズパークと即パットを利用すればいいんじゃないですか?
そうすれば、わざわざ場外馬券売り場に買いに行く必要もないし、家のベッドで横になって携帯見てればいいんですから…」
海斗は稲垣が勧めるのであればすぐにそうしようと思った。
「帰ったらどちらも申し込んでおきます。明日の仕事終わったら事務所によっても構いませんか?」
テーブルの上の生ビールを一気に飲み干して「仕事終わったらデータをとりに来てよ。またその時、話の続きをするからさ…!」
と言って席を立った。
遅れて海斗も席を立ってレジの前で待った。
「ありがとうございました!」
居酒屋の店員の声を後に店を出た海斗は先に出た稲垣に「きょうはたくさんごちそうになってありがとうございました。
明日仕事終わって事務所寄りますから続きを教えてくださいよ!」
頭を深く下げて感謝を示した。
「明日の仕事も頑張ってね!
仕事終わったら事務所で待ってますよ」
笑みを浮かべながら右手を振る姿を見ながら海斗はアパートへ歩き始めた。
明日はどんな展開になるんだろうか…?
そう考えると明日の仕事は頑張らなくてはいけないな…。と切に思った海斗だった。
海斗の人生が変わるかもしれない明日の事に期待と不安を抱きながらベッドに横たわった。
既に五杯目だったが今日は全く酔わない。
というより今からの話をちゃんと聞かなくてはならないので酔うわけにはいかないのだ。
海斗はそこまでは酒好きではなかったが、五、六杯では酔う事はなかった。
あまりに空腹で飲むか、十杯以上飲むと流石に酔うが、酔っ払って訳が分からなくなるという事はあまりなかった。
もちろん若かった二十年前にはいろんな酒をチャンポンして飲み、ベロベロに訳が分からなくなった時も何度かあった。
ただ最近はそんなふうになる事はなくなった。
もちろん金もなく好きでもない酒に金をかけることがないのが大きな原因である事は間違いない。
注文した酎ハイが来た時に稲垣が途切れさせていた話を続け始めた。
「行き着いたというところまで話しましたよね…。
実はギャンブルでの大穴の的中率はものすごく低いんですよ…。
たまに当たる事はあったとしても結局トータル負けることが多いじゃありませんか…。かと言って一番人気の馬券ばかり買ってもトータルマイナスになるのは分かり切ったことです。
そこで僕は中央競馬の過去何年間かのデータをとってみました。
どのギャンブルでもそうですが、一着に来るのが一番多いのは一番人気なんです。当たり前の様に思われますが、まあ聞いてください」
稲垣はそこまで話すと生ビールを一口飲んでからまた話を続けた。
「二番目に多いのは二番人気で、三番目に多いのは三番人気でした。
でも一番人気は群を抜いて一着が多いんです。
結局何が言いたいのかと言えば、一番人気を消してしまうと的中率が大幅に下がるということです。
もう分かったでしょ…?」
生ビールのグラスに口をつけながら海斗を見て頷く稲垣だったが、海斗にはまだ何が言いたいのかよく意味が理解できなかった。
「稲垣さん…。一番人気が一着にくる確率が一番高いというのは分かりましたが、そのデータからどんな方法で勝つことができるのですか?」
海斗の疑問はもっともな話だった。
それをどの様にして勝ちに結びつけるのかを教えてもらいたかったのである。
すると稲垣は「明日仕事が終わったら帰りに事務所に寄ってください。
そのデータを渡します。
それをよく分析すれば小比類巻さんも僕の言っている意味が、必ずわかるはずです。
別に答えを出し惜しみしている訳じゃぁないですよ。
ちゃんとしたデータを示した上で納得してやれば、万一それがすぐにプラスの収支にならなくとも続けてやる意味があると思うのですよ…」
稲垣の話はもっともだと海斗は感じざるを得なかった。
何故なら稲垣の方法でプラスにならない日が続いた時に海斗は稲垣に騙された…?と思うようになるだろう。
自分がそのデータを見て納得して実践するのであれば、それは全く持って自分の責任となる。
稲垣はそれを海斗に理解してもらいたかったのだ。
何度か頷きながら海斗は「稲垣さんは月にどのくらいの金額でギャンブルやるんですか?」
それとなしに疑問をぶつけた。
「あんまり金額は人に言う事じゃないけど五十万円位かな…。
毎日やるからさのくらいの金額はかかるんだよ。もちろんデータに当てはまるレースしかやらないんだけどね…」
へぇー五十万円か…!
海斗はその金額を聞いて多いのか少ないのか自分にはよく分からなかった。
何故なら自分でも一月二十万円近くは使う。
勝ち続けている稲垣ならばもっと投資してもいいのでは?と感じたのだ。
「小比類巻さん。オッズパークと即パットを利用すればいいんじゃないですか?
そうすれば、わざわざ場外馬券売り場に買いに行く必要もないし、家のベッドで横になって携帯見てればいいんですから…」
海斗は稲垣が勧めるのであればすぐにそうしようと思った。
「帰ったらどちらも申し込んでおきます。明日の仕事終わったら事務所によっても構いませんか?」
テーブルの上の生ビールを一気に飲み干して「仕事終わったらデータをとりに来てよ。またその時、話の続きをするからさ…!」
と言って席を立った。
遅れて海斗も席を立ってレジの前で待った。
「ありがとうございました!」
居酒屋の店員の声を後に店を出た海斗は先に出た稲垣に「きょうはたくさんごちそうになってありがとうございました。
明日仕事終わって事務所寄りますから続きを教えてくださいよ!」
頭を深く下げて感謝を示した。
「明日の仕事も頑張ってね!
仕事終わったら事務所で待ってますよ」
笑みを浮かべながら右手を振る姿を見ながら海斗はアパートへ歩き始めた。
明日はどんな展開になるんだろうか…?
そう考えると明日の仕事は頑張らなくてはいけないな…。と切に思った海斗だった。
海斗の人生が変わるかもしれない明日の事に期待と不安を抱きながらベッドに横たわった。
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