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8話  妹がうるさいので僕は妹の口に僕のとても濃厚な物を突っ込んだ

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 「お父様お母様を殺す気はない」
 当然だ。親殺しもまた貴族の生きる道なのかもしれない。
それでも、僕はやりたくない。
もう、殺したくもない家族を殺すのは嫌だ。
お兄様を殺して、楽になれたか。
30倍辛くなっただけだ。
お父様お母様を殺して急いで家督を継承して、ケリロアに殺されるのを怯えるのか。
ケリロアも男爵令嬢、本能的に家督を継承したがっているのだろう。
ケリロアは、僕が結婚して子作りセックスして子供を作る前に僕に家督を継承させたいのだろう。
そして、僕が子作りセックスして子供を作るより先に僕を殺したいのだろう。
家督を継承して子供もいれば、当然継承するのは兄弟姉妹ではなくて子供になる。
お父様お母様を殺して家督を継承してどこぞの貴族令嬢と結婚して、子作りセックスに励んで子供を二人作れば、
また兄弟姉妹で殺し合う。
僕の遺伝子がまた兄弟姉妹で殺し合う。
そんな事を望んでいるのか。
望んでいない。
望んでいなくても、僕は男爵令息なのだから、僕の遺伝子で作られた子供はまぁそうなるだろう。
子供を2人は作るのが男爵の遺伝子を持つものの本能だ。
弱い僕は、当然子供を2人は作るだろう。
僕の子供2人は兄弟姉妹で殺し合うのだろう。
それを責めるのもそうならないで欲しいと思うのも、我儘が過ぎているだろう。
僕が弱いのだから。
 「そう、どうせお兄様はお父様お母様を殺して家督を継承するのよ」
 そんなわけがない。
 「お父様お母様を殺す気はないと言っているだろう。にっかり堂のガトーショコラを食え!!」
 妹の口ににっかり堂のガトーショコラを突っ込んでやった。
これで少し黙っていろ。
 「にっかり堂のガトーショコラって美味しくないわねイフレお兄様」
 「ああ、美味しくないな」
 僕は食べたかった。
 「こんな美味しくもないにっかり堂のガトーショコラのために殺されたシップトお兄様って(笑)」
 「不愉快だ。もうお兄様の話はするな。お兄様を侮辱するな」
 いくら男爵令嬢だろうと、死んだ兄弟を侮辱する事は最高な不快感が拒絶反応を起こす。
貴族だからこそ、仁義だの義理人情だのと言って死者を丁重に扱うのです。
そうでもしなければ、弱い貴族は罪悪感と不快感に支配されるのです。
貴族なんてものは義理人情だ仁義だと死者への礼節だの偉そうに格好をつけて言って、所詮そんな理由なのです。
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