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69話 「フルダイブ型VRMMORPGって本当にいいものねぇ」
しおりを挟む「俺、悪くない」
「いや、規生、お前にも悪い所がある」
お互い自己紹介もしていない2人ですが、なんだかんだお互い名前で呼び合う中になっていますね。
配下の者同士の仲が良い事は良いことです。
きっと、連携効果で活躍してくれる事でしょう。
規生君に今この状況で色々諭す時間はないので、もう後回しにしましょう。
とりあえず、環希ちゃんの応急処置をしなければなりません。
まったく、規生君が余計な仕事を増やしてくれるわ。
けれど、今はそれも悪くないかもしれないと思うわ。
フルダイブ型VRMMORPGに転生したのなら、これをやらなきゃフルダイブ型VRMMORPGを遊んでいるとは言えません。
「規生君、少し向こうを警戒してて頂戴」
私はレズなんで、男の子に見られたいなんて特殊性癖は持っていません。
「わかった、俺、的がいたら射る」
わかってくれたのはいいのですが、敵がいたら射るのではなく、的がいたら射るというのが、心配になります。
規生君には、敵や敵以外の見分けがつくのでしょうか。
敵と仲間と的の違いもついていないような規生君にはつかないでしょうね。
私は、ぱんつを下ろしました。
「てめぇ、何する気だ」
環希ちゃんがうろたえる。
「何って、なによ」
「知ってるぞ」
「てめぇはレズで女好き美少女好きのクソロリコン野郎なんだ」
「臭くてきたねぇもんを近づけるな」
「ええ、そうね」
「確かに、それも関係あるけれど」
「これは応急処置よ」
環希ちゃんは察したのか、必死に拒絶する。
「てめぇ、やめろ」
「これは嗅覚もあるフルダイブ型VRMMORPGだぞ」
「だからいいんじゃないの」
私は、環希ちゃんの傷口におしっこをかけました。
いえね、これね、応急処置として仕方ないんですよ。
今、ポーションや薬草も治療キットも持ち合わせていませんし。
私、回復魔法使えませんし。
「やだぁぁぁぁぁ」
「やめてくれぇぇぇぇ」
環希ちゃんがなんといっても、私は配下の環希ちゃんを治療しなければなりません。
私は、最後まで、環希ちゃんの傷口におしっこを出し切りました。
「ふぅ」
「フルダイブ型VRMMORPGって本当にいいものねぇ」
「最低だよてめぇ」
「てめぇもフルダイブ型VRMMORPGも最低だよてめぇ」
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