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1話「はぁー?荷物を持つのは女の仕事だろうっ!モルクト王国王太子ロンジンス・ハーギンに荷物を持たせる気かっ!俺様は荷物など持たんぞっ!」

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「ロンジンス、荷物半分持ってよ」
婚約者のロンジンスと同棲するために色々必要な物があるので婚約者と買い物に来てたのですが、
普通言わなくても半分荷物持つと思うんですよ。
色々必要な物を買っているんですからね。
もうかなり荷物で両手がいっぱいなんです。
なんで言われる前に当然のこんな事もできないんですかねぇ。
やれやれ、モルクト王国第一聖女としての伝統だのなんだのと両親に無理矢理決められたから仕方なく婚約者になりましたが、
これでは今後の生活が不安になります。
私、本当にこんな人と結婚して大丈夫なんですかねぇ。
そもそも、私この人好きなのかと言われたら嫌いですし。
 「はぁー?荷物を持つのは女の仕事だろうっ!
モルクト王国王太子ロンジンス・ハーギンに荷物を持たせる気かっ!
俺様は荷物など持たんぞっ!」
 え、は。はーーー?馬鹿でボンクラで容姿31点男子力30点知能42点合わせて103点のボンクラ殿方だとは思っていましたが、
これではもうどうしようもありません。
私にはこんな自尊心だけは高い自尊心カスを教育する事なんて出来ませんししたくもありません。
そもそも私はこの1人ボンクラのママでも家庭教師でもありませんよ。
なんで私がそんな教育してあげなければいけないんですか。
 「はぁー、この婚約者のママは何をして来たんですか。こんな当たり前の事ぐらい教育しておいてください。
婚約者伴侶恋人と一緒に買い物に来ていたら荷物を半分持つのは当然でしょう。
なんでこんな当たり前の教育をしていないのですか」
 あまりにも婚約者がゴミボンクラなのでつい、思っている事が口に出てしまいました。
 「サラアさんっ!それはねっ!殿方は荷物など持つ必要がないからよっ!」
 ロンジンスのお母様ナスタシア様じゃないですかっ!
なんで急に後ろから答えてくるのでしょう。
ずっと後をつけていましたね。
ロンジンスもマザコンクソボンクラ婚約者でしたけど、ナスタシア様も子離れできない過保護な人ですね。
あの、このロンジンス8歳児なんかじゃないんですよ。
もう24歳なんですよ。
24歳の息子が婚約者と買い物に行くのに何故後をつけるのでしょうか。
そんなに私が気にくわないんでしょうか。
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