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感情屋 マサくん
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罵られると嬉しい。
蔑んだ目で見られたい。
痛いことが寧ろ快感。
これはおかしいのだろうか??
マサはいつもそんな疑問を抱いていた。
こんなこともできないんですか?と冷めた目で後輩の女子に言われれば心がときめき、高いヒールを履いた女性を見れば踏んで欲しいと心の中で懇願している。
顔に出ていないかいつもヒヤヒヤしていた。が、なんとかポーカーフェイスでいるのがなによりの自慢できるところではあった。
だか次第に願望と下半身は膨れ上がれ、とうとう胡散臭い噂を信じてこの公園に来ていた。
「うーん…ホントに現れるのか…」
それは満月の夜、池に反射した月の道を渡ってやってくるという。
感情という目には見えないものを具現化させ売買を行っているらしい。
売った感情は持ち主から綺麗になくなり、買ったものには永遠になくならない。
そんな夢のようなことをしてくれる、感情屋。
その感情屋に今までで1番痛かったことと、1番傷ついたことなど、普通の人だったら売りたくて仕方が無いような感情が欲しくて欲しくてたまらなかった。
「それにしても…」
マサは感情屋の真偽よりも、もしいるとしたらどんな美人なのかということで頭がいっぱいだった
「きっと【はぁ?こんなこと感情欲しいわけ?キッモ、ばっかじゃないの?】とか【あらあら、マサ君は虐められたいのかなー】とか言ってくれるのかなグフフ…美少女だったら髪型はツインテールで、美女だったら黒髪ロングを下ろして…」
「ええ…ああ、ちょっとそこの…もの、…大丈夫か?」
心の底から心配そうな顔をして男は声をかけたが、そんな声は聞こえるわけもなくマサは続けた。
「服装は制服かナース服がいいな…フフフ…綺麗な足してるんだろうな…グフフ」
「悪かったな、美女でもなければツインテールでも制服でもナース服でもなくて」
男は遠くて聞こえなかったのかと思い、マサの真横でぶっきらぼうに言い切った。
「いやでも敢えて普通のワンピースとかでも…」
「おい!いい加減にしてくれ!」
「え?」
「やっと正気に戻ったか。全く…」
「お、おお…あなたがもしや噂の感情屋でしょうか?」
「ああ、そうだ」
「…」
「男でガッカリしてるか」
「い、え…そ、そのようなことは…ございませんです!!!!」
「やけにわざとらしいが、まあいい。で、依頼はなんだ」
「はい!!!!今まで一番傷ついたという感情を買い取らせてほしいんです!!!!」
「そんな元気よく言うセリフじゃないと思うのだが…となるとこの辺りか」
感情屋は毒々しい色をした小瓶をマサに渡した。
「おお…これがその…」
マサは小瓶を受け取ると中に入った液体を自分にかけた。
「ぅぅぅぅうおおおおぉ、これだよ!これだ…はぁはぁ…なんて…なんて心地いいんだ…これが…これがふおおおおおおおしゅごいのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお…」
マサは頭を掻きむしりながらその場で転げ回った。
まさしくマサが普段感じていたくて仕方がなかったどうしようもない恥ずかしさ、悔しさ、情けなさ、やり場のない気持ちが一気に押し寄せてきた。
「な…な、なんて…なんて…はぁはぁ…」
「ああコホン、下半身と共に盛り上がってるところちょっとすまないがいいか」
マサは夢のひとときを邪魔するなゾウリムシが、と言いたげな顔をしながら感情屋を睨みつけた。
「ちなみにだか、そのセリフを言った女性の写真がこれだ」
感情屋は俯き、肩を小刻みに震わせながら写真を渡した。
「写真…!!!写真があるのかー、はぁぁ…一体どんな美少女がこんなこと言ったんだろうなぁ…はぁぁ…いや、美女かもしれない…グフフ……………」
マサはこの世の終わりのような顔をして、下半身とは裏腹に素早く立ち上がった。
「あっ…あっ…そんな…そんな…そんなことが…こんなムンク見たい顔したやつからこんなセリフを…」
感情屋はとうとう堪えきれなくなって声を出して大笑いした。
「くく…くく、これで分かっただろ。つまり君はただの面食いという訳だ」
「あ…あ…」
感情屋はマサの肩に優しく手を添え。
「まあ、頑張れ少年、思春期の壁を超えるんだ」
微笑みながらそう告げるとどこかに消えてしまった。
その時マサの中で時間が止まり、そしてナニかだけが大きく上を向いた。
「そういえば…男とするのってどうなんだろうか…」
もしかしたら女の人とするよりも気持ちいいのでは??
そもそもこんなに反り勃ったものが入る、そんな痛そうなことをされたら自分は一体どうなってしまうのか…
のちに【チョロインのマサ】と言えば知らぬものはいない、男娼としての道を目指すきっかけとなる出来事だった。
蔑んだ目で見られたい。
痛いことが寧ろ快感。
これはおかしいのだろうか??
マサはいつもそんな疑問を抱いていた。
こんなこともできないんですか?と冷めた目で後輩の女子に言われれば心がときめき、高いヒールを履いた女性を見れば踏んで欲しいと心の中で懇願している。
顔に出ていないかいつもヒヤヒヤしていた。が、なんとかポーカーフェイスでいるのがなによりの自慢できるところではあった。
だか次第に願望と下半身は膨れ上がれ、とうとう胡散臭い噂を信じてこの公園に来ていた。
「うーん…ホントに現れるのか…」
それは満月の夜、池に反射した月の道を渡ってやってくるという。
感情という目には見えないものを具現化させ売買を行っているらしい。
売った感情は持ち主から綺麗になくなり、買ったものには永遠になくならない。
そんな夢のようなことをしてくれる、感情屋。
その感情屋に今までで1番痛かったことと、1番傷ついたことなど、普通の人だったら売りたくて仕方が無いような感情が欲しくて欲しくてたまらなかった。
「それにしても…」
マサは感情屋の真偽よりも、もしいるとしたらどんな美人なのかということで頭がいっぱいだった
「きっと【はぁ?こんなこと感情欲しいわけ?キッモ、ばっかじゃないの?】とか【あらあら、マサ君は虐められたいのかなー】とか言ってくれるのかなグフフ…美少女だったら髪型はツインテールで、美女だったら黒髪ロングを下ろして…」
「ええ…ああ、ちょっとそこの…もの、…大丈夫か?」
心の底から心配そうな顔をして男は声をかけたが、そんな声は聞こえるわけもなくマサは続けた。
「服装は制服かナース服がいいな…フフフ…綺麗な足してるんだろうな…グフフ」
「悪かったな、美女でもなければツインテールでも制服でもナース服でもなくて」
男は遠くて聞こえなかったのかと思い、マサの真横でぶっきらぼうに言い切った。
「いやでも敢えて普通のワンピースとかでも…」
「おい!いい加減にしてくれ!」
「え?」
「やっと正気に戻ったか。全く…」
「お、おお…あなたがもしや噂の感情屋でしょうか?」
「ああ、そうだ」
「…」
「男でガッカリしてるか」
「い、え…そ、そのようなことは…ございませんです!!!!」
「やけにわざとらしいが、まあいい。で、依頼はなんだ」
「はい!!!!今まで一番傷ついたという感情を買い取らせてほしいんです!!!!」
「そんな元気よく言うセリフじゃないと思うのだが…となるとこの辺りか」
感情屋は毒々しい色をした小瓶をマサに渡した。
「おお…これがその…」
マサは小瓶を受け取ると中に入った液体を自分にかけた。
「ぅぅぅぅうおおおおぉ、これだよ!これだ…はぁはぁ…なんて…なんて心地いいんだ…これが…これがふおおおおおおおしゅごいのおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお…」
マサは頭を掻きむしりながらその場で転げ回った。
まさしくマサが普段感じていたくて仕方がなかったどうしようもない恥ずかしさ、悔しさ、情けなさ、やり場のない気持ちが一気に押し寄せてきた。
「な…な、なんて…なんて…はぁはぁ…」
「ああコホン、下半身と共に盛り上がってるところちょっとすまないがいいか」
マサは夢のひとときを邪魔するなゾウリムシが、と言いたげな顔をしながら感情屋を睨みつけた。
「ちなみにだか、そのセリフを言った女性の写真がこれだ」
感情屋は俯き、肩を小刻みに震わせながら写真を渡した。
「写真…!!!写真があるのかー、はぁぁ…一体どんな美少女がこんなこと言ったんだろうなぁ…はぁぁ…いや、美女かもしれない…グフフ……………」
マサはこの世の終わりのような顔をして、下半身とは裏腹に素早く立ち上がった。
「あっ…あっ…そんな…そんな…そんなことが…こんなムンク見たい顔したやつからこんなセリフを…」
感情屋はとうとう堪えきれなくなって声を出して大笑いした。
「くく…くく、これで分かっただろ。つまり君はただの面食いという訳だ」
「あ…あ…」
感情屋はマサの肩に優しく手を添え。
「まあ、頑張れ少年、思春期の壁を超えるんだ」
微笑みながらそう告げるとどこかに消えてしまった。
その時マサの中で時間が止まり、そしてナニかだけが大きく上を向いた。
「そういえば…男とするのってどうなんだろうか…」
もしかしたら女の人とするよりも気持ちいいのでは??
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