【小説版】Birthday-墓前で君を想う-

葵生りん

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抵抗5

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「はぁ………っ」


 子猫のように散々じゃれあい、噛みついたり舐めたりしすぎて、笑いつかれてしまったふたりは、一緒に息をついてベッドに横たわった。それがなんだかおかしくて、顔を見合わせて笑い、互いを抱き寄せる。

 心地の良い疲れに満たされ、幸福感を噛みしめる。

 初めて交わった後もじゃれあったけれど、こんなに心地の良く疲れるほどではなかったと思う。


「ねぇ、ロラン……」

「うん?」

「これ……出して」


 男根を服の上からさわさわと撫でられ、じわりと先走りが滲んで下着を濡らす感覚がする。


「……もうほしい?」


 じゃれあっているうちに乱れた着衣は肌を滑り落ちていき、マリーは膝に下着が一枚ひっかかっているだけ、こちらも上着はどこにいったのやらわからなくなっていた。


「後で、ね。私だけじゃ嫌なの」


 膝に引っかかっていた下着を自ら脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿で寄り添ってくるくせに恥ずかしそうに頬を染めたマリーが言い放つ。らしい言動に苦笑いでベルトをはずしズボンを寛がせ、腰穿きを脱ぐ。

 言われた通りに一糸纏わぬ姿になると、マリーは両手でそれに触れた。


「……わ、あったかい……」


 グロテスクな様相のそれに、マリーは嫌悪感など微塵もなく愛おしそうに頬を寄せる。ぴくりと反応した本能が、再びじわりと先走った。


「マリー……ちょっと待って。その、これは……」


 マリーはちょんっと人差し指で透明なそれを突っつき、つ、と糸を引くのをじっと真剣に眺めるので妙にバツが悪い。


「黙ってて」

「………っ!!」


 一蹴すると、マリーはんむんむと傘の下、棹に浮かぶ血管の筋を舌先でなぞった。


「……ふ。く……っ、マリー……? マ……ぁっ!」


 思い切りよくはむっとそれをくわえられ、堪えきれずに情けなくも嬌声をあげてしまった。それを面白がってさらに深くくわえようとするマリーの肩を押し、それを止める。


「ダメだよ、マリー。今日は初夜なんだろう?」


 肩で息をしながら理性を押しとどめる私に対して、え~?と不満げに唇を尖らせるマリーはあどけなくも妖艶で、卑怯なほどにかわいらしい。


「慎み深い淑女が好みなんだ」


 マリーにしてもらえるならこういうのも嫌ではないけれどと心の中でつけくわえてしまったのは悟られないように細心の注意を払った甲斐があったのか、マリーは残念そうに身を引いた。「じゃあまた次の機会にするわ」と不穏な呟きが聞こえたような気がしたが聞かなかったことにして、純潔を装った妻を緩やかに押し倒した。






「マリー……君は、本当に綺麗だ」

「な、なによ急に」


 月明かりに照らされて白磁のように淡く輝きそうな肌に唇を滑らせているうちにうっとりとこぼれた言葉に、マリーは頬を染めて今さらその美しい姿態をわずかなりとも隠そうと自分の腕を胸に巻き付け、足の付け根を覆った。

 細い腕からこぼれ落ちる柔らかな果実がふるりと揺れ、とろりとした蜜がこぷりと音を立てた。


「綺麗だ」


 羞恥に震える姿に、欲望はもうはちきれそうでぴきぴきと痛みが走り、それすらがさらなる快感に変わっていく。


「まるで神に愛されるために生まれたような美貌――それを独占できる幸福に感謝するよ」


 首筋の甘い香りを味わい、指先と舌先で胸や腰の白い肌の柔らかさと温もりを味わう。そしてふと、臍のあたりを舐めた時に、そのわずかな膨らみに気を取られた。


「……ごめんな、少し我慢してておくれ」

「もうっ、ロランったら!」


 そっと撫でて声を掛けると、ぐいっと頭を押された。


「現実に引き戻すなら、今度こそ食べちゃうわよ」

「あははは、ごめん。それは勘弁してほしい」


 潤んだ瞳で睨見上げてくるマリーが男根に手を伸ばそうとした気配がして、その手を掴み止める。油断ならない悪戯好きの両手を右手でまとめて頭上でシーツに縫いつけ、キスをする。


にくわえてほしいからね」

「やぁんっ!」


 左手の指を一本、もうひとつの秘密の唇のほうへ押し込んだ。

 熱くとろとろに蕩け、なんの抵抗もなく指をくわえ込んでしまう唇が――自分の仕業だけれども――小憎たらしく、その上の蕾をコリコリと苛めてみる。


 くぷっ。くちゅ、くちゃん。

 蕾を愛撫したり、ゆっくりと2本の指を抜き差しするたびに響く、卑猥な水音。


「はぁ、はぁっ……ん、んうっ」


 そして、それと同調して上がるよがり声がなんともいえない高揚感を生み、夢中になって愛撫し続ける。


「はぁっ……ロランッ、おねっ……が、い。もう、きて……っ!」


 マリーはそろそろと、しかし自ら両足を大きく開いて蜜を滴らせる花を差しだし、震える吐息で願った。

 瞬間、張りつめていた糸が切れるような感覚を覚える。


「マリーッ!!」

「――あぁあぁぁっ!!!」


 気の利いた台詞を言う余裕も気遣う余裕もなく、遮二無二その中心を一気に貫いていた。


「マリー、マリー、マリーっ、愛してる――!!」

「はぁっ、はぁぁっ……あぁん! あぁん!!」


 猛然と襲い来る罪悪感から逃げ出すように何度も叫び、激しく腰を振った。その動きに合わせて荒々しくも艶めかしい嬌声をあげるマリーの足が、びくびくと震える。


「あっ、あっ、ロ、ランッ、ロランっ! お、ねが……っ、」

「………うん?」


 必死に呼ばれてようやく、なにか言いたげなマリーに気づいて、理性が少しだけ動きを緩めた。



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