素直になれなくて-吉哉の場合-

吉野ゆき

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番外編-1

11

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「じゃあ、一緒に迎えに行こうか」


ピンポーン

ちょうどそのとき、お客さんが来た。

「はーい!
真由、ちょっと支度して待ってて」

そう言うと、お母さんはパタパタと玄関へ走った。


レインコートを着て、長靴を履いて。
あとはおでかけセットも持たなきゃ。

…支度できちゃった。


チラリとリビングを見ると、見えるのはお話好きの隣のオバサン。

お母さんはなんとか早く話を終わらせようとしているみたいだけど、きっとあの様子からして短くてもあと20分はかかるだろう。


私は手に持っているお気に入りの傘とお母さんを交互に見た。


よし!

私は腰を上げて玄関のドアを開けた。


一人でもだいじょうぶ。
だってわたしもう小学生だもん。
えきまでの道だってわかるもん。
お母さんまってたら、お父さんカゼひいちゃうよ。


玄関を出ると、思ったよりも外は暗くなっていた。

一瞬ひるんだが、傘の取っ手をギュッと握り締めて前に踏み出した。


行くんだ!
お父さんがわたしをまってる!!
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