素直になれなくて-吉哉の場合-

吉野ゆき

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番外編-1

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ピチャピチャとわざと水溜りを音を立てながら歩いていく。

ザァザァと降る雨は一向に止む気配はない。


えきまでの道ってこんなにとおかったっけ?
もしかして、まちがえたのかな…?


だんだんと不安になる心を紛らわせるように、大きな声で歌ってみた。

でもそれも雨の音に消されていく。


「お父さん、お母さん…」

誰が見ているわけでもないのに、溢れてきた涙を傘を傾けて隠した。




ドンッ


いきなり何かにぶつかった。


え?なに?なにが起こったの?

慌てて傘を上げ視線を外に向けると、そこには小さな男の子が倒れていた。

わ、わたしが前をみてなかったからだ!


「だいじょうぶ!?」

私は男の子に駆け寄った。
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